専門分野
犯罪学,都市社会学,社会的不平等
研究テーマ
私の研究テーマは、犯罪とその取り締まりの原因および結果の解明です。特に以下の二点に焦点を当てています。一点目は、公共政策(刑事司法政策やその他の社会経済政策)が犯罪行動に及ぼす影響の分析です。二点目は、地域の薬物汚染が近隣や都市形成にどのような変化をもたらすかについての解明です。詳しくは以下の個人ホームページをご参照ください。
研究紹介
それぞれの研究テーマに関して簡単に最近行なっている研究のご紹介をします。
第1の研究テーマ:日本では1960年代年の原油輸入自由化と石炭政策の転換を機に、石炭から石油へのエネルギー源の転換、いわゆるエネルギー革命が起こりました。当時、炭鉱地域の一部のヤクザは、私的保護の提供や労働介入を資金源としていました。本研究では、1960年代のエネルギー革命が、短期および長期に渡りヤクザの活動にどのような影響をもたらしたかについて検討しています。下の図は、歴史的に石油輸入による炭鉱労働者の減少が顕著であった地域ほど、2000年代以降のヤクザの活動が活発になっていることを示しています。
第2の研究テーマ:日本では近年、市販薬による過剰摂取(オーバードーズ)という問題が注目されるようになりましたが、アメリカでは1990年代後半から、オピオイドと呼ばれる処方鎮痛剤による薬物乱用が深刻な公衆衛生問題となっています。初期段階では、健康保険の加入率における人種間の格差により、白人層が大きな影響を受けました。本研究では、処方薬であるオピオイドの乱用を抑止するために導入された政策が、近隣変化に及ぼす影響を検討しています。下の図は、政策導入後に、貧困白人層の集住地域が増加していることを示しています。
鎌田 拓馬
KAMADA, Takuma
准教授:Associate Professor
学位:Ph.D. in Sociology(ペンシルバニア州立大学)
kamada@osipp.osaka-u.ac.jp