グローバル・リスク・ ソリューションズ・センター (GRSC)とは

What is Global Risk Solutions Center?English

グローバル化や科学技術イノベーションの急速な進展で、私たちの安全や繁栄が世界の動きと密接に連動した毎日になっています。人、モノ、カネ、情報、データなどはかつてないスピードと規模で国境を越え、行き交う日々。それは私たちの暮らしが世界のさまざまな「リスク」と隣り合わせになる公算がいっそう大きくなる時代に突入したことを意味します。日本から遠く離れた国や地域での武力紛争であっても「地政学的リスク」として市場に影響を及ぼすケースは確実に増えています。テロ事件は国内、海外を問わず、いつどこで発生するか予断を許しません。また、気候変動によって世界各地で頻度と列度を増している自然災害についても、ここ関西の地であれば大規模な被害が想定される南海トラフ巨大地震発生の可能性を含め、しっかりと目を向けていく必要があります。そして、わずか数か月で「パンデミック(世界的大流行)」となるにいたった新型コロナウイルス(COVID-19)事案のような感染症への対応も重要な課題です。

リスクのない世界は存在しません。また、新たな機会や革新を切り拓くため、あえてリスクを取る選択が私たちに求められることもあります。ですが、誰も望まず、許容もしえないリスク要因について、私たちは予め理解や備えを強め、実際にそれらが顕在化した際の負のコストやダメージを極力抑えるためきめ細かい手立て、すなわち、「ソリューションズ」(それぞれの事案に則した多様かつ具体的な予防策や対応策や解決策のセット)をしっかりと用意しておくことは不可欠です。私たちは日常の慌ただしさの中でそもそもこうしたリスク要因から目をそらしがちです。それでも、万一の「その日」「その時」を想定し、そのための備えや学びに日ごろから少しでも投資をしておくことで、いざというときのソリューションズを充実させていくことが可能となります。言い換えるなら、私たちが望まぬリスク要因に意識を向け始めたそのときから、ソリューションズを手にする一歩を踏み出したことになるのです。

大阪大学大学院国際公共政策研究科が「グローバル・リスク・ソリューションズ・センター(Global Risk Solutions Center:GRSC)」を立ち上げたのは、私たちが蓄積してきた学術的・経験的な分析とグローバルに広がるネットワークで得られた情報や知見を幅広い市民、企業、自治体、政府、国際機関などの皆さまたちと共有し合うことで、望まれないリスクが及ぼすコストやダメージに対するよりよいソリューションズを分かち合うことを目的としています。

国連は、2030年までに、「誰一人取り残さない」社会を実現するために17のゴールからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を打ち出しています。この目標は、人々(個人や地域社会)の生存・生計・尊厳を守るとともに、人々のもつ潜在的な能力を高め、人々が自らの生活に降りかかるさまざまなリスクに敢然と立ち向かうレジリエンス(しなやかでたくましい力強さ)をも育む「人間の安全保障」の理念の実現にもつながります。GRSCの活動は、「誰一人取り残さない」というSDGsの推進を強く支持するとともに、人々がより幸福で平和的で持続可能な社会に向かう循環や軌道から取り残されることのないよう、現実的なリスクに対して現場に密着した効果的なソリューションズを一緒に編み出し、実践していきたいと願っています。

海外での安全管理はもとより、国内にあっても日常の安全が損なわれるような事態が発生したとき、私たちは乳幼児からお年寄りまで、また健常者から病気や障がいを持たれる方々まで、多様な人々のニーズに目配りをすることが求められます。また、訪日外国人や在留外国人コミュニティの方々に対する多文化・多言語での情報や支援の提供も必要となります。「グローバル・リスク・ソリューションズ・センター」は、平素から産官学民で皆さまと共に力を合わせ、共にリスクに対する感覚を研ぎ澄まし、「その日」「その時」に向けた体制作りや予防・対応解決策を実施することのできる「未来共生社会」の実現を目指します。

以上の目的を踏まえ、本センターでは、主に次のような事業を進めていきます。

  1. 海外安全・危機管理情報を収集・分析・発信する。
  2. 日本及び海外の政府、自治体と連携した多言語防災・被災者支援計画の立案・実施支援する。
  3. 多言語安全確認システム(Cared.jp)の社会実装(6th株式会社と連携)と、国内外の自然災害や感染症対策等に使える「非常時安否確認アプリ(日本語及び多数の外国語に対応)」の開発を進める。
  4. 災害時のインバウンド支援に向けたコンテンツの開発を進める。
  5. 教育機関のグローバル化において、海外安全・危機管理教育のためのEラーニング・プログラムの開発を進める。
  6. 外国人留学生、技能実習生等に向けた日本国内における危機管理教育のためのEラーニング・プログラムの開発を進める。
  7. 自治体と連携し、日本国内の非常時における広域多言語情報の発信及び多言語避難所のコーディネートをする。
  8. 海外の政府・自治体・大学等と連携した防災教育を提供する(すでにインドネシアのアチェ州、ジョグジャカルタ州、中部スラウェシ州で展開中)
  9. リスク・ソリューションズの観点から国連で合意された「持続可能な開発目標(SDGs)」実現に資する諸事業を政府・自治体・企業・NGO・国際機関等と共同で推進する。

  10. その他、政府・自治体・企業・研究機関・国際機関等との連携を通じた共同研究・広報・啓発・人材育成など本センターの目的に資する諸事業を実施する。

お問い合わせ

Contact Us

国内・海外の政府・自治体・企業・教育機関等からの個別の防災・事業継続計画(BCP)の検証や海外留学プログラムの危機管理研修などを受託いたします。

大学・教育機関のグローバル活動のための危機管理Eラーニング・プログラムの提供にご関心ある大学はお知らせください。

国内・海外の政府・自治体・研究機関・NGO等との共同研究や共同事業にも対応いたします。

講演・講義(日本語・英語)もお受けいたします
<講演・講義タイトル(例)>

  1. グローバル・リスク・マネジメント
  2. Eラーニング・プログラムを使った海外留学におけるリスク対策と有事の際の組織の体制(英語・日本語)
    *研修の1か月ほど前に学生にEラーニング・プログラムを実施し、当センターでリスク意識を分析し、貴大学・教育機関の学生たちの問題意識に合った研修を行います。
  3. (訪日外国人留学生・技能実習生等を対象に)日本での生活におけるリスクや防災対策等について(英語・日本語)
  4. 災害時に多言語災害情報の翻訳をボランティアで行っていますが、協力してくれている留学生などに少しでも対価を出してあげたいと考えています。ご寄附を通じて当センターの活動にご協力いただける方は事務局までご連絡ください。大阪大学へのご寄附に対しては税制上の優遇措置が適用されます。

制度の詳細は、下記の資料をご確認ください。

大阪大学へのご寄附に対する優遇制度

リンク

大学・教育関係

外務省危機管理関連情報

  • 海外安全パンフレット・資料

国連持続可能な開発目標(SDGs)

  • 国連SDGsの概要及び日本の取組