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【ポスター報告】川本結人さん(OSIPP博士前期課程)、白川咲良さん(法学部国際公共政策学科4年次)

OSIPP博士前期課程1年次の川本結人さんと法学部国際公共政策学科4年次の白川咲良さんが、2026年6月21日に日本大学で開催された日本選挙学会においてポスター報告を行いました。 <報告論文>Title: “選挙権年齢の引き下げと若者の投票率”Author: 川本結人、白川咲良、松林哲也Abstract: 本研究は、差の差法を用いて、選挙権年齢の引き下げにより日本の若者の投票参加が長期的に向上したかを検証する。分析の結果、20歳で選挙権を得た世代と比べ、18歳または19歳で初めて選挙権を得た世代は「初回投票ブースト」 が強く、さらに20代後半の国政選挙の投票率が有意に高いことがわかった。この傾向は女性において特に強い。地方選挙では初回投票ブーストが弱く、長期的な投票率向上も見られない。メカニズムを検証するために20歳前後の有権者を対象としたサーベイデータを分析したところ、家族との同居が10代の有権者の投票参加意向と正の関係を持つことがわかった。これらの結果は、初めて選挙を経験する時期における安定した家庭環境が、長期的な投票習慣の形成において重要な役割を果たしている可能性を示唆している。
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【新刊:髙田陽奈子准教授】Pluralising Actors and Norms in Human Rights Treaties: Beyond Monolithic States

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した髙田先生の新刊をご紹介いたします。 髙田陽奈子先生Takata, Hinako. Pluralising Actors and Norms in Human Rights Treaties: Beyond Monolithic States. Hart Publishing, 2026. ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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OSIPPでデータ分析を学び卒業した先輩とのオンライン交流会

2026年6月6日、「OSIPPでデータ分析を学び卒業した先輩とのオンライン交流会」(CEPO[1] 主催)がZoomにて開催された。プログラムでは、OSIPP博士後期課程に在学中の学生である筆者と、OSIPP博士前期課程・博士後期課程を修了後に就職している先輩2名が登壇した。 早稲田大学の講師のElizaveta Kugaevskaiaさん(2025年3月 博士後期課程修了)は、OSIPP在籍中にどのような授業を受講し、何を学んだかを中心に話した。計量経済学や因果推論に関する授業で身につけた分析スキルが、現在の研究・教育活動の土台になっているという。大学教員になってからも、授業の設計・運営を担いながら、大学院時代と大きく変わらずデータ分析や論文執筆を続けているとのことだった。授業で学んだ内容だけでなく、OSIPPの研究コミュニティの一員として過ごした経験が何よりの財産であったと締め括った。 2016年博士前期課程修了の中村圭さんは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社で官公庁のEBPM(Evidence-Based Policy Making; 合理的根拠に基づく政策立案)支援に従事している。OSIPPで学んだことを活かして社会に貢献したいという思いが生じ、銀行からシンクタンクへ転職した経緯を話した。シンクタンクの実務では、因果推論をはじめとする高度な専門知識と、課題の構造的な整理やデータ収集方法の検討といった基礎的な作業の両方が重要であること、また担当する政策分野について継続的に学ぶ姿勢が不可欠であることを説明した。 質疑応答では、院試と就職活動・社会人生活の両立、大学院内の雰囲気、研究テーマの決め方まで多岐にわたる質問が寄せられた。またプログラムの最後にはブレイクアウトルームに分かれ、参加者と登壇者が気軽に言葉を交わす機会も設けられた。 就職活動に比べて大学院進学に関する情報は少なく、学部生にとってはイメージが湧きにくいかもしれない。しかし今回のような交流会を通じて、卒業生や在学生がOSIPPへの進学を決めたきっかけや、大学院での生活のリアルな様子に触れることで、少しでも具体的なイメージを持ってもらえれば幸いである。また、社会で活躍する卒業生の話からは、どのようなキャリアパスが開かれているか、どのようなスキルが求められているかが伝わったのではないだろうか。何より、同じ志を持つ仲間とともに学ぶ時間はかけがえのないものなので、興味のある方はぜひ進学を検討してみてほしい。 (OSIPP博士後期課程 池内里桜) [1]  CEPO (Center for Evidence-Based Policy Making): OSIPP経済系教員で構成されている研究センターで、質の高いエビデンスに基づく政策立案に役立つ、厳密な実証/理論研究の推進に努めている。
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教員紹介:鄒燦 准教授

2026年4月に着任した鄒燦先生にインタビューを行いました。鄒先生は日中戦争史および日中関係の研究を専門としています。 これまでのご経歴を教えてください。 中国の大学院にて修士号を取得後、2011年に渡日。2016年に大阪大学法学研究科で博士号を取得しました。その後、同研究科での特任助教を経て、2017年4月からはOSIPPにて3年半、助教として研究に従事しました。2020年12月からは中国の南開大学日本研究院にて准教授を務め、2026年4月より現職であるOSIPPの准教授に就任しました。 鄒先生が研究者を目指したきっかけを教えてください。 研究者を志すようになったきっかけは、学部3年生の時に参加した国際シンポジウムです。2007年に開催された第一回「現代中国の社会変容と東アジアの新環境」という国際シンポジウムに、当時の指導教員から推薦をいただき、日本・中国・台湾の研究者が集う中、唯一の学部生として発表する機会を得ました。そこで海外の研究者たちと議論を交わした経験が、私の研究者としての原点であり、後の日本への留学のきっかけにもなりました。 発表当時のテーマについて教えてください。 「児童節(こどもの日)と中国の政治社会化の進化過程」というテーマで報告を行いました。戦後に新しく制定された休日である児童節には、各地で子どもたちのためのイベントが行われます。 私の報告では、これらのイベントが単なる催しではなく、若い世代への社会主義思想や革命的価値観などのイデオロギー教育として利用されている点に着目しました。こうしたイベントを通じて、政権の思想を社会に浸透させ、政権の正当性を強固にする−いわば児童節を政治教育の道具として使う仕組みについて分析した内容です。 これまでの研究についても紹介していただけますでしょうか。 大きく分けて二つの柱があります。 一つ目は「政治的シンボルと記憶」に関する研究です。ここで言う「政治的シンボル」とは、例えば祝日や政治ポスターなど、政治的な意味を帯びたモノや行事を指します。これら政治的シンボルから隠された意図を読み解く「表象分析」という手法で研究を行ってきました。政治を単なる権力者たちの駆け引き(外交・軍事)として捉えるのではなく、社会全体がいかにしてその政治的状況を受け入れ、物語化したかというボトムアップの視点から、中国政治史や日中関係史における政治的・歴史的「争い」を紐解く作業です。 先ほどの児童節に関する研究もこの一環です。児童節という祝日を一つのシンボルとして捉え直すことで、政治社会化のプロセスを明らかにしようと試みたものでした。 二つ目は「日中戦争と近現代日中関係」の研究です。日中戦争が如何にして戦後の日中関係に影響してきたか、その歴史的要因とメカニズムを実証的に研究しています。 主に、戦争に関わった各権力の主体の異なる戦争認識や解釈、そして身分・職業・性別・国籍が異なる戦争体験者の多様な戦時体験や記憶に対し、歴史的検証と比較研究を行っています。戦争についての認識や記憶は、国家や社会によって意図的に編集され、政治的シンボルへと昇華されることで維持されます。そのため、日中関係に影響し続ける歴史認識問題は、事実そのものの争いというより、互いの社会が維持してきた「シンボル体系の衝突」なのではないかと思い、こうした衝突の構造を明らかにしようとしています。 この研究の魅力や面白いところを教えてください。  日中戦争は1945年に終わったわけではありません。その記憶やシンボルは、今なお日中両国の外交、ナショナリズム、そして市民感情を動かす「現在進行形のエネルギー」だからです。過去の事実を掘り起こすだけでなく、なぜ今それが、さまざまな形で政治的に利用されたり、人々の感情を激高させたりするのかという「仕組み」を解き明かす点に、この研究のダイナミズムがあります。  また、歴史の記憶は固定されたものではなく、時代や政治の要請によって二転三転します。例えば、ある事件が戦後しばらくは忘れ去られていたのに、ある時期を境に突然「国家のシンボル」として浮上してくることがあります。「誰が、なぜ、どのようにしてその記憶を呼び覚まし、シンボルに仕立て上げたのか」というプロセスの舞台裏を、緻密な史料批判から暴き出していくのは、まるで謎解きのような面白さがあります。 先生の指導スタイルや指導学生の研究テーマをお聞かせください。  私が指導する学生は基本的に「あの戦争が、日中の人々に何をもたらし、それがどう記憶されて今に至るのか」という問いに関連するテーマを扱っています。  近現代日中関係や日中戦争の記憶は、時に感情的な議論になりやすいテーマです。だからこそ、安易な二項対立(どちらが正しいか)に逃げず、複雑な現実を複雑なまま受け止め、日中関係の「不都合な真実」にも「小さな個人の声」にも誠実に向き合いながら、論理的に説明することを求めています。 私は異なる視点を持つ学生同士が徹底的に議論できる環境を大切にしています。また、ステレオタイプな言説や考え方を乗り越えるために、一次史料に徹底的にあたるよう指導しています。中国側の史料が語るリアリティと、日本側の残した記録のギャップに直面し、それらを突き合わせることで、客観的な研究者としての視点を確立してほしいと考えています。 ****** 准教授 鄒燦 Zou Can(すう さん)研究テーマ:日中戦争と近現代日中関係、政治的シンボルと記憶専門分野:アジア政治史、国際関係史学位:博士(法学) <代表的な業績>1 単著『「盧溝橋事件記念日」をめぐる日本と中国』(大阪大学出版会、2018年)2 「日本統治下の台湾における日中戦争像‐総督府の戦争記念活動を中心とした考察」(瀧口剛編『近現代東アジアの地域秩序と日本』第8章、大阪大学出版会2020年) (OSIPP博士前期課程 WANG Hsin Ni)
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2026年5月の研究業績

