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2024年度博士論文 タイトル一覧

2024年度にOSIPP博士後期課程を修了した方々が執筆された博士論文の論文名を紹介します。 これらの論文は「2024年度博士論文 タイトル一覧表」で閲覧できます。※公開されている情報は論文によって異なります。詳細は「大阪大学の博士論文について」をご覧ください。 ※大阪大学の博士論文は「大阪大学学術情報庫OUKA」で検索できます。
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2025年度 留学説明会

2025年5月28日、OSIPP棟2階講義シアターにて留学説明会が開催された。説明会では、アメリカへの留学経験がある片桐梓准教授が、大阪大学の交換留学制度や、留学に向けた準備等について説明を行った。今回はOSIPP生に加え、法学部国際公共政策学科および法学科の学部生、合わせて15人が出席した。 はじめに、大阪大学の交換留学制度についての紹介があり、大学間および部局間の交流協定に基づき、協定校が世界各地に広がっていること、留学制度が豊富であることが強調された。 特に、OSIPP生を対象とした「ダブルディグリー・プログラム」についての説明がなされた。本プログラムでは、オランダのグローニンゲン大学、フィリピンのデ・ラ・サール大学、韓国の延世大学校のいずれかの大学に留学することで、大阪大学と留学先の大学の双方から修士号を取得することが可能である。 交換留学のメリットとしては、留学先で修得した単位が本学の単位と互換可能である点、また、修業年限にも算入されるため、卒業時期を伸ばすことなく留学ができる点が挙げられた。さらに、交換留学では留学先大学の授業料を支払う必要がないため、経済的な負担が軽減されることも大きなメリットとして紹介された。 申請にあたっては、希望する留学先や学部によって高いGPAや語学能力証明の提出が求められる場合があるため、事前に各自で確認するよう案内があった。特に語学の成績については、余裕を持って早めに準備を始めた方が良いとのアドバイスがあった。 続いて、学位取得を目的とした学位留学や、研究留学・調査研究についての説明が行われた。(詳細は説明会資料を参照) その後、質疑応答の時間が設けられ、学位留学の提出書類や出願期間、研究留学・調査研究に関する質問等が寄せられた。特に海外での研究調査に関しては、助成についての詳細な説明会が6月以降に別途開催される予定であることが伝えられた。 留学経験のある片桐准教授のお話は、参加者の理解を深め、今後の準備の参考となっただろう。筆者自身も、学部から学位留学を経て本学に入学した経験があり、今回の説明の中でも特に「語学の成績は早めに準備すべき」というアドバイスには強く共感した。留学の準備にあたっては、経済的な負担や進路に対する不安など、様々な懸念を抱える方もいるだろう。大阪大学およびOSIPPでは、各種奨学金・助成金制度が整備されている。その他、留学に関する相談は、OSIPP研究支援室・国際交流担当までお気軽にお問い合わせいただきたい。 (OSIPP博士前期課程 WANG Hsin Ni)
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5月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の5月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生・二杉健斗 先生 Wakako Maekawa(論文) “Effects of the Deployment and Departure of UN Peacekeeping Operations on Foreign Direct Investment”, Journal of International Development, First published: 29 April 2025(査読あり)DOI:https://doi.org/10.1002/jid.4006 Abstract: Do United Nations peacekeeping operations (UNPKOs) foster foreign direct investment (FDI) in host countries over time? I argue that the deployment of UNPKOs increases FDI by signaling credibility in peace and the rule of law. However, once peacekeepers depart, uncertainty regarding political stability, due to premature withdrawal and unemployment shocks deters investment in the short term. Over time, however, FDI increases as investors recognize the country’s growing resilience, shaped by the legacy of UNPKOs. Empirical analyses test these hypotheses, demonstrating that while the departure of peacekeepers initially slows investment, it ultimately accelerates FDI inflows in the long run. Wakako Maekawa (論文) Barış Arı, Theodora-Ismene Gizelis, and Wakako Maekawa “How United Nations peace operations can help overcome perils to post-conflict elections”, Journal of Peace Research, First published online May 9, 2025(査読あり)https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00223433251322287 Abstract: Agreeing to elections is generally seen as a key way to settle armed conflict and prevent recurrent violence. However, the transition from violent conflict to nonviolent electoral competition can be fraught with many challenges. Stable electoral competition requires trust in institutions, but trust often takes