専門分野
国際関係論(国際政治経済論)
研究テーマ
国際機構、貿易と海外直接投資の政治学
研究紹介
私は国際関係論、中でも国際政治経済論・国際機関の分野の研究をしています。
例えば、国際機関がどのように情報や標準を発行するのか、そして国内のアクターがこれらの決定にどのような影響を与えるのかを研究しています。気候変動やパンデミックなどグローバルな課題の中で、科学情報の政治性について議論が高まっています。国際機関が情報を作り公開する政治的プロセスはどのようなものなのでしょうか。取り組んでいる研究の一つでは、エネルギー分野における複数の機関が、科学的な予測や政策提言を公開する際にどのように相互に影響を与え、それらの情報が国内文脈でどのように利用されるのかを検討しています。国際機関や国内機関が発行する情報・文書データを分析したりすることで、互いの影響や国内での引用バイアスについて明らかにしようとするものです。
もう一つの進行中のプロジェクトでは、多国籍企業がその子会社ネットワークを通じて国際標準化にどのような影響を及ぼしているのかを調べています。具体的には、ISOの各委員会の投票メンバーに関する独自のパネルデータセットと、海外直接投資のプロジェクトレベルのデータを組み合わせて分析を行っています。以下の図は、ISO標準化に特に関心を持つ企業から海外直接投資を受けた国が、その後その投資に関連するISO委員会への参加可能性が高まることを示したものです。
その他のプロジェクトでは、多国籍企業が国内外でどのように政治的影響力を行使しているのか、多国籍企業にとって「国籍」は何を意味するのか、そして今日の広範なグローバル・バリュー・チェーンの下での企業と国家の関係について考察しています。これらの問いに答えるため、輸出入申告レベルの通関データ、企業の海外直接投資データ、企業管理職従事者を対象としたサーベイ実験などを活用しています。詳しくは個人ウェブサイトをご覧下さい。
宮野 紗由美
MIYANO, Sayumi
准教授:Associate Professor
学位:博士(政治学)(プリンストン大学)
smiyano@osipp.osaka-u.ac.jp