OSIPP基幹講座教員から報告があった研究業績をご紹介します。 ・細井友裕 先生 ・前川和歌子 先生・松林哲也 先生 ・髙田陽奈子 先生・川窪悦章 先生 ・松島法明 先生Tomohiro Hosoi(論文)Tomohiro Hosoi, Tomoko Takahashi, African Agency in the Formation of Summit Diplomacy: An Analysis of Diplomatic Documents on TICAD I, Global Studies Quarterly, Volume 6, Issue 2, April 2026, ksag079, https://doi.org/10.1093/isagsq/ksag079 (査読あり)Abstract: “Africa + 1 summits” have emerged as a prominent prototype of contemporary African diplomacy. But it is important to examine how such summits were initially formed and how African states engaged in their institutional design. Earlier studies have yet to explain the preference of aid recipient countries for the summitry model over traditional bilateral schemes. Further, there is a limited understanding of how donors adjusted to the voices of aid recipients during negotiations to create such forums. This article examines the formative negotiations surrounding the launch of the Tokyo International Conference on African Development (TICAD) in the early 1990s. As the first Africa + 1 summit, TICAD constituted a pioneering case that shaped the development of summit diplomacy between Africa and external actors. Drawing on documents recently declassified by the Japanese Ministry of Foreign Affairs, obtained through information disclosure procedures, this article analyses how African states engaged with the inception of TICAD and influenced its institutional configuration. The analysis demonstrates that African states were not merely passive participants; they actively shaped Japan’s Africa policy during the 1990s by embedding their preferences in the conference’s design. Core features of TICAD and the broader Africa + 1 summit framework, such as the inclusive participation of all African states, including North Africa, and the establishment of follow-up mechanisms, emanated from African proposals during the preparatory process. By revealing how African agency operated at the formative stage of Africa + 1 summitry, this article contributes to scholarship on African diplomacy and the institutional evolution of summit diplomacy with external powers.Wakako Maekawa(論文)Cyrus Azimy, Marius Mehrl, Wakako Maekawa, Margherita Belgioioso, Daina Chiba“The Gender Gap in Peace and Conflict Journals, 2000–2024”International Studies Perspectives, 04 May 2026 (査読あり)https://doi.org/10.1093/isp/ekag002Abstract: While the issue of gender representation has gained increasing recognition across various academic disciplines, existing knowledge about the current state of gender representation in peace and conflict studies remains limited. This study aims to investigate gender representation in peace and conflict studies by examining a newly collected dataset of articles published in five academic journals representative of the field between 2000 and 2024. We find that, although the gender gap has not disappeared yet, it has narrowed over time. Our results show that increased collaboration, particularly across genders, appears to be an important driver of this trend. Additionally, we find evidence that gender differences in topical specialization exist in the field and that a gender gap in citation patterns exists for some of the field’s core journals. Continued efforts are needed to further improve gender representation.松林哲也(著書)松林哲也著『入門 現代政治学:選挙から政治家・政党、メディアまで』(中央公論新社、2026年)。https://www.chuko.co.jp/shinsho/2026/05/102908.html概要:そもそも政治とは何か?その体系は見えにくい。選挙で投票しなかったら不都合はあるのか。どんな政治家が選ばれ、誰の意見が通るのか。なぜ政党が新たに生まれるのか。経済成長・不平等との関係とは。有権者を幸せにしているのか。本書では、選挙、政治家、政党、有権者、メディア、民主主義などの基本概念をつなぎ合わせ、最新の政治学の理論と動向を紹介。データをもとに、民主政治の新しい見取り図を描き出す。髙田陽奈子(裁判意見書)髙田陽奈子「意見書」東京高等裁判所第12民事部、令和7年(ネ)第3743号 自由権規約に基づく損害賠償請求控訴事件(2026年4月18日提出)。要旨:本件訴訟では、難民申請者である原告らに対して、被告である日本国が行った長期的かつ反復的な入管収容が、自由権規約9条1項の「何人も、恣意的に逮捕され又は抑留されない」という権利の侵害を構成するか否かが中心的な論点になっており、2025年に地裁判決が出て、現在、控訴審において訴訟手続が進んでいる。本意見書は、原判決と国による控訴理由書および答弁書を踏まえて、2023年に原審に提出した意見書を補足するものであり、主に、(1)国内法制度との整合性や国内法制度への影響という要素の、条約解釈における位置づけについて、(2)条約法条約31条上の諸要素の内容の理解について、(3)自由権規約委員会が採択する「一般的意見」の条約法条約31条・32条上の位置づけについて解説している。Takafumi Kawakubo(DP)Suzuki, Takafumi, Makoto Hasegawa, Masayoshi Hayashi and Takafumi Kawakubo“Information Constraints, Benchmark Dispersion, and Border Misreporting: Evidence from Japanese Customs Data”CIRJE Discussion Paper: CIRJE-F-1272, May 2026https://www.cirje.e.u-tokyo.ac.jp/research/dp/2026/2026cf1272ab.htmlAbstract: Border taxes are effective only insofar as customs can verify declarations at the border. We study whether higher border tax rates induce importers to understate the declared tax base, and whether such responses are concentrated where customs has less information from past transactions. Using confidential Japanese customs microdata linked to UN Comtrade, we construct HS6 product–partner–year cells for 2014–2021 and estimate how tax rates affect the trade-cost-adjusted log gap between partnerreported exports and Japan-reported imports, a reduced-form proxy for trade misreporting. The average semi-elasticity of this gap with respect to the tax rate is positive but statistically indistinguishable from zero. Yet the average masks sharp heterogeneity: responses are close to zero in information-rich lanes but economically meaningful in thin-information lanes, and somewhat larger where implied-unit-value dispersion is greater. A decomposition of mirror-data outcomes shows that the tax-responsive component of these discrepancies appears mainly in quantities rather than in implied unit values. The results imply that, even in a high-capacity setting, the effective incidence of border taxes depends on the lane-level information available for enforcement.Noriaki Matsushima(DP)Noriaki Matsushima“Monopolistic personalized pricing with a data advantage and cross-market harm”OSIPP Discussion Paper: DP-2026-E-006, 18 May 2026https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2026/DP2026E006.pdfAbstract: This paper develops a model of two monopoly markets linked by a common consumer budget constraint. A data-rich firm can set personalized prices in one market, whereas a traditional firm in the other must charge a uniform price. Personalized pricing can expand demand in the data-rich firm’s market, but because purchases come from a shared budget, it shrinks the residual demand facing the traditional firm and reduces its profit. When budgets are sufficiently tight, this adjacent-market distortion dominates same-market demand expansion, reducing total surplus. Thus, favorable same-market evidence alone is insufficient to support a benign assessment.Noriaki Matsushima(DP)Akio Kawasaki, Noriaki Matsushima“Competition between a public and a data-rich private firm: An application to digital health” OSIPP Discussion Paper: DP-2026-E-005, 8 May 2026https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2026/DP2026E005.pdfAbstract: Digital entrants in health care and health insurance often compete against public or mission-oriented organizations rather than only against private rivals. We develop a Hotelling model of mixed competition in which a private data-rich firm chooses the scope of consumer-data collection and then uses the acquired information to personalize offers. The rival supplies a standard service and is either a welfare-maximizing public firm or a profit-maximizing private firm. We characterize equilibrium data collection, prices, consumer surplus, profits, and social welfare. The private digital firm chooses a wider data-harvesting range when its rival is private than when its rival is public, because a public rival uses welfare-oriented pricing to discipline the induced market allocation rather than to maximize its own profit. The welfare ranking is non-monotonic in the value created by personalization. When the benefit from personalization is either small or large, competition against a public rival yields higher welfare; when the benefit is intermediate, competition against a private rival can dominate because it induces a broader rollout of personalized service. These results highlight that the welfare effects of digital entry depend jointly on data-driven personalization and the ownership objective of incumbent health-sector organizations.
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2026年度 OSIPP海外インターンシップ・海外研究の助成に関する説明会