a long time to develop and is often lacking in post-conflict elections. We argue that UN peacebuilding operations can play an indispensable role in the development of stable electoral institutions through three interrelated ways: reducing political and electoral violence, supporting democratic attitudes and norms of peaceful coexistence, and reinforcing institutional capacity and the rule of law. Using a new measure of the expected quality of elections in post-conflict countries between 1946 and 2012, we show that UN peace missions are associated with better elections and a greater likelihood of successful transitions to electoral competition compared to post-conflict countries without UN involvement. We also find larger differences when the UN is involved in establishing electoral institutions, especially when there is no or limited prior electoral competition, indicating that the UN is effective at assisting the democratization processes in difficult contexts. 二杉健斗(論文) 「メガコンステレーション衛星の光害問題をめぐる国際法の意義と課題 」空法65号(2025年)35-56頁 概要:本稿は、メガコンステレーション衛星による光害問題への対処における国際法の意義と課題を考察する。衛星光害は、天文学的利益のみならず、地上における文化多様性や先住民族の権利とも関係し、宇宙活動国の利益を中心に形成されてきたとされる従来の国際宇宙法理解を問い直す契機となり得る。本稿は、宇宙条約の諸原則を分析した上で、国際海洋法、国際環境法および国際人権法との連関を論じ、規範の補完可能性を検討する。また併せて、天文学界の国際的な働きかけと米国における規制動向を取り上げ、持続可能な宇宙利用実現に向けた国際法形成の萌芽的動態を描写する。今後、国連宇宙平和利用委員会での議論の進展を見守る必要があるが、その際には、国際法規範の特定と適用方法の検討、異なる権利利益間の調整、先住民族や市民社会の意見反映のあり方など、広範な課題に対して多分野的な連携による対応が求められることを指摘した。 二杉健斗(解説) 「ロシア凍結資産をウクライナ支援に使うことはできるのか」国際法学会エキスパートコメントNo. 2025-2(2025年)https://jsil.jp/wp-content/uploads/2025/04/expert2025_2.pdf 概要:ロシアのウクライナ侵攻の長期化を受けて、各国で凍結されたロシア資産をウクライナ支援に充てる構想が進んでいる。本エキスパートコメントは、この方策を実施する上で障害となり得る国際法上の問題を分析し解説している。一方で、資産没収には国家免除や外国人財産の保護など国際法上の制約があり、対抗措置や集団的自衛権による違法性阻却の可否も争いがある。他方、凍結資産の運用益の活用は合法に行い得る余地があり、EUやG7を中心に制度構築が進められている。もっとも、ロシア側はこれに反発しており、報復や訴訟に発展する可能性もあり、今後の動きを注視する必要がある。
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2025年度OSIPP説明会(5月開催)

2025年度OSIPP説明会(5月開催) 2025年5月16日、OSIPP棟6階会議室にて、オープンキャンパスの一環としてOSIPP説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約60人が参加し、OSIPPのカリキュラム等についての説明や、質疑応答が行われた。説明会は、教務委員長の河村倫哉教授による、博士前期課程の入試情報、OSIPPの指導体制、学生支援制度等に関する説明から始まった。特に指導体制については、OSIPPに所属する教員に加え、経済学研究科および法学研究科の教員も指導教員として選択可能であることが紹介された。また、教員からのメッセージ動画がOSIPPのホームページに掲載されている旨の案内があり、各教員からのメッセージを自由に視聴できるようになっていることも紹介された。 続いて、法学系、政治学系、経済学系の教員からそれぞれの分野に関連する説明が行われた。 まず、法学分野からは和仁健太郎教授が登壇し、OSIPPでは国際法教員が3名在籍しているほか、日本では数少ないEU法を専門とする教員もいることが紹介された。国際法に関するカリキュラムは、基礎から研究に必要な能力を養うことのできる構成となっており、国際法分野の教育が充実している点が強調された。 次に、政治学分野について南和志准教授より説明があった。OSIPPでは政治科学(Political Science)、国際関係論、紛争研究、メディア研究など様々な視点から政治学を学ぶことができ、国際機関やNGOでの実務経験を持つ教員が在籍しているほか、外部講師や実務家による授業・講演も数多く実施されていることが紹介された。 経済学分野については松林哲也教授が登壇し、OSIPPの経済系カリキュラムは、学部で経済学を専攻していなかった学生でも基礎からしっかり学べるよう設計されていること、また、既に基礎を身につけた学生向けには演習科目も用意されていることが説明された。さらに、経済学研究科の授業も履修可能であるなど、柔軟な学びの体制が整っている点が強調された。 その後は、在学生3名による体験談があり、それぞれが感じているOSIPPの魅力や学生生活について語られた。OSIPPには多くの留学生や他大学出身の学生が在籍しているため、異なる価値観や視点に触れる機会が豊富であることが述べられ、多様な背景を持つ学生が共に学ぶ雰囲気が伝わってきた。 続けて行われた博士後期課程についての説明会では、河村教授より、研究者を目指す人に加え、国際機関やNGOでの活躍を志す人も歓迎している旨が説明された。また、社会人学生に向けた履修制度も整備されており、事前に教員と相談すれば、オンラインでの指導や授業の受講が可能で、仕事と両立しながら研究に取り組める環境が整えられていることも説明された。 