『国際公共政策研究』編集委員会よりお知らせです。
査読誌『国際公共政策研究』第26巻第2号を発行いたしました。全ての論文はオンラインで閲覧可能です。
第26巻2号は通常と同様、投稿論文を掲載するとともに、2020年7月15日、在職中に逝去された松本充郎准教授の追悼特集を組んでいます。
松本先生のご専門は環境法・行政法で、特に水法を研究してこられました。研究・教育・社会活動と幅広い分野でご活躍され、その内容は今も高く評価されています。
本号では、松本先生のお弟子さんにあたる鳥谷部壌先生やOSIPPの真山全教授と和仁健太郎教授が論文を寄稿してくださっています。また、松本先生の未完成の遺稿である「カリフォルニア州における持続可能な地下水管理法の現状と課題」も大久保邦彦教授の解説を付し掲載されています。本稿は、2021年4月に公刊された松本先生の論文集の一部となる予定でしたが、未完成のため論文集への所収が断念されました。しかし、大久保先生が松本先生のお兄様から「弟が一番恐れていたのが原稿のお蔵入り」だとお聞きしたことから、松本先生の文章に解説を加えた形で、『国際公共政策研究』に掲載することとなりました。
さらに、松本先生を偲ぶ会にご参加くださったたくさんの方々からメッセージをお送りいただき、松本先生へのメッセージも掲載しています。これらのメッセージを読むと、松本先生の誠実であたたかいお人柄を感じ取ることができます。。
【26巻2号目次】
・巻頭の辞 赤井伸郎
投稿論文
・70年大阪万博の招請活動に関する一考察―国際共同館構想の成功と私企業招請を巡る課題―
加畑 杏理 pp.1-15
・China and Climate Change: Exploring a Non-Western Climate Discourse
Peizhi ZHANG pp.17-38
・共同利用資源ゲームにおけるプレイヤーの主観的費用の進化的安定性に関する考察
―プレイヤーの均衡労働量と共同利用資源の消失に注目して―
宮下 春樹 pp.39-46
・ 無人海上システム(UMS)と海戦法規―軍艦の定義の展開と運用上の考慮事項―
吉田 靖之 pp.47-63
・改革開放期中国における留学生政策の変容―鄧小平の役割を中心に―
張 少東 pp.65-87
松本充郎准教授追悼特集
・松本充郎先生ご略歴 西連寺隆行 p.89
・カリフォルニア州における持続可能な地下水管理法の現状と課題
松本 充郎 (解説:大久保邦彦) pp.91-106
・欧州人権条約に基づく気候訴訟―Urgenda財団対オランダ事件からの示唆―
鳥谷部 壌 pp.107-118
・ How to Conduct Lawfare against Nuclear Weapons More Effectively in Japan
-A View from the Law of Armed Conflict-Akira MAYAMA pp.119-133
・戦後補償問題における「国際法上の」個人請求権の意義
和仁 健太郎 pp.135-148
・松本先生との思い出―松本充郎先生への追悼メッセージ集― pp.149-177
・松本充郎准教授略歴および研究業績等一覧 pp.179-pp.189
大阪大学国際公共政策学会HP
大阪大学国際公共政策学会『国際公共政策研究』編集委員会