2026年5月29日に、OSIPP棟2階講義シアターにて海外インターンシップ・海外研究の助成に関する説明会が開催された。説明会はオンラインとのハイブリッド形式で、日英両方の言語で実施された。 説明会では、国際交流委員長であるヴァージル・ホーキンス教授より、助成対象となるインターンシップ/研究の実施時期や、応募方法の詳細、今後のスケジュールなどについて説明が行われた。また、応募時点で受け入れ先が確定していなくても申請可能であることが強調され、積極的な応募が推奨された。(詳細は説明会資料を参照) 最後には質疑応答の時間も設けられ、参加者からは応募資格の確認や面接に関する質問が寄せられた。 興味のある方は応募要項をご確認のうえ、ぜひご応募いただきたい。 問い合わせ先:研究支援室 国際交流担当 (OSIPPライブラリー)
  • 教員

【新刊:松林哲也教授】『入門 現代政治学:選挙から政治家・政党、メディアまで』(中公新書2908)

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した松林先生の新刊をご紹介いたします。 松林哲也先生松林哲也著『入門 現代政治学:選挙から政治家・政党、メディアまで』(中央公論新社、2026年)。 ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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【同窓会主催】修了生インタビュー(瀧田あゆみさん)

2006年にOSIPP博士前期課程を修了された瀧田あゆみさんにインタビューを行いました。瀧田さんは、国連本部でのインターンシップ等の経験を経て、現在は国際交流基金(Japan Foundation)に勤務され、人物交流や知的対話を通じ、日本と他国の信頼関係づくりに取り組んでいます。 今の職種に就職しようと思った理由を教えてください。 幼い頃、湾岸戦争のニュースに接し、「なぜ戦争するのか」「どうして平和ではいられないのか」といった素朴な疑問を持ったことが原点にあります。以来、様々な書籍を読む中で、何か自分にもできることがないかと考えるようになり、漠然とではありますが、国際社会に関わる仕事を志すようになりました。 大学や大学院で学ぶ中でも、世界規模の課題への学術的な関心と、目の前の社会との距離感に戸惑い、進路に迷うこともありましたが、転機となったのは、OSIPPでの授業や実地研修でした。特に印象に残っているのは、指導教官の黒澤満先生(軍縮国際法)からかけていただいた次の言葉です。 「日本は今戦争をしていませんが、過去60年前(当時)には戦争をしていました。今の日本は自動的に平和なのではありません。誰かが絶えず、日本と他国の関係がうまくいくよう努力しているから、友好関係が維持できているのです。」 この言葉を聞いたとき、それまで漠然と抱いていた疑問や関心が、現実の仕事のイメージと結びついたように感じました。危機が起きたときだけでなく、平時から国を越えた信頼関係を支える仕事があること、そしてその方法は色々あるものの、その努力の一端を担いたいと考えるようになったことが、自分にとって大きな転機となりました。 「最後の3フィート」を埋める対話の力 さらに、その後の研究で触れた「パブリック・ディプロマシー(Public Diplomacy)」の概念も、進路を考える上で重要な手がかりとなりました。非常に幅広い概念で、この定義や有効性については専門家の間でも様々な議論があるため詳述は避けますが、「フルブライトプログラム」などの人物交流や教育・文化・知的対話が、長期的に国と国との関係を支えるという発想は、それまで思い描いていた外交や国際関係のイメージを広げるものでした。もちろん文化交流や人物交流だけで、国際社会の課題や衝突を解決できるわけでは到底ありません。しかし、梅棹忠夫先生の「文化は安全保障の不可欠の一部である」という言葉が示すように、異なる背景を持つ人がお互いを知ろうとし、国を越えて信頼関係を築き、相互理解を深めることは、国際関係を支える「一つの方法」ではないかと考えるようになりました。 パブリック・ディプロマシー分野を代表する米ジャーナリストであるエドワード・マロ-(Edward R. Murrow)氏は次の言葉を残しています。 “The real crucial link in the international exchange is the last three feet, which is bridged by personal contact, one person talking to another.” 国際交流における真に重要な繋がりは、最後の「3フィート」にあり、それは人と人とが直接接し、言葉を交わすことで埋められるという趣旨ですが、国際関係が最終的には人と人との顔の見える関係・対話に支えられているということを端的に示す言葉だと感じました。あらゆるコミュニケーションが自動化・効率化され得る時代だからこそ、AIでは代替できない、自分の目で見て直接話を聞くこと、生身の人間が温度感を持って向き合うことの価値は一層増しているとも言えるのではないかと思います。 文化・人物交流が国際関係を支えるという問題意識を踏まえ、どのような経緯で国際交流基金の職に就かれたのでしょうか。 これまで述べてきた問題意識の延長線上で、人物交流や文化交流を通じて国際社会との関係構築に取り組む国際交流基金の活動に関心を持ち、この分野での実践に携わりたいと考えるようになりました。 就職活動の過程で一度立ち止まる時期がありましたが、その間に参加したニューヨークの国連本部でのインターンシップが次の転機となりました。国連軍縮室(当時は軍縮局)アジア太平洋センターで、国連総会や第一委員会の議論の記録・要約作成、関係会合の準備などの業務に携わりました。 その場で交わされる議論が次の日のニュースヘッドラインになっていくような、国際政治の議論の生の現場を間近で見られたことは貴重な経験であったと同時に、国際的な場において日本の立場や考え方を丁寧に伝えていく役割の重要性を実感する機会ともなりました。 こうした経験を経て、帰国後は日本に軸足を置きながら、交流を通じて国際関係を支える仕事に携わりたいという思いが更に固まっていきました。その延長線上に、現在の仕事があると感じています。 現在の仕事内容とその魅力や面白いところ、大変なところを教えてください 国際交流基金は、総合的に国際文化交流を実施する日本の専門機関(独立行政法人)で、「日本と世界をつなぐ場をつくり、人々の間に共感や信頼、好意を育む」ことをミッションとしています。現在は、国際対話部という部署で、米国、ASEAN、インド太平洋地域を中心に、研究者や実務家などが国境を越えて対話し、ネットワークを形成するためのプログラムの企画・運営や助成事業に携わっています。 国際交流基金は海外に26ヶ所の事務所があり、これまでタイ・バンコクおよび米国ニューヨークで計約8年間、海外の現場で業務にあたりました。タイではメコン川流域諸国(タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー)との文化・芸術交流事業を担当し、ニューヨークでは、日米間の知的交流事業を中心に、大学やシンクタンクとの連携、研究者や実務家の共同研究の支援などを担当していました。 特に印象深いのは、防災をテーマにした国際的な学び合いです。私自身も阪神・淡路大震災を経験していますが、米国ニューオーリンズがハリケーン・カトリーナの被害を受けた際、神戸の関係者と経験や教訓を共有し、復興や防災について学び合う交流事業の企画・実施の一端を担う機会がありました。その後もタイや米国で、そして日本を含むインド太平洋地域で、防災を共通の課題として経験や教訓を共有し、次の世代へと伝えていくための交流事業に携わってきました。 これらの取組では、どちらか一方が相手に知識を「教える」のではなく、災害を経験した被災地の人々同士が対話を通じてお互いの経験や知見を交換し、共に「学び合う」ことを重視しました。異なる社会背景や文化を前提とし、災害という共通課題を前に、一緒に現場を訪れ、直接言葉を交わすことで、お互いへの関心が深まり、違いを超えた相互理解や信頼が少しずつ育まれていきます。これらの過程を通じて、異なる文化や文脈、社会状況を尊重しつつ協働する関係づくりの難しさと重要性、人と人との出会いが持つ力を実感しています。 人物交流や文化交流は華やかな印象を持たれることもありますが、国際交流基金における仕事は、交流の主役である参加者の方々が出会い、交流する場を陰で支える「裏方」の仕事です。実際の業務は、事務手続きや調整など地道な作業が多々あります。成果がすぐに目に見えるとは限らず、数値化しづらいことや、成果が現れるまでに長い時間を要することも少なくありません。他方で、分野や国境を越えて人々が出会い、対話から新たな関係が生まれる瞬間に立ち会えることは、この仕事ならではのやりがいを感じるところです。交流の成果が数年、あるいは十数年後に思いがけない形で花開くこともあります。そうした人のつながりに息長く関われることに、この仕事の面白さを感じています。 現在の職種を志望される場合、学生時代にどのような準備をしておくとよいでしょうか。 今の仕事は分野が幅広く、常に新しいことを学び続ける必要があります。例えば、現在携わっている知的交流は、多岐にわたる地球規模の共通課題への、国境を越えた共同の取組を支援するため、政治・経済から、パンデミックや気候変動、高齢化や地方創生といった様々なトピックに触れますし、国際交流基金全体では、美術や映画、音楽などを始め、伝統から現代まで広い文化や言語を扱います。職員個々の学びでは限界がありますので、多様な分野の専門家の助言や協力をいただきながら仕事を進めることがとても重要になります。 今振り返ると、学生時代には、特定のスキルを磨く以上に、自分の関心を広げ、わからないことに向き合う姿勢を持つこと、専門外の分野や異なる考え方を持つ人との対話・交流、様々な体験をしてみることが、その後の仕事にも繋がっているように思います。学生時代に一見関係ないと思えた経験が、後になって思いがけず役立つことも少なくありません。 OSIPPではどんな学生生活だったか、OSIPPで学んだことで役立っていることなどを教えてください。 振り返ると、本当に多くの方々に支えていただいたと感じています。特に、国際的とは言えない環境で育った私にとって、大学院で出会った先生方の導きは大きく、学際的な授業や実地研修、時には外部専門家の招聘授業を通じて、物事を多角的に捉える視点を示し、国連インターンなどの挑戦の機会もいただきました。こうしたご指導がなければ、今の自分はなかったと思います。 また、大学院で出会った友人は、現在は研究者や記者など、それぞれの道で仕事と家庭を両立させながら活躍していますが、何かあれば駆けつけ、支え合える関係が続いています。彼女達の、足で情報を集め、自ら動いて学ぶ姿勢は、OSIPPでの学びを通じて身についたものなのかもしれません。尊敬できる友人たちの存在から、今も多くの刺激と学びを得ています。 OSIPPの留学生との交流で得られた国際的な縁も、現在の仕事に生きています。例えば、インド太平洋地域の協働ネットワーク事業で連携しているオーストラリア研究所では、偶然にもOSIPP同窓生がカウンターパートとなり、学生時代に築いた信頼関係が、国を越えた協働へと発展しています。振り返ってみると、大学院で得た最も大きな財産は、人との出会いだったと感じています。その出会いが、今も仕事や人生を支えています。 現在のOSIPP生の皆さんへメッセージをお願いします! 大学院で過ごす時間は、学内で開かれている機会を活用して多様な選択肢を知り、将来の土台をつくる時間だったように思います。具体的な進路がまだ定まっていない時期も、迷いや不安も含めた様々な経験が、後になって「点と点がつながる」瞬間を実感することもあります。OSIPPで得られる学びの時間や、先生・友人・外部専門家など、たくさんの人との出会いを大切にしながら、実り多い日々を過ごされるよう願っています。
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2026年度 留学説明会