その後、博士学位について、学位に付記する専攻分野が、従来の「国際公共政策」に加え「法学」や「経済学」からも選択可能になったことや、2026年度入学の博士後期課程の出願書類の変更点などが伝えられた。(詳細は2026年度募集要項を参照) 最後に、OSIPP修了生でタイ出身のPratippornkul Ruengrin氏が、スイスからオンラインで参加し、博士号取得およびOSIPPでの学生生活について語った。Ruengrin氏は、国際機関での就職を目指して博士前期課程に進学し、修了後も研究を続けたいという思いから博士後期課程に進んだと述べた。OSIPPでは留学生が多く、国際性豊かな環境で学ぶことができたことや、社会人学生も複数在籍していたことに触れ、異なる背景を持つ学生と交流できた経験が印象深かったと語った。また、大学院での生活について、「明確な目標を持ち、周囲と相談しながら進めていくことが大切」とし、積極的に学会発表を行うことの重要性にも言及した。 説明会ではOSIPPのカリキュラムに加え、学生生活についてもわかりやすく説明されており、参加者にとっては入学後の自分の姿を具体的に思い描く良い機会となったのではないかと思う。 (OSIPP博士前期課程 WANG Hsin Ni)
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ナダ・アル=ナシフ氏(国連人権副高等弁務官) 基調講演

2025年5月9日に、OSIPP ESGインテグレーション研究教育センターの主催、国連政策研究委員会の共催により、国連人権副高等弁務官のナダ・アル=ナシフ氏(以下アル=ナシフ氏)による「激動する世界における人権の促進」と題した講演が行われた。本講演は豊中キャンパスの法経講義棟の法2番教室にて、英語で実施された。聴講者は主に学部生、大学院生、教員で、会場が満員近くになるほどの人が集まった。 まず大槻恒裕研究科長による開会挨拶および蓮生郁代教授によるアル=ナシフ氏の紹介の後、講演に移った。 講演でアル=ナシフ氏は、今日世界で発生している対立について述べつつ、国連がどのように世界を見ているかについて語った。人道支援者が犠牲になっているガザやウクライナの問題だけでなく、私たちの耳にはなかなか届かないスーダンの問題や、コンゴ、ミャンマーの現状についても述べた。また、現在対立を乗り越えて次の段階に進んでいるバングラデシュ、スリランカについては期待を寄せている旨を示した。権力集中の恐れや検閲の問題についても触れ、アメリカの大学での政府の力の増大については懸念を示した。 Humanitarian economyという言葉もあげ、利益を求めない人道支援についての話もあった。2025年の現在の世界情勢は厳しいものであり、支援をしたくてもできないような状況がある一方で、一緒に協力できる国とともに支援に努めたい、とのことだった。 最後に、答えのない様々な問題へのアプローチ方法について、それぞれの知恵を使いながらともに考えていきたい、という言葉で講演を終えた。 質疑応答の時間では、事前に寄せられていた100件以上の質問内容から抜粋された質問が読まれた。質問の内容は国際的な企業が守るべきルールの所在についてや、人権意識について、また国際連合ができることの限界や中立性の維持の方法についてと様々なものがあった。アル=ナシフ氏はそれぞれの質問に、ときには質問の意図や意味を尋ねながら丁寧に答えていた。ある質問者にはアル=ナシフ氏があなたはどう思うかと聞き返す場面もあり、「ともに考える」という姿勢が感じられた。 本講演は、長年、国際連合で幅広い業務に携わっているアル=ナシフ氏の経験や知識に基づく世界の見方について知ることができる場だった。 質疑応答に長い時間が与えられており、アル=ナシフ氏と直接話す機会が設けられていたため、聴講者にとってインタラクティブな講演だったように思う。また、本講演は常に不安定な世界情勢の中で、平和を求める国際連合の役割は大きいことを改めて認識するものだった。 講演の中では日本での人権の状況について語られる場面もあった。これから卒業後に就職や進学をしていく学生たちに人権の意識について新たな観点を与える機会になったのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
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4月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の4月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生 ・髙田陽奈子 先生・赤井伸郎 先生  ・中嶋啓雄 先生・山下拓朗 先生 Wakako Maekawa(論文) “Introducing new data on UN Special Political Mission Mandated Tasks (UNSPMMT)”, Journal of Peace Research, First published online March 28, 2025(査読あり)https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00223433251317816 Abstract: Whereas United Nations Special Political Missions are established following UN Peacekeeping Operations or as substitute measures to enhance peace and security, studies have paid little attention to what United Nations Special Political Missions do and whether they are effective. The UN Special Political Mission Mandated Tasks Dataset provides new data on United Nations Special Political Mission-mandated tasks between 1993 and 2021. The dataset covers traditional and relatively new mandated tasks, such as those concerned with the enhancement of the rule of law and addressing climate change mitigation and counter-terrorism, respectively. To illustrate the usefulness of the data, this study investigates the effectiveness of the election-mandated task of United Nations Special Political Missions as an exit strategy of UN Peacekeeping