専門分野
労働経済学、応用計量経済学
研究テーマ
失業、格差、労働供給、消費、健康;社会政策;計量分析
研究紹介
「人や家族にかかわる政策をデータ分析すること」
人はなぜ働くのか?なぜ働かないのか?働いて得た収入を誰のためにどのように使うのか?お金ではなく時間の場合、使われ方は異なるのか?真に貧しいのはどのような人なのか?社会政策はこれらにどう影響しているのか?このようなテーマを、経済学的な理論と分析手法に基づき、データ解析を行うことで分析しています。
人や家族にかかわるテーマを経済学的なアプローチで分析するのは必ずしも主流ではありません。個人や家族の行動を経済学の理論で説明すれば、しばしば「私や私の家族はそんな単純には行動しない」と言われ、データ解析をすれば「人の痛みはデータでは分からない」と言われます。しかしながら、政策を考えるためには仮定から導かれる結論に注目することが大切ですし、“間違いの少ない”データ解析の結果に基づいて政策を評価することが必要です。
人や家族を分析対象とすると研究テーマは広くなります。実際、私が現在研究している論文のテーマは、消費、教育、健康、労働時間、家事労働、職場環境、失業、犯罪、格差と多岐にわたっています。法学、医学、社会学、心理学といった学問領域と広くかかわる研究テーマですので、これらの分野での知見も利用しながら、人や家族にとって本当に必要な政策を考察しています。
研究室では、データ解析のために、国内外で様々な調査や実験を行っています。
以下は、日系企業への就職を希望するASEANの大学生を対象に、求職者調査を行った時のものです。
学生へのメッセージ
データにだまされないよう、そしてデータで嘘をつかないような技術を身につけてほしいと思っています。研究室では、データを使って日本の実態を国内外に知らせること、海外の知見を広く取り入れることを大切にしています。データから新しい発見をする楽しさだけでなく、当たり前と言われていることをデータで確認する地味な喜びを皆さんと共有したいと思います。研究はとても楽しいです。
小原 美紀
KOHARA, Miki
教授:Professor
学位:博士(経済学)(大阪大学)
kohara.miki.osipp@osaka-u.ac.jp