2026年5月27日、OSIPP棟6階会議室にて、対面とオンラインとのハイブリッド形式で留学説明会が開催された。イギリスへの留学経験を持つ前川和歌子准教授が、大阪大学の交換留学制度の概要から留学準備の実践的なアドバイスまで幅広く説明を行った。 はじめに、留学には学位取得を目的とするものと、そうでないものの2種類があることが説明された。学位取得を目的としない留学としては、短期留学・語学留学・研究留学などが例として挙げられた。 続いて、大阪大学の交換留学制度が紹介された。大阪大学全体の大学間協定に加え、OSIPPが独自に締結する部局間協定の交換留学先として、オランダ・韓国・カザフスタン・メキシコ・台湾・スイス・フランスにある10校の大学があり、今後も拡充される見込みであることが強調された。交換留学のメリットとしては、留学先で修得した単位の互換、修業年限への算入、そして留学先大学の授業料が不要である点が挙げられた。申請にあたっては、志望先ごとのGPAや語学スコアの要件を早めに確認し、計画的に準備を進めることが勧められた。 また、「ダブルディグリー・プログラム」についても紹介された。OSIPPでは、オランダのグローニンゲン大学、フィリピンのデ・ラ・サール大学、韓国の延世大学校のいずれかに留学することで、大阪大学と留学先の双方から学位を取得することができる。さらに短期の研究留学・調査研究については、「トビタテ!留学JAPAN」や日本学術振興会の「海外特別研究員」制度に加え、OSIPPが独自に提供する海外調査研究への助成制度があることも紹介された。 また、協定校以外の大学への学位留学については、前川准教授自身のイギリス留学の経験を交えながら説明がなされた。出願に必要な書類としては、志望動機書・語学スコア・GPA・推薦状・ライティングサンプル・成績証明書などが一般的だが、国や大学によって異なるため個別の確認と計画的な準備が必要とされた。イギリスの修士課程は1年間でコースワークと論文執筆を完了できるため、日本の2年制と比べて集中的に学位を取得できる点が特徴として挙げられた。(詳細は説明会資料を参照) 説明会の最後には質疑応答の時間が設けられ、留学先の選び方については、自身の制約を踏まえつつ、自分の研究との親和性を考慮することが大切であるとのアドバイスがあった。 大阪大学の学生が活用できる多様な留学の選択肢が整理され、OSIPPの協定や助成金制度も紹介された充実した説明会となった。筆者自身も博士後期課程在学中に1年間の学位取得を目指さない研究留学を経験したが、さまざまな選択肢や学内外の制度があるゆえに選択に迷った経験がある。OSIPPには留学経験豊富な教員が多いため、今回の説明会の内容をもとに、ぜひ気軽に相談しながら自分に合ったパスを見つけてほしい。留学に関する相談は、OSIPP研究支援室・国際交流担当まで。 (OSIPP博士後期課程 池内里桜)
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2026年度春季OSIPP説明会(5月開催)

2026年5月15日、OSIPP棟6階会議室にて、2026年度春季OSIPP説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約100人が参加した。説明会では、入学試験、在学中のカリキュラム、修了後の進路などについて説明があり、質疑応答も行われた。 説明会ではまず、河村倫哉教務委員長代理から、入試に関する情報、早期修了制度を含む修了要件、学生支援などについて詳しい説明があった。学生支援については、国際学会で発表する際の補助、海外インターンシップへの助成、私費留学生に対する特待留学生授業料免除など、さまざまな制度が紹介された。また、2年次以降は副指導教員がつくなど、指導体制が手厚いことも述べられた。 続いて、法学、政治学、経済学の各分野の教員から、それぞれの分野に関する説明があった。 法学分野からは、二杉健斗准教授が開講科目について説明した。二杉准教授は、国際性を重視しているOSIPPには複数の国際法の専門家が在籍していることを紹介した。また、専門性の高い教育を受けられるだけでなく、法学を学んだことのない学生でも、学部レベルの知識から学び直せる環境とカリキュラムが整っていることを説明した。 政治学分野については、河村教授が在籍教員と開講科目を紹介した。OSIPPでは、歴史的なアプローチで政治学を研究する教員だけでなく、データや計量的な手法を用いる政治科学(political science)や社会学的なアプローチなど、幅広い手法で研究を進める教員から学ぶことができる。また、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)などの国際機関や新聞社などで実務経験を積んだ教員、外部講師による授業が豊富であることも説明された。 経済学分野からは、松林哲也教授が、初めて経済学を学ぶ学生でも専門性を身につけられるように設計されたOSIPPのカリキュラムの魅力を紹介した。そのうえで、必要に応じて経済学研究科の授業を履修したり、学部の授業を聴講したりすることも可能であり、OSIPPでの学びには柔軟性があることを強調した。また、博士前期課程では、自分の関心分野と完全に一致する教員がいない場合でも、隣接分野であれば指導が可能であるため、積極的に応募してほしいと述べた。その後、在学生3人が登壇し、OSIPPでどのように学修を進めてきたかや、自らが感じるOSIPPの魅力について語った。OSIPPでは、就職に関する悩みや、留学生が生活するうえで直面する問題について相談できる仲間ができることに加え、研究室を超えて学生同士の距離が近いことも魅力であると述べられた。 教員と在学生による一連の説明が終了した後は、質疑応答の時間が設けられた。入学試験や修了後の進路などについて、会場やオンラインのチャット機能を通じてさまざまな質問が寄せられた。また、対面会場では、説明会終了後も教員や事務担当者に個別に質問する参加者の姿が見られた。 博士後期課程向けの説明では、OSIPPには留学生や社会人など、さまざまな背景を持つ学生が入学していることが紹介された。博士号取得を通して、研究職や行政機関などにおいて自分が望むキャリアの実現を目指す学生も多い。そのため、OSIPPでは学生が独立した研究者として成長できるよう、教員が手厚くサポートしていることが強調された。 具体的な制度として、3年分の学費で5年間在学できる長期履修制度が紹介された。また、平日の通学が難しい学生に向けて、土曜日の授業やオンライン・オンデマンド形式の授業、通学を必要としない形で受講できる授業も用意されている。論文指導の一部はオンラインで行うことも可能であり、仕事との両立を考えている場合は、事前に指導教員へ相談してほしいとの案内があった。 生活・研究支援[1]については、事前の準備が重要であることが説明された。そのため、指導予定の教員と十分に相談してほしいという説明もあった。 また、博士学位に付記する専攻分野については、国際公共政策・法学・経済学から選択できるが、法学や経済学の学位を取得する場合は、指定された科目で所定の成績を修めるなど、一定の要件があることも述べられた。 最後に、博士後期課程に在学中の社会人学生から、社会人としてのキャリアとOSIPPでの研究をどのように両立しているかについて、具体的な話があった。また、指導教員以外の教員からも気軽にコメントをもらえることや、OSIPPで築いたネットワークが研究面だけでなく自身のキャリアにも生かされていることが紹介された。 今回の説明会では、教員と在学生から、多様な関心や背景を持つ学生がそれぞれの形で学びを深めていくOSIPPの姿が伝えられた。OSIPPの魅力が一人でも多くの人に伝わる機会になったとしたら、在学生としてもうれしく思う。 (OSIPP博士後期課程 辻本篤輝) [1] 詳細はこちらの記事を参照されたい。https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/ja/news/info20260512/
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Royal Princess号で行く!神戸港見学会(大阪大学赤井研究室主催・大学生貸切企画)