Operations on democratisation. The results show that election-mandated tasks improve the quality of democracy. It helps unpack the mixed results of the UN’s effectiveness in enhancing democratisation in post-conflict countries, implying that its intervention matters through both peacekeeping and political mission mandates. This dataset helps researchers investigate the interactive effects of mandates and provides insights into the sequence of peacebuilding strategies. Wakako Maekawa (論文) Kana Inata &Wakako Maekawa “Do aid punishments work forever? Recipients’ incentives for partial democratization and timing of aid punishments after coups”, Democratization, Published online: 24 Apr 2025(査読有)DOI: https://doi.org/10.1080/13510347.2025.2493917 Abstract: Does the impact of aid punishments on recipient states’ democratization depend on their timing after a coup? In this study, we argue that to prompt donors to lift aid punishments, recipient governments improve multipartyism in elections to signal democratization without endangering their survival. However, prolonged punishment can weaken their motivation for such democratic reforms as these efforts need to be backed by the prospect of aid rewards. We test these arguments using the Organisation for Economic Co-operation and Development data from 1967 to 2016. We find that the effect of aid punishments on multipartyism diminishes as the time since the last coup increases. The results suggest that donor states can effectively promote partial democratization in coup-affected recipient states by strategically transitioning from aid punishments to rewards at an opportune moment after the coup. 髙田陽奈子(判例評釈) 「刑訴法を自由権規約に適合的に解釈し、通訳費用を被告人に負担させてはならないとした判決 [大阪高等裁判所令和6年9月3日判決] 」新・判例解説Watch36号(2025年)285-288頁(査読なし:招待)https://www.lawlibrary.jp/pdf/z18817009-00-090602557_tkc.pdf 概要:本判決は、原審が有罪となった中国人の被告人に対して通訳費用を負担させたことについて職権判断で検討し、刑訴法181条1号を、自由権規約14条3項(f)に適合的に解釈して、被告人に通訳費用を負担させてはならないと判示したものである。本評釈においては、刑事訴訟における通訳費用負担をめぐるこれまでの国内裁判例の展開について整理し、自由権規約14条3号(f)について国際法上の解釈手法を用いて解釈するとどうなるかについて詳説したうえで、自由権規約14条3項(f)の実施における本判決の意義について分析を加えた。 Nobuo Akai(著書) “Evidence-based policy making in Japan’s public expenditure: compatibility of fiscal health and investing for the future” Chapter 6, Reforming Capitalism, Going Digital and Green-Japan’s Approach, Edited By D. Hugh Whittaker, Yoshifumi Nakata Published March 27, 2025 by Routledge (2025年3月刊行)https://www.routledge.com/Reforming-Capitalism-Going-Digital-and-Green-Japans-Approach/WhittakerNakata/p/book/9781032986159?srsltid=AfmBOoqHShQmdrLu1zCYav3c86BQZbM9mkajMI3rqFG5rqIxFy4oGma7 概要:本稿では、日本におけるエビデンスに基づく政策立案(EBPM)の導入、特に岸田政権の「新しい資本主義のためのグランドデザイン」と「行動計画」の文脈に焦点を当てる。まず、日本におけるEBPMの導入と現状を概説する。EBPMは、主要業績指標(KPI)、政策評価、行政事業レビューの3つの柱から構成される。これらを評価し、米国および英国のEBPMと簡潔に比較する。次に、グランドデザインで提案されているグリーン変革のための投資と支出をEBPMの観点から評価し、潜在的な落とし穴を指摘するとともに、将来の日本における経済成長と持続可能性のための公共資源の賢明な活用を確保するために何をすべきかを考察する。これは、他国にとって参考となるであろう。 中嶋啓雄 (翻訳書) A・G・ホプキンズ(菅英輝、森丈夫、中嶋啓雄、上英明訳)『アメリカ帝国―――グローバル・ヒストリー』上・下、ミネルヴァ書房、2025年(原著:A. G. Hopkins, American Empire : A Global History, Princeton, N.J.: Princeton University Press, 2018)https://www.minervashobo.co.jp/book/b657466.htmlhttps://www.minervashobo.co.jp/book/b657467.html 概要:グローバリゼーションの進展とともに展開してきた合衆国の歴史、すなわち植民地から出発し、従属的独立国、国民国家、帝国を経て、脱帝国するまでの過程を描く。