2026年5月1日(金)に、OSIPP教授である赤井伸郎先生の研究室主催で、神戸港見学会が開催された。本イベントは今年で11回目の開催となる恒例企画であり、関西の9大学から200名を超える学生が参加した。OSIPPからも26名の学生が参加し、学生間交流を深める機会となった。 当日は天候不順が予想され、雨や欠航の可能性も懸念されていた。しかし、Royal Princess号の到着時には天候も回復し、無事に出港することができた。船内では、神戸市職員による神戸港湾の説明が行われた。参加者はコンテナターミナルや物流関連施設を実際に船上から見学しながら説明を受けることで、神戸港が果たす国際物流拠点としての役割について理解を深めることができた。また、港湾関連企業のインターンシップに参加した学生による体験談も共有され、通常の講義では得られない実践的な視点から神戸港について学ぶ貴重な機会となった。(写真:船内での談笑と神戸港湾の景色)クルーズ終了後には、神戸海洋博物館に場所を移し、大学間交流を目的とした大学紹介プレゼンテーションが行われた。参加者は、神戸港の歴史や役割について理解を深めるとともに、他大学の学生との交流を通じて、有意義な時間を過ごしたのではないだろうか。筆者は昨年に引き続き2回目の参加となったが、昨年とはまた異なる楽しさがあった。今回は事前に神戸港の開発の歴史について学んでいたこともあり、船上から見える景色を、港湾整備の歴史をたどるような視点で見ることができた。普段の生活ではなかなか得られない経験であり、多くの刺激を受ける機会となった。また、イベント終了後には参加者同士で神戸市内を散策し、元町中華街で昼食やスイーツを楽しんだ。ゴールデンウィーク期間中に開催される本イベントは、学びと交流に加え、リフレッシュの機会にもなっていると感じた。 (OSIPP博士前期課程 小山拳志)
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2026年度OSIPP入学オリエンテーション

2026年4月3日(金)、OSIPPに入学する博士前期課程・博士後期課程の新入生を対象に、入学オリエンテーションが実施された。会場はOSIPP棟講義シアターで、オンラインとのハイブリッド形式により開催された。 冒頭、大槻恒裕研究科長は、OSIPPには法学系・政治学系・経済学系を専門とする学生が一つの研究科に所属するという特色があると述べた。AIの急速な発展により社会課題が複合化する今日、分野横断的な視点こそ求められているとし、垣根を越えて互いに切磋琢磨してほしいと激励した。 続いて、教務委員長の松林哲也教授からカリキュラム、研究倫理、学生生活、人権問題について説明があった。人権問題については人権救済委員長の生藤昌子教授が、不安があれば身近な教員や大学の相談機関にすぐ相談してほしいと呼びかけた。また、昨年度に引き続き大槻研究科長から人文社会科学系オナー大学院プログラムの説明があり、本年度は新たにグローバル政策リーダーコースが加わったことも紹介された。[1] オリエンテーション後には、留学生向けの説明会と、OSIPP院生会主催の懇親会が開かれた。新入生は専攻分野を問わず交流を深めており、ある新入生は「異なる分野の仲間と同じ研究科で学べる環境は刺激的だ」と語った。 (OSIPP博士後期課程 原田嵩弘) [1] 詳しくはオナー大学院に関するHP(https://www.hsshonor.osaka-u.ac.jp/archives/762)を参照されたい。
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大阪大学大学院における博士後期課程の支援制度について

博士後期課程への進学を考える際、多くの学生が気になるのが研究費や生活費などの経済的支援ではないだろうか。そこで今回は、博士後期課程の学生を対象としたさまざまな支援制度の中から、代表的なものとその特徴を紹介する。以下の3、4に挙げられている制度の多くは博士前期課程も対象としているので、博士前期課程への進学を検討している人の参考にもなるだろう。 1.日本学術振興会特別研究員(DC1・DC2) 博士後期課程の学生にとって最も代表的な制度が、日本学術振興会の特別研究員制度である。博士後期課程の学生を対象とした区分には、DC1とDC2がある。DC1は主に博士前期課程2年(M2)の春(秋入学の場合はD1の春)に応募する制度で、採用されると博士後期課程の入学時から3年間支援を受けることができる。 一方、DC2は博士後期課程1年(D1)以上の学生が対象で、採用年度から2年間の支援が行われる。 特別研究員に採用されると、月額で研究奨励金が支給される。科学研究費助成事業(特別研究員奨励費)に同時応募が可能で、特別研究員の申請と同時に受付となる。さらに、研究内容によっては、統計法第33条の下で管理される公的ミクロデータ(例えば「21世紀出生児縦断調査」など)について、特別研究員本人が研究代表者として利用申請を行える場合があるという研究上のメリットもある[1]。なお、応募にあたっては学内締め切りが例年5月中旬頃と早いため、事前にスケジュールを確認しておく必要がある。 また、OSIPPでは研究支援室による申請書のチェックサービスもあるので必要に応じて活用できる。 2.大阪大学次世代挑戦的研究者育成プロジェクト 近年新しく始まった制度として、文部科学省および科学技術振興機構(JST)によるJST-SPRINGがある。大阪大学ではこれを「次世代挑戦的研究者育成プロジェクト」として実施している。以下、本記事では「次世代」と表記する。 この制度は、国が個人を審査する特別研究員制度とは異なり、国が大学を採択し、大学が学生を選考して支援するという仕組みが特徴である。採用されると研究奨励費や研究費などが支給されるとともに、英語論文投稿支援や語学試験(TOEFL・IELTSなど)の受験費用の支援、留学生向け日本語レッスンなど国際性を涵養する活動への支援も充実している。なお、2027年度以降、研究奨励費(生活費相当額)支援の対象は日本人学生に限定するという方針が文部科学省から示されていることに注意する必要がある。 応募は例年採用年度直前の1月頃[2]に行われ、採用されると大学院の標準修業年限まで支援を受けることができる。ただし、OSIPP博士後期課程の冬期入試[3]を受験する場合、出願後は教員とコンタクトを取ることが難しいため、学外からの出願者で博士後期課程1年次から次世代の支援を受けたい場合は、夏期入試で出願することを強く推奨する。学外の出願者向けに次世代の募集について個別のアナウンスはないので、定期的に次世代のホームページを確認する必要がある。 なお、特別研究員(DC)とJST-SPRINGにはいくつか共通する注意点がある。 まず、どちらの制度も指導教員の推薦や評価書が必要であるため、応募を考えている場合は早めに現在の指導教員と博士後期課程での受け入れ予定教員に相談しておくことが重要である。また、これらの制度は多くの場合博士前期課程2年生の時期に出願することになる。そのため、博士後期課程への進学を検討している学生は、博士前期課程の早い段階から情報収集と準備を進めておく必要がある。 また、特別研究員とJST-SPRINGの併給は認められていないため、採用された場合はいずれか一方を選択することになる。 3.そのほかの支援制度 博士後期課程の学生は、以下のような制度も利用できる。詳細は各ホームページを参照されたい。 ◆日本学生支援機構奨学金(貸与型) ◆地方公共団体及び民間奨学団体の奨学金(貸与型・給付型) ◆留学生向け奨学金 ◆授業料免除制度 特に民間奨学団体による奨学金は、博士後期課程進学前の時期に募集が集中する傾向がある。多くの場合、扶養に入っていない場合でも家族の収入証明などの書類提出が必要になるため、早めの準備が求められる。 4.OSIPPによる支援制度 OSIPPでは独自に以下の制度を提供している。(2025年度の実績)詳細は各ページを参照されたい。 おわりに 博士後期課程には多くの支援制度が用意されているが、それぞれ応募時期や条件、目的が異なる。進学を考えている学生は、早い段階から情報収集を行い、指導(予定)教員と相談しながら準備を進めることが重要である。これらの制度をうまく活用することで、経済的な不安を減らし、研究に集中できる環境を整えることができるだろう。 なお、制度についての情報や応募時期については執筆時点(2026年5月)の情報である。特に近年は毎年のように応募に関する変更があるため、常に最新の情報を確認してほしい。 (OSIPP博士後期課程 辻本篤輝) [1] https://www.e-stat.go.jp/microdata/data-useの法第33条第1項第2号に該当する。 [2] 例外的に採用年度の5月に募集が行われた年度もある。 [3] 11月出願、2月合格発表の場合が多い。この場合、OSIPPに出願してから合格発表までの間に次世代の出願(例年1月)があることになる。
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2026年4月の研究業績