上巻は、イギリスへの従属から出発し、南北戦争を経て独立を達成、「島嶼帝国」を獲得し、やがて他国と同様に「帝国」として振舞うに至る過程。 合衆国が独立後もイギリスの「非公式帝国」の一部にとどまっていた時代、そして南北戦争を経て、近代国民国家として「真の独立」を達成する中、「島嶼帝国」を獲得し、西欧の他の帝国主義と同じように振舞う時期を扱う。下巻は近代帝国が絶頂期を経て、解体に向かう時期、存続の危機に直面しつつもいまだ帝国への野望を抱き続ける、その姿に迫る。近代帝国が絶頂期に達するとともに、解体に向かう時期を扱う。二つの世界大戦を経て、世界経済の構造変化、人権の重視、脱植民地化運動の拡大など、帝国存続の危機に直面しつつも帝国への野望を抱き続けるヘゲモニー国家として振舞うその姿に迫る。 赤井伸郎(その他の記事) 「EBPMに基づく法人税改革の検証と税制設計に向けて」 特集『 「わが国税制の現状と課題―令和時代の構造変化と税制のあり方―」の評価と検討』機関誌「税研」 240号  Vol.40 No.6 (2025年3月刊行)https://www.jtri.or.jp/books/detail.php?id=600 概要:法人税改革と税制の設計に関して、EBPMの視点から、試行分析を紹介するとともに、EBPMをより適切な法人税制の設計に活かすために必要なポイントをまとめている。 赤井伸郎(その他の記事) 「「臨時」の地方債、正常化を生かせ」『十字路』日本経済新聞(2025年4月10日付夕刊)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF257EQ0V20C25A3000000/?msockid=07cc35830fa26d800f6f21fb0e296c6d 概要:2025 年度予算では地方債の一つである臨時財政対策債(臨財債)の発行がゼロになる見込みだ。その名称からもわかるように、最初に発行された01年度には「臨時」の地方債と位置づけられたが、それ以来、およそ四半世紀にわたり発行が続いた。税収の伸びを背景に、ようやく役目を終えるかたちだ。臨財債は地方の財源不足をまかなうために発行されてきた。地方全体の借金と位置づけられているが、各地方自治体は将来の地方交付税を返済の原資と考えており、負担の認識は希薄だ。地方自治体は住民と行政サービスや街づくりの将来像を共有して、前例にとらわれずに、人口減少に合わせた歳出の効率化を進めないといけない。臨財債の発行がゼロになるという「正常化」が実現した今こそ、地方財政の持続可能性を高めることを考えないといけない。 山下拓朗(お知らせ) 2023年にTheoretical Economicsに発表した論文が同誌において、2023年のTop Viewed Articleの一つに選ばれました。 3月の研究業績でお知らせしたTop Cited Articleに引き続き、Top Viewed Articleにも認定されました。Theoretical Economicsは経済理論の分野において最も重要とされる学術雑誌のひとつであり、そこに掲載されることはその論文が非常に重要な研究業績であることを示しています。 “Optimal persuasion via bi-pooling”, Itai Arieli, Yakov Babichenko, Rann Smorodinsky, Takuro Yamashita, Theoretical Economics, Volume18, Issue1, First published: 21 January 2023https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.3982/TE4663?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_campaign=807786_AT_Top_Viewed_Authors_Mar25
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2024年度 OSIPP 海外インターンシップ・海外調査奨学金 報告会

OSIPPの国際交流委員会では、学生に海外での国際公共セクターの実務経験の獲得を奨励し、現場感覚を持った国際公共政策の研究者や実務家を育成することを目的として、学生の「海外インターンシップ」を助成してきた。2024度からはインターンシップだけでなく実地調査についても助成の対象としている。2024年度は3名の学生が奨学金で海外現地調査を行った。その成果報告会は、オンラインで2025年3月24日に英語で実施された。はじめに、本プログラムの担当教員の一人であるHawkins教授から挨拶があった。その後、報告者からの発表が行われた。 ・山本葉月さん: シエラレオネ (海外調査プログラム参加) 博士前期課程1年の山本さんは、現在はOSIPPのダブルディグリープログラムに参加し、オランダのグローニンゲン大学に留学中である。今回、海外調査でシエラレオネに赴き、現地の大学での10日間のプログラムに参加したことについて、「このプログラムでは実地調査の実践とその倫理を学んだ。調査を行う際に、自分のポジショナリティ(立場性)について認識することが大事だと学んだ」と述べた。 ・JARAMILLO ABAD Gleymang Yubertさん : ペルー (実地調査) 博士後期課程1年のJARAMILLOさんは、今回の実地調査で、政府機関、私的機関と市民団体などの12機関、37人にインタビューを行った。JARAMILLOさんは自身の研究で計量的手法も用いるが、インタビュー調査のような質的手法も用いている。「両方の手法を組み合わせることで、より深くトピックについて観察できる」と話した。 ・Nguyen Phuong Thaoさん: ベトナム (実地調査) 博士後期課程1年のNguyenさんは、メディア関係者、行政や関連分野に携わる専門家も含めて10人にインタビューを行った。インタビューの回答は多様であり、各専門家の職業的背景がその違いに影響を与えていたとのことだった。今後も継続的に専門家との対話を行い、研究をさらに深めていくとのことだった。 報告者の発表後には活発な質疑応答が行われ、本プログラムが助成した調査の内容とその展望について語られた。報告会には多くのOSIPPの教員も参加しており、鋭い質問が投げかけられる場面もあった。 外国を対象とした研究を行う学生が多いOSIPPでは、海外でのインタビュー調査を研究手法の一つとして考える学生もいる。しかし、海外渡航には多額の費用がかかるため、経済的な負担が大きな課題となる。このプログラムは、そうした学生を支援し、OSIPPに所属する学生の調査手法の幅を広げる貴重な機会を提供するものである。今後、海外でのインターンや調査を検討している学生は、ぜひ今年度の申請を考えてみてほしい。(学生の学年は2024年度のもの) (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