OSIPP基幹講座教員から報告があった研究業績をご紹介します。 ・川窪悦章 先生 ・松島法明 先生 ・髙田陽奈子 先生 ・大久保邦彦 先生・二杉健斗 先生 ・赤井伸郎先生・野津成希先生 Takafumi Kawakubo(論文)Takafumi Kawakubo (2026)“Comment on‘Trade and FDI Policies in an Interdependent World: Lessons From East Asia’.”Asian Economic Policy Review 1-2. https://doi.org/10.1111/aepr.70025 (査読有)Noriaki Matsushima(論文)Hiroshi Kitamura, Noriaki Matsushima, Misato Sato (2026)“Lease or sale: When a durable goods monopolist can choose supply chain openness” Transportation Research Part E: Logistics and Transportation Review, Volume 211, 104882. (査読有) https://doi.org/10.1016/j.tre.2026.104882Abstract: We construct a two-period model of supply chain openness in a durable goods market with two marketing modes: leasing and selling. For a given marketing mode, at the beginning of the first period, an incumbent supplier and the downstream monopolist choose one of two trading modes: (i) a two-period exclusive supply chain, or (ii) an open supply chain, allowing the downstream monopolist to trade with an efficient supplier in the second period. We show that in the selling mode, the exclusive supply chain can arise if the incumbent supplier is highly efficient. In contrast, under the leasing mode, the exclusive supply chain never arises; instead, the open supply chain is always selected. Furthermore, when the downstream monopolist is allowed to endogenously choose the marketing mode before the first period, it opts for the selling mode if the incumbent supplier is relatively inefficient; otherwise, it selects the leasing mode. Regardless of the chosen marketing mode, the open supply chain always arises on the equilibrium path, implying that the recent advancement of ICT to enhance leasing may discourage the adoption of exclusive supply chains.Hinako Takata(論文)Hinako Takata,“National Human Rights Institutions’Role in the Realisation of the European Convention on Human Rights: Towards Continuous and Seamless Engagement in All Phases of Realisation,” The International Journal of Human Rights (2026) 1-26, https://doi.org/10.1080/13642987.2026.2637895(査読有)Abstract: How can national human rights institutions (NHRIs) contribute to the realisation of the European Convention on Human Rights (ECHR) in a manner that harmoniously achieves its effectiveness and democratic legitimacy? While previous studies treated NHRIs’ contributions to different phases of this realisation separately, this study examines the combined effect of their continuous and seamless engagement in all the four realisation phases under the framework of ‘two-tiered bounded deliberative democracy’. The realisation phases unfold as follows: (1) interpreting and applying the ECHR through ‘bounded’ deliberations at the national level; (2) supplementing national deliberations and identifying ‘bounds’ by the European Court of Human Rights (ECtHR); (3) implementing ECtHR judgments through ‘bounded’ deliberations at the national level; and (4) supervising the execution of ECtHR judgments by the Committee of Ministers to promote implementation through ‘bounded’ deliberations. Moreover, while previous studies have not clearly distinguished between NHRIs and non-governmental organisations, and between A-status NHRIs and other NHRIs in terms of their roles in the ECHR system, the present study highlights the unique contributions of A-status NHRIs. Through these analyses, this study proposes how the procedures and practices of the ECtHR and the Committee of Ministers could be reformed to take advantage of NHRIs’contributions.大久保邦彦(論文)大久保邦彦「生成文法と法解釈学」『阪大法学』75巻6号(2026年)25-77頁。https://hdl.handle.net/11094/104341要旨:リアリズム法学によると、裁判官の多くは、自らが望ましいと考える結論に到達した後で、その結論を正当化する三段論法を考案する傾向にある。拙稿「利益衡量論(利益考量論)の再評価」阪大法学72巻2号〔2022〕626頁以下では、結論を発見する際に法原理が作用していることを示した。認知神経科学者のガザニガによると、「たいていの道徳的判断は直観的なものであり、ある種の倫理が、人間の脳に組み込まれている可能性がある」。そうであれば、法原理の少なくとも一部も、脳に組み込まれている可能性があり、法解釈学において法原理を探究する際に、その生物学的基盤の探究が研究テーマとなりうる。しかし、法学において生物学を援用することに対しては、抵抗が予想される。そこで本稿では、言語学は生物学の一部を成すと主張するチョムスキーの生成文法理論を検討することを通して、法学において生物学を援用することに対する抵抗感を弱めるとともに、法原理の生物学的基盤の探究は、法学を科学に近づけることに寄与しうることを示す。二杉健斗(判例評釈)Kento Nisugi,“Smurfit v Venezuela: Assessing ICSID’s Post-Denunciation Jurisdiction under Article 72 of the ICSID Convention,” ICSID Review, siaf028 (31 March 2026)(査読有)https://doi.org/10.1093/icsidreview/siaf028概要:日本語で作成した評釈(JCAジャーナル72巻3号(2025年)30-36頁)を改稿し英語化したもの。Abstract: This case comment examines the ICSID tribunal’s controversial decision in Smurfit Holdings BV v Venezuela, which upheld jurisdiction over claims filed more than six years after Venezuela’s denunciation of the ICSID Convention. It argues that simply focusing on the familiar debate over whether Article 72 preserves only mutual consent or also preserves a unilateral offer to arbitrate is incomplete, leaving the separate key question unanswered: Does such unilateral consent generate “rights or obligations under this Convention” to be preserved under the Article? This comment criticizes the Smurfit majority's reasoning for failing to offer a solid and convincing interpretation on this issue. The comment shows the points which future tribunals would need to clarify if they wish to adopt the Smurfit approach.赤井伸郎(その他の記事)赤井伸郎「インフラ老朽化、静かに迫る限界」『十字路』日本経済新聞(2026年4月9日付)要旨:高度経済成長期に整備された公共施設を含む社会インフラが悲鳴を上げている。国や地方自治体は、インフラの老朽化対策として、長寿命化計画を立てて取り組んでいる。16年から23年までの都道府県が保有するインフラ資産(地方公営企業の資産は除く)の状況を見ると、老朽化の度合いは全国平均で約56%から約63%となり、維持補修や更新が追い付いていない。各年度で最も老朽化している自治体の値も約74%から約79%に、最も健全な自治体の値も約41%から約48%に悪化している。日本のインフラストックの総量は拡大している。それは、既存インフラの健全化に回す財源を制約し、事後的には維持補修や人材確保の負担を重くする。人口減少下で、健全なインフラを備えた社会をどう実現するか。既存インフラの維持補修・長寿命化・集約化・厳選化など、メンテナンスを効率的かつ効果的に進める政策が求められる。Naruki Notsu(DP)Naruki Notsu, Asahi Semma, Shuko Harada“Complete Loss of Competition: Uncontested Elections and Political Rents” *Revised: Complete Loss of Competition: Uncontested Elections and Political Rents (DP-2025-E-004, September 17, 2025) , OSIPP Discussion Paper: DP-2025-E-004-Rev. (April 20, 2026)https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2025/DP2025E004Rev.pdfAbstract: This study examines how the complete absence of electoral competition shapes politicians' behavior in a democracy. To explore this, we focus on uncontested elections, which are common in democracies worldwide yet are understudied. We develop a dynamic model with belief updating in which politicians elected unopposed lower their perceived risk of future challenges and raise their optimal salary. We test these predictions using the context of Japan's uncontested elections, which operate within a common institutional framework. We find that mayors who win office without a contest subsequently increase their salaries. The salary response is largest after the first uncontested win and smaller thereafter, consistent with learning and belief convergence in the model. These findings suggest that when visible public conflict—such as the presence of other candidates—is absent, politicians are more likely to seek personal gain, highlighting the fundamental role of elections in disciplining officeholders.
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2026年3月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の2月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生 ・髙田陽奈子 先生 ・二杉健斗 先生 ・松島法明 先生 ・西山克彦先生 Wakako Maekawa, Hinako Takata(論文)"External Influence on Latin America’s ‘Peace-Versus-Justice’Dilemma: (How) Do Inter-American Court of Human Rights Anti-Amnesty Law Judgments Affect Peace and National Reconciliation?"International Journal of Transitional Justice, 24 February 2026(査読有)DOI: https://doi.org/10.1093/ijtj/ijag004Abstract: Judgments of the Inter-American Court of Human Rights (IACtHR) that hold amnesty laws illegal under the American Convention on Human Rights (‘anti-amnesty law judgments’) have often been criticized for excessively prioritizing human rights and justice over peace and national reconciliation. This study empirically examines how the IACtHR should address this ‘peace-versus-justice dilemma.’ Using IACtHR judgments from 2003 to 2019 and case studies of Peru and El Salvador, we analyze the impact of the IACtHR’s anti-amnesty law judgments on peace and national reconciliation in Latin American societies, focusing on protests against governments and polarization as early indicators of civil conflict. Our findings suggest that although the IACtHR’s anti-amnesty law judgments do not necessarily undermine peace and national reconciliation directly, the IACtHR should address the resultant long-term political and social polarization as a potential factor in social destabilization that could lead to civil conflict.Wakako Maekawa(論文)Wakako Maekawa and Theodora-Ismene Gizelis"Trading peace for hazard management? peace agreement implementation and United Nations peace operations during natural hazards"World Development, vol.203, 2026-03-19(査読有)doi: https://doi.org/10.1016/j.worlddev.2026.107387Abstract: Although United Nations Peace Operations (UNPOs) can strengthen capacity and improve responses to natural hazards, the core peace operation and ability to produce peace can become victims of crisis management success. Natural hazards can impede UNPOs’ activities and peace accord implementation through three mechanisms: 1) UNPOs activities are diverted to immediate humanitarian assistance, away from core UNPOs’ activities; 2) changes to the bargaining process; and 3) lower opportunity costs of violence and increased opportunities to renege on agreements or call for renegotiations. We compare peace agreement implementation with UNPOs versus peace agreement implementation without UNPOs when facing natural hazards. In an analysis of countries with comprehensive peace agreement implementations between 1992 and 2015 we find that natural hazards during UNPOs deployment see lower subsequent peace agreement implementation relative to hazards in countries without UNPOs. We see these findings as consistent with greater dependency on UNPOs, creating greater tension between responses to natural hazards and peace implementation. Further analysis to unpack the three mechanisms suggests support for the first two mechanisms.二杉健斗 (論文)「国際投資法と持続可能な発展のディスクール――なぜ「調和」の論理が「対立」を生むのか――」世界法年報46号(2026年)162-187頁 概要:世界法学会2025年度研究大会(統一テーマ「国際法における環境法的思考の可能性―持続可能性を統合するグローバルな法システムの課題―」)での報告をもとにした原稿。本稿は、国際投資法と環境保護をめぐる「対立言説」(投資仲裁が環境規制を萎縮させるという批判)と「調和言説」(投資法は正当な規制を尊重し環境と両立するという主張)の緊張関係が生じる原因を、知識社会学・科学社会学の視座を用いて分析した。この対立は、調和言説の法的根拠の欠如でも、批判者側の法的知識の欠如によるものでもなく、むしろ何が「正当」な規制かを決定する権力が投資法側に偏在していることへの異議申立てに起因すると論じている。Noriaki Matsushima(DP)Noriaki Matsushima, Kazuki Nishikawa, Jiaying Qiu “The effects of minimum wage in inter-regional duopoly competition”OSIPP Discussion Paper: DP-2026-E-001, March 24, 2026https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2026/DP2026E003.pdfhttps://hdl.handle.net/11094/104192Abstract: A binding minimum wage can raise the regulated firm's profits when labor-market power interacts with product-market competition. We develop a duopoly model in which firms compete in the same product market but hire workers from distinct, geographically segmented labor markets. Because the minimum wage applies only to one firm's labor market, it does not directly raise its rival's costs. With monopsony power, the minimum wage reduces the regulated firm's marginal cost and induces it to expand output, forcing its rival to contract through strategic interaction. Under Cournot competition, this mechanism also increases total employment and consumer surplus.Katsuhiko Nishiyama(DP)“The Impact of Job Displacement on Health Insurance Status in the post-ACA Era”OSIPP Discussion Paper: DP-2026-E-001, February 27, 2026https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2026/DP2026E001.pdfAbstract: This paper examines whether insurance sources expanded under the Affordable Care Act (ACA), particularly health insurance marketplaces and Medicaid, compensate for the loss of employer-sponsored health insurance (ESHI) following job displacement. Using monthly data from the 2014--2016 Survey of Income and Program Participation, I estimate duration-specific effects of displacement on each coverage source with a difference-in-differences design. ESHI coverage falls by 15 to 18 percentage points within a few months of displacement, with only slight recovery over the following year. Medicaid enrollment increases modestly, driven entirely by workers in expansion states where coverage increases exceed 7 percentage points. Directly purchased private insurance shows no discernible response despite marketplace availability and premium subsidies, and this holds across income levels. These findings indicate that ACA marketplace reforms in the sample period provide limited protection for displaced workers.
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海外インターンシップ・研究報告会