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山下教授の論文がTop Cited Article の一つに選ばれる

山下拓朗教授が、2023年にTheoretical Economicsに発表した論文“Optimal persuasion via bi-pooling”が、2023年中に同誌に発表された論文のなかで引用された回数がTOP10の一つだったと発表がありました。 “Optimal persuasion via bi-pooling“Itai Arieli, Yakov Babichenko, Rann Smorodinsky, Takuro YamashitaTheoretical Economics, Volume18, Issue1 First published: 21 January 2023 さらに、この論文はTop Viewed Articleにも選ばれています。 Theoretical Economicsは経済理論の分野において最も重要とされる学術雑誌のひとつであり、そこに掲載されることはその論文が非常に重要な研究業績であることを示しています。
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2025年度OSIPP入学オリエンテーション

2025年度OSIPP入学オリエンテーション 2025年4月3日(水)、満開の桜に迎えられ、OSIPPに入学する博士前期課程・博士後期課程の学生を対象に入学オリエンテーションが実施された。会場は豊中総合学館302講義室で、オンラインとのハイブリッド形式により開催された。参加者の多くは緊張した面持ちだったが、新たな学びの場へ踏み出すことにワクワクしている様子だった。(写真:大槻恒裕研究科長による挨拶) 冒頭では、本年度より研究科長に就任した大槻研究科長からのメッセージが述べられた。OSIPPには、多様なバックグラウンドを持ち、特定の分野にとらわれず独創的なテーマに取り組む学生が集っている。そうした環境においては、互いに切磋琢磨し、自分とは異なる多様な考え方に耳を傾けながら議論を深めることが重要であるとした上で、「生涯の友人を得るとともに、世界をリードする存在に育ってほしい」と学生たちを激励した。 続いて、教務委員長の河村倫哉教授からはカリキュラム・研究倫理・学生生活・人権問題について説明があった。さらに大槻研究科長から、昨年度より始まった人文社会科学系オナー大学院プログラムについての説明と、本年度以降に入学した博士後期課程の学生が所定の要件を満たせば、経済学または法学の学位を取得できるようになるという制度変更についての説明があった。[1] また、法学系、政治学系、経済学系科目の履修上の留意点についての説明も行われた。特に松林哲也教授からは経済学系科目に関する詳細な説明があり、学生たちは熱心に耳を傾けていた。 オリエンテーション終了後には、留学生を対象とした別途説明会も開催された。初めて日本で生活する学生の不安に寄り添い、気軽に相談できる体制が整っていることが強調された。また、国際交流委員会主催で、本年度初のInternational Cafeも実施された。自己紹介に加えて、サークル活動や入学後の手続きに関する話題が続き、終始和やかな雰囲気に包まれていた。 その後、OSIPP院生会主催の懇親会が開かれた。一日を通じて打ち解けた新入生たちは、専攻分野を問わず積極的に交流を深めていた。懇親会には在学生も多数参加しており、履修や学生生活について相談する新入生の姿も多く見られた。企画を担当した院生会レクリエーション係は「思ったよりも早く新入生が打ち解け、充実した時間になったと思う」と語り、会の成功に安堵した様子だった。 (OSIPP博士後期課程 辻本篤輝) [1] 詳しくはCOURSE HANDBOOK 2025 p.58~60を参照されたい。
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2024年度 OSIPP学位記授与式

おめでとうございます!! 2025年3月25日、法経講義棟棟にて令和6年度学位記授与式が開催され、博士前期課程32人、博士後期課程4人の計36人が本研究科を修了した。(写真:優秀学位論文賞受賞者の一人である井筒穂奈美さん) まずは、中嶋啓雄研究科長からOSIPP修了生に学位記が授与され、その後、今年度の優秀学位論文賞の受賞者に賞状が授与された。中嶋研究科長は祝辞の中で「思いがけないつながりによって新しい世界が開けることもあるので、OSIPPでの友人など、これまで出会った人との絆を大事にしてほしい」と述べた。 修了生のみなさん、おめでとうございます!皆様の更なる飛躍と今後のご活躍をお祈り致します。 (OSIPPライブラリー)
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2024年度 「優秀学位論文賞」受賞者発表!

当該年度に提出されたすべての課程博士論文及び修士論文を対象に、それぞれ優秀学位論文が発表されました。 優秀学位論文の選考はOSIPP優秀論文選考委員会が行い、教授会が選考委員会からの推薦をうけて下記のとおり決定されました。 優秀学位論文賞受賞者には、OSIPP学位記授与式にて賞状が授与されます。受賞者の皆さん、おめでとうございます!
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 上村敏之, 亀田啓悟 編著『財政学・公共経済学の発展と展望』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 上村敏之, 亀田啓悟 編著『財政学・公共経済学の発展と展望』(関西学院大学出版会、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 沓澤隆司, 竹本亨 著『都市における空間経営の財政学 : コンパクトシティがもたらす持続可能な自治体運営』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 沓澤隆司, 竹本亨 著『都市における空間経営の財政学 : コンパクトシティがもたらす持続可能な自治体運営』(有斐閣、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら
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【OSIPP赤井研究室主催】公共政策実践セミナーシリーズ第3回「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」