2026年3月31日、海外インターンシップ・研究報告会がオンラインで開催された。 OSIPPでは、学生に海外の国際公共セクターでの実務経験を奨励し、現場感覚を備えた国際公共政策の研究者・実務家を育成することを目的として、海外インターンシップや現地調査に基づく研究の遂行を助成している。2025年度は6名の学生が助成金を受けて海外での活動に取り組み、今回の報告会でその成果を報告した。活動の内訳は研究4件、インターンシップ2件で、訪問国はペルー、カナダ、台湾、フィリピン、ブルキナファソ、ベトナムと多岐にわたった。報告は英語で行われた。 博士後期課程2年のJaramillo Abad Gleymang Yubertさんは、ペルーで実施したインタビュー調査の成果を報告した。Jaramilloさんは、ミックスメソッド(定量分析と定性研究を組み合わせた手法)を用いて、ペルーの漁業における環境ガバナンスについて研究している。研究助成金を活用し、昨年度に引き続き2回目の現地インタビュー調査を実施した。今回の調査では、民間セクター(漁業関連企業)、公共セクター(省庁)、NGOなどに所属する80名の多様なステークホルダーに対してインタビューを行い、問題を多角的に検討した。今後はさらにインタビューデータを分析したり、定量的な分析も組み合わせたりしていく予定であるという。 博士前期課程2年の大谷理化さんは、台湾における市民団体訪問の経験を共有した。大谷さんは民主化に関する修士論文を執筆し、自身も市民団体での活動経験を有することから、台湾を重要なケーススタディとして位置づけ訪問した。現地では、Taiwan Youth Association for Democracyなどの団体を訪問し、若者の政治参加を促す若手政治リーダーらと面会した。訪問を通じて、台湾と日本の政治制度の違い、政治家と市民の距離の近さ、さらには人々の日本政治への関心の高さが印象に残ったという。参加者からの「団体や政治家とのネットワークをどのように構築したのか」という質問に対しては、自らメール等で積極的に連絡を取り、コンタクトを確立したと説明した。 いずれの発表者も、自身の関心と密接に関連するテーマを軸に、それを発展させる形で理解を深めたり、新たな挑戦に取り組んだりしていた点が印象的であった。また、どの発表者も、現地に足を運ばなければ得られない知見を身につけていたことがうかがえた。海外で研究活動やインターンシップに挑戦してみたい方は、2026年度の助成金への応募を検討してみてはどうだろうか。 (学生の学年は2025年度のもの)           (OSIPP博士後期課程 池内里桜)
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おめでとうございます!!