「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」                        神戸市長 久元喜造氏 2025年1月20日、OSIPP棟6階会議室において、神戸市長の久元喜造氏による「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」が開催された。講義には、様々な学部や研究科の学生を始めとする約50名の参加者が集まった。(写真左:久元喜造市長) 久元市長は、多くの困難を乗り越え新たな都市開発を行いながら発展してきた神戸市について、都市開発の話題やこれまでの歴史を振り返りながら述べた。また、今後の神戸のまちづくりの在り方・方向性について論じた。久元氏は、まず、講義の冒頭から都市機能や茅葺民家など自然豊かな顔を併せ持つ神戸市の特色について述べた。神戸市は居留地や雑居地があり、異文化との融合、そして共生が行われてきた土地であると説明した。続いて、1919年に都市計画法が公布され、それ以降その法律を鑑みつつ、また、当時流行していたスペイン風邪によるパンデミックと戦いながら街づくりを行った経緯について話した。 次に、戦前から100万人都市となり、港湾の貨物取扱高は世界でも二番目の規模であった神戸市の昔から現在までの流れについて振り返った。特に阪神大水害、神戸大空襲、阪神・淡路大震災という苦難を、当時の状況やその苦境をどう乗り越えたのかについて述べた。また、住宅地が限られているため、山を削り土砂を海に埋め立てるなどして開発を進めた歴史についても触れた。 最後に、現在では人口減少の波に呑まれ、大都市経営としての問題解決に挑む神戸市について語った。特に、タワーマンションの規制についての内容に関しては重点的に述べ、その内容には学生の関心も高かった。タワーマンションが、経済学でいう外部不経済を多く発生させているという実態、そして都市としての持続可能性への懸念に繋がっていることや、学生の関心が高いコンパクトシティを連想させるような内容について触れた。残りの時間は質疑応答・意見交換に使われ、学生らが積極的に質問を行った。主に、自治体間連携や昨今の話題である神戸空港の国際化について議論が行われた。 筆者も神戸に縁があり、大変好きな土地である。今回のセミナーは神戸市長から直接対面で講演を聞くことができ、神戸市の施策における考え方など、学生がそれぞれの研究に活かせそうな議題が上がっていたので、参加者にとって有意義な時間であったのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 阿部克哉)
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 宮錦三樹 著『教育の財政構造 : 経済学からみた費用と財源』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 宮錦三樹 著『教育の財政構造 : 経済学からみた費用と財源』(慶應義塾大学出版会、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら
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【新刊:中嶋啓雄教授】ジョン・T・ダヴィダン 著、中嶋啓雄 監訳『西洋化の限界(The Limits of Westernization)』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した中嶋先生の新刊をご紹介いたします。 中嶋啓雄先生 ジョン・T・ダヴィダン著、中村信之, ミラー枝里香, 伊藤孝治, 竹澤由記子, 周游 訳、中嶋啓雄 監訳『西洋化の限界 : アメリカと東アジアの知識人が近代性を創造する : 1860-1960 = The limits of westernization : American and East Asian intellectuals create modernity, 1860-1960 』(大阪大学出版会, 2024年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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2024年度口頭報告審査会および博士論文進捗状況報告会

2024年12月4~6日、博士前期課程(修士)・博士後期課程(博士)論文の「2024年度口頭報告審査会および博士論文進捗状況報告会」がオンライン形式で開催された。(写真:井筒穂奈美さんの発表の様子) 口頭報告審査会では、修士号申請者33人と博士号申請者5人が発表し、博士論文進捗状況報告会では、来年度の博士号取得を目指す15人の学生が日々の研究の成果について報告した。 博士前期課程の学生には1人あたり20分、博士後期課程の学生には40分が与えられ、その時間の中で発表と質疑応答に臨んだ。修士号と博士号の申請者は、今回受け取ったコメントを踏まえ、1月の論文の最終提出に向けて論文執筆最終段階に入る。 2024年度の修士号申請者の一人である井筒穂奈美さんは「県の男女共同参画推進施策が女性の議会参入に与えた影響―鳥取県と島根県の事例からー」と題した論文を発表した。男女共同参画推進施策の取組の積極性の程度が県によって異なることに注目し、このような行政の取組が女性の議会参入を促進するかについて差の差分析法によって検証していた。県レベルで取り組まれる男女共同参画は市町村議会への参入は促すが、県議会への参入に対しては、効果は限定的であるという結果を示した。なぜ県議会への効果は限定的であるかに対しては、立候補にかかる費用を一つの仮説として示しつつ、今後の研究の課題であると報告を締めくくり質疑に対応した。 博士後期課程2年次の野津成希さんは “Decentralization and Scale” というタイトルで現在進めている研究の進捗を報告した。地方分権を博士課程の中心テーマとして研究を進めている野津さんは、今回の報告において、日本の戦後のユニークな状況に注目し、警察組織の地方分権化が地方支出や警察の活動等に与える影響を、回帰不連続デザイン等を用いて分析した結果を発表した。分析の結果、分権化により支出は拡大するものの、各地域に適した公共サービスの提供が可能になるという地方分権化の理論と整合的な実証結果が得られたことを示した。質疑応答で受け取ったコメントをもとに、今後は追加的な分析を行うことで、より説得力の高い研究に仕上げたいと語った。 報告会は前年度に引き続き今年度もオンラインで開催されており、多くの博士前期・後期課程1年次の学生も聴講していた。筆者もいくつかの報告会に参加したが、どの報告においても、主査の先生だけではなく副査を務める先生方からの質疑も活発だったことが印象的だった。論文の分析内容に加え、論文にする際のまとめ方や、その研究の位置づけに関する質疑応答などを聞いたことで、筆者自身も自分の研究に対してより真摯に向き合うきっかけとなり、非常に有意義な機会となった。来年度の自身の研究発表に向けて準備を進めていきたい。 (OSIPP博士後期課程 吉良光冬)
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2024年度 留学説明会

2024年8月5日、OSIPP棟2階講義シアターにて留学説明会が開催されました。今回は、アメリカでの留学経験やシンガポールでの勤務経験があるOSIPP准教授の片桐梓先生が、大阪大学の交換留学制度やダブルディグリープログラムについて紹介しました。 今回の説明会には、OSIPP生のほか、法学部国際公共政策学科、法学科の学部生、合わせて10人ほどが出席しました。 まず、大阪大学が提供している交換留学についての説明がありました。大阪大学では、大学間での交流協定が157件、部局間レベルでの交流協定は653件と、非常に多岐にわたる留学先が用意されているそうです(※2024年8月1日時点)。※詳細は大阪大学国際教育交流センター(CIEE)のページをご覧ください。 OSIPPの部局間提携大学としては、韓国の慶熙大学校、メキシコのメキシコ大学院大学、スイスのフリブール大学などがあります。法学部の部局間提携大学も豊富で、中国の清華大学、台湾の国立台北大学などの大学が紹介されていました。 また、OSIPPと留学先の両方の修士号が取得できる「ダブルディグリー・プログラム」についても説明がありました。OSIPPからは、オランダのグローニンゲン大学とフィリピンのデ・ラ・サール大学への留学が可能です。 次に、学位留学について説明がありました。学位留学とは、修士課程または博士課程に直接出願して、コースワークと論文執筆を終了することで、学位を取得する留学のことを指します。例えば、アメリカでは、公共政策に関する修士課程のプログラムに定評があり、そこでの人的ネットワークを構築したり、インターンシップに参加したりする機会が豊富に用意されているという説明がありました。博士課程への留学に関しては、学費や生活費が全額大学から支給されることが多い一方で、競争率が非常に高いため、留学を考えている場合には早めの対策が必要だそうです。 大学院生や研究課題が定まっている方に向けて、研究留学・調査研究といった留学の選択肢についても紹介し、Q&Aセッションをもって、説明会は締めくくられました。 実際に留学経験のある片桐先生からのお話で、参加者はより納得感のある説明やアドバイスを受けることができたのではないでしょうか。円安の影響で経済的な懸念を抱える方も多いと思います。大阪大学、OSIPPでは奨学金制度や助成金制度を用意していますので、その他、留学に関するご相談は、OSIPPグローバル・コミュニティ・オフィスにお気軽にご連絡ください! (OSIPP博士前期課程  金アンジェラ)
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2024年度秋季OSIPP説明会

2024年11月8日、OSIPP棟6階会議室にて秋季OSIPP説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約60人が参加し、入学試験及び在学中のカリキュラム、修了後の進路等についての説明、および質疑応答が行われた。(写真:河村倫哉教務委員長による説明の様子) 説明会は、中嶋啓雄研究科長の挨拶から始まった。中嶋研究科長は、OSIPPでは社会の諸問題について、専門性の高い研究教育と企業からの助成を受けた寄附講座などで社会とのコミュニケーションを重要視した実務的教育の双方を重視していると紹介があった。さらに英語開講やオンライン開講の講義があること、入試がオンラインで行われることなど、海外の学生にとっても入学しやすい環境を整備しているため、国際性豊かな学生生活を送ることができるという説明があった。 その後、河村倫哉教務委員長より入試に関する情報、早期修了制度を含めた修了要件、学生支援等についての詳細な説明があった。 入試情報に関しては、OSIPPの出願において英語民間試験のスコアは過去5年以内のものが有効なので、早めに高いスコア取得に向けて動いてほしいという激励があった。また、学生支援については国際学会で発表する際の補助や海外インターンシップへの助成、私費留学生に対する特待留学生授業料免除など様々な支援に関する言及があった。最後に教員からのメッセージ動画についての紹介があった。 続いて、経済系、法政系(法学・政治学)の教員からそれぞれの分野に関する説明があった。 法学の教員である大久保邦彦教授は、どのような授業が開講されているかを説明した。OSIPPには複数の国際法の専門家や日本では数少ないEU法の専門家が在籍していることなどを述べ、教育体制の充実度合いを強調した。次に、片桐梓准教授が政治学分野に在籍している教員に関してと、開講されている授業について紹介し、OSIPPでは政治科学(Political Science)だけでなく歴史的なアプローチや社会学的なアプローチなど幅広い観点から政治学を学習できること、UNESCOなどの国際機関や新聞社などで実務経験を積んだ教員や外部講師による授業が豊富であることを説明した。経済系からは松林哲也教授が、初めて経済学を学ぶ学生でも専門性を身につけられるように設計されているOSIPP経済系のカリキュラムの魅力を伝えたうえで、必要であれば経済学研究科の授業の履修や学部の授業の聴講も可能であることを説明し、OSIPPでの学びの柔軟性を強調した。最後に、OSIPPでの学修を通してデータ分析に基づくエビデンスを集めることができる人材になってほしい、というメッセージで閉めくくられた。 その後は在学生が3人登壇し、自らが感じるOSIPPの魅力を語った。OSIPPでは就職のことや研究のことを相談できる仲間ができるうえ、教員と学生の距離が近いこともOSIPPの魅力である、と語っていた。 教員からの一連の説明が終了したあとは、質疑応答の時間が設けられた。各授業や修了後の進路についてなど、様々な質問が会場やオンラインのチャット機能を通じて寄せられた。また、対面会場では説明会終了後も在学生や教員に個別の質問をしている様子が見られた。 博士後期課程の学生に向けては、独立した研究者になるために教員がサポートを惜しまないことが強調され、学生支援などについての説明があった。また、論文指導や授業は部分的にオンラインで代替することも可能であるので、仕事との両立を考えている場合は事前に指導教員に相談してほしい旨の案内があった。 また、博士後期課程における2025年度以降の変更点として、以下の内容が伝えられた。 ・博士学位に付記する専攻分野が、従来からの国際公共政策に加えて法学および経済学の専攻分野からも選択可能になった。詳細な要件は入学後に説明がある・博士前期課程だけでなく博士後期課程においてもグローニンゲン大学とのダブルディグリー・プログラムが導入される さらに、OSIPP修了生で外務省に勤務している原琴乃氏から、博士号取得についての言及があった。まずは、海外では国際会議において発言者が博士号を所持していることが重要視されていると述べた。また、博士号取得過程で得られるものとして、専門性の高い知識のみならず、必要な資料を適切に分析することで新たな発見をし、その結果を学会で発表できるというスキルを挙げた。そのスキルは、その後の自身の人生で大いに役立つものであり、また、キャリアを通して社会に還元できるものであると説明した。そのうえで、OSIPPは多様性豊かな環境で実務に近いアプローチを取っている研究も多いため、その一生モノのスキルを涵養しやすい研究科であると、参加者に向けて熱いメッセージを送った。 (OSIPP博士前期課程 辻本篤輝)
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