2026年3月25日、法経講義棟にて令和7年度学位記授与式が開催され、博士前期課程33人、博士後期課程4人(論文博士を含む)の計37人が本研究科を修了した。 まずは、大槻恒裕研究科長から修了生に学位記が授与され、その後、今年度の優秀学位論文賞の受賞者に賞状が授与された。大槻研究科長は祝辞の中で「OSIPPで学んだことを活かして世界の新たな地平を切り拓いてほしい」と述べた。 修了生一人ひとりの進路は異なるが、OSIPPでの学生生活を通じて得た知識と経験を胸に、それぞれが新たな一歩を踏み出した。修了生からは、これから始まる新たな挑戦への期待と決意が感じられ、その表情には充実した学生生活を終えた達成感もうかがえた。 (OSIPP博士後期課程 辻本篤輝)
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2月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の2月の研究業績をご紹介します。 ・中嶋啓雄 先生 ・髙田陽奈子 先生 ・大久保邦彦 先生 ・川窪 悦章 先生  中嶋啓雄(論文) 「モンロー・ドクトリンの歴史的水脈」『世界』1003号(2026年3 月)、34~39頁https://www.iwanami.co.jp/book/b10159266.html 概要:昨年12月に公表されたアメリカ合衆国の外交・安全保障の基本方針「国家安全保障戦略」で掲げられたモンロー・ドクトリンのトランプ系論(コロラリー)、いわゆるドンロー主義を背景とした、年始の米軍介入によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束を受けて、モンロー・ドクトリンに基づくアメリカの中南米への介入の歴史、また、モンロー・ドクトリンと国際法・国際機関との関係等を論じた。 Hinako Takata (単著) Pluralising Actors and Norms in Human Rights Treaties: Beyond Monolithic States (Hart Publishing, 2026)、査読有https://www.bloomsbury.com/us/pluralising-actors-and-norms-in-human-rights-treaties-9781509984077/ Abstract:This book seeks to challenge the classical yet still-dominant paradigm of international law, where ‘states’, as unitary and monolithic entities, are treated as the sole subjects of legal observation and regulation. It aims to offer a new paradigm for understanding and guiding recent human rights law practices, where both actors and norms are pluralised beyond a unitary and monolithic ‘state’ and international law as norms of, by and for ‘states’. It argues that each type of state organ – national courts, parliaments, administrative organs and national human rights institutions – bears different ‘duties’, independently from the obligations owed by the ‘state’ as a whole, and interacts with regional human rights courts and United Nations human rights treaty bodies in a principled manner under the ‘separation of powers in a globalised democratic society’ model. In this model, the ‘duties’ of state organs and their autonomous status in human rights treaties are anchored in the cooperative interactions between ‘inter-state organ norms’ on human rights and human rights treaties under global legal pluralism. This book uses the model to analyse and evaluate the current practices of human rights treaty organs and propose reforms where necessary. 大久保邦彦 (著書) 佐久間毅 編『新注釈民法(3)総則(3)』(有斐閣、2026年2月)https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641017665 概要:時効障害の部分(580-689頁)の注釈を担当。時効についての本格的な注釈書は、『新版注釈民法』シリーズでは時効の部分が未完となったため、1967年刊行の『注釈民法(5)』以来、59年ぶりのものである。2017年の民法改正時も、時効障害に関する判例の全体像は十分に明確にされないまま、改正が行われた。本注釈ではまず、2017年時点の判例の全体像を明らかにした上で、時効障害制度を、時効の中断・停止から時効の更新・完成猶予へと再構成した改正法によって、何がどのように変わったのか、従前の判例はどこまで維持されるのかについて、できる限り客観的に記述した。理論的にも実務的にも重要な基本文献になったと自身では考えている。 川窪悦章 (その他の記事) 「企業の取引関係、マネジメント・プラクティス」RIETI Special Report, 2026年2月16日https://www.rieti.go.jp/jp/special/special_report/245.html 概要:企業成長の要因としては、企業内部の要因と外部の要因がある。企業内部の要因としては、R&D、イノベーション、デジタル・テクノロジー、あるいはマネジメント・プラクティスが挙げられる。企業外部の要因としては、インフラや金融制約、あるいは企業間の取引関係などがあり、取引関係を通じてショックが伝播される負のスピルオーバーや取引開始による成長機会という正のスピルオーバーが存在している。本稿では特に、企業の内部要因としてのマネジメント・プラクティスと、外部要因としての取引関係に焦点を当て、企業成長をどのように促進できるかについて議論する。 Takafumi Kawakubo (Discussion Paper) Makoto Hasegawa, Takafumi Kawakubo, Takafumi Suzuki, Masayoshi Hayashi“Tax-Motivated Transfer Pricing and Country-by-Country Reporting: Evidence from Japanese Customs Data”CIRJE Discussion Papers CIRJE-F-1266, January 2026https://www.cirje.e.u-tokyo.ac.jp/research/dp/2026/2026cf1266ab.html Abstract: Using Japanese firm-level customs data from 2014 to 2019, we investigate profit shifting through transfer pricing by Japanese multinational corporations. We find that Japanese firms reduce related-party export prices relative to arm’s-length prices as the tax differentials between Japan and destination countries widen, indicating tax motivated transfer pricing. The responsiveness of related-party prices to these tax differentials is, on average, smaller than that reported in previous studies but varies depending on transaction characteristics. Specifically, transfer mispricing is more pro nounced in transactions involving larger parent-affiliate pairs and products that are exported less frequently. We also examine the impact of the country-by-country re porting (CbCR) system, introduced in Japan in 2016, and find no evidence that it reduced transfer mispricing by Japanese multinationals subject to CbCR.
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2025年度 「優秀学位論文賞」受賞者発表!

当該年度に提出されたすべての課程博士論文および修士論文を対象に、それぞれ優秀学位論文が選出されました。優秀学位論文の選考はOSIPP優秀論文選考委員会が行い、教授会が選考委員会からの推薦を受けて、下記のとおり決定しました。優秀学位論文賞の受賞者には、学位記授与式にて賞状が授与されます。受賞者の皆さん、おめでとうございます! 博士前期課程:・羅 黙今 「ドイツにおける締約強制論の研究」・柏原 晴希 ”Fear or Anger: Terrorism simultaneously produces rightward and leftward political shifts through self-relevance”博士後期課程:・野津 成希 “Essays on Fiscal Decentralization and Inter-municipal Cooperation(地方分権化と市町村間連携)”・馬 皓星 “Essays on Strategic Firm Behavior under Consumer Heterogeneity(消費者の異質性の下での戦略的企業行動に関する研究)”
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【院生紹介】Bhavyanshi Sinhaさん(OSIPP博士後期課程)

今回は、博士後期課程1年のBhavyanshi Sinhaさん(以下、Bhavyaさん)にインタビューを行いました。Bhavyaさんはインド出身で、文部科学省の国費外国人留学生制度(以下、MEXT)の奨学生としてOSIPPに在学しています。This time, I had an interview with Bhavyanshi Sinha, a first-year doctoral student. Bhavya is from India and is a MEXT scholarship recipient. 研究テーマと、そのテーマを選んだ理由を教えてください。What is your current research topic, and what motivated you to choose it?私は地域のサプライチェーン、とりわけアジアや途上国における事例に関心があります。現在は、為替レート制度がアフリカ域内貿易にどのような影響を与えるのかをテーマに研究しています。このテーマを選んだ理由は、(1)先進国を対象とした研究は蓄積がある一方で、途上国を扱う研究は相対的に少ないこと、(2)特にコロナ禍以降、途上国でもサプライチェーン上の課題が注目され、地域サプライチェーンへの関心が高まっていること、の2点です。そのため、本テーマは学術的にも実務的にも重要だと考えています。また、こうした関心を持つきっかけとして、日本で高校留学をした際の経験が大きく影響しています。留学先の高校での社会科見学で日本の自動車メーカーを訪問し、輸入に関する政策について学ぶ機会がありました。この経験を通じて国際貿易に関心を持つようになり、現在の研究につながっています。I am interested in regional supply chains, particularly those in Asia and developing countries. Currently, I am researching how exchange rate regimes affect intra-African trade. I chose this topic for two main reasons: (1) while there is a substantial body of research on advanced economies, relatively fewer studies focus on developing countries; and (2) especially in the wake of the COVID-19 pandemic, supply chain challenges in developing countries have drawn greater attention, increasing interest in regional supply chains. For these reasons, I believe this topic is important both academically and practically.My interest in this area was shaped by my experience studying abroad in Japan during high school. As part of a school field trip, I visited a Japanese automobile manufacturer and had the opportunity to learn about its import policies. That experience sparked my interest in international trade and ultimately led to my current research. なるほど。日本での留学経験があるのですね。OSIPPで博士課程を始められる前は、どのようなご経歴でしたか。Could you tell me about your career path before you began your doctoral studies at OSIPP?インドで経済学の学士号および修士号を取得した後、シンクタンクにて約2年間、リサーチアソシエイトとして勤務しました。専門は国際貿易で、南アジア域内貿易における制度的・構造的課題に焦点を当てた研究プロジェクトに従事しました。実務を通じて研究への関心がさらに深まり、博士号取得を目指すようになりました。進学先を検討する中で、日本のMEXTの奨学金制度を知りました。加えて、高校時代に日本へ留学した経験があること、そして現在の指導教員である石瀬寛和先生の研究テーマが私の関心と近いことから、OSIPPへの進学を志望しました。After earning my bachelor’s and master’s degrees in economics in India, I worked for about two years as a Research Associate at a think tank. My specialization is international trade, and I contributed to research projects that focused on institutional and structural challenges in intra–South Asian trade.Through this professional experience, my interest in research deepened further, and I decided to pursue a PhD. While exploring potential graduate programs, I learned about Japan’s MEXT scholarship program. In addition, given my experience studying abroad in Japan during high school and the fact that my current supervisor, Professor Hirokazu Ishise, works on research topics closely aligned with my interests, I applied to OSIPP. OSIPPを卒業してからのキャリアのビジョンはありますか。Do you have a clear picture of your career after graduating from OSIPP? If so, could you describe it? 進路についてはまだ検討中ですが、世界銀行で研究者(エコノミスト)として国際貿易と国際金融のプロジェクトに従事したいと思います。 I am still in the process of considering my future career path, but I hope to work at the World Bank as a researcher (economist), contributing to projects in international trade and international finance.Bhavyaさんは、幅広い分野の本を読むことが重要だと考えています。皆さんにおすすめしたい本を教えてください。Bhavya believes that it is important to read books across a wide range of fields. Are there any books you would recommend? 私のおすすめの本は Michio KakuさんのThe Future of the Mindです。この本はとても興味深く、人間の脳に関して現在どのような研究が行われているのかを紹介しながら、それを非常に分かりやすく、かつ楽しく説明しています。 My recommended book is The Future of the Mind by Michio Kaku. It’s a fascinating book that introduces the latest research on the human brain and explains it in a way that is both very easy to understand and enjoyable to read. 本日はお忙しい中、ありがとうございました!Thank you very much for your time today. (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
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