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第14代研究科長就任 中嶋啓雄教授インタビュー 

2023年4月に、OSIPP第14代研究科長に就任した中嶋啓雄先生にお話を伺いました。 先生のこれまでの経歴と研究の概要を簡単に教えてください。 私は2007年の大阪大学と大阪外国語大学の統合に伴い、大阪外国語大学から国際公共政策研究科(OSIPP)に移籍しました。OSIPPでの在籍は既に15年以上となり、いつの間にか最古参の一人となりました。専門としている研究分野はアメリカ外交史です。元々は19世紀前半に表明されたモンロー・ドクトリンの研究をしていましたが、現在は日米文化外交を主に研究しています。チャールズ・A・ビアードというアメリカの政治学者についての研究をしているなかで、ビアードは新渡戸稲造の弟子である高木八尺や松本重治と交流があったことがわかりました。写真は2018年春に訪れたカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の新渡戸記念庭園で撮ったものです。この庭園は、新渡戸稲造が「太平洋の橋」となることを目指し、カナダで開催された太平洋問題調査会(IPR)の国際会議に出席した後にブリティッシュ・コロンビア州で客死したことから、彼を記念して作られたものです。私はこのような学者間の交流と日米関係に関心を持っています。・中嶋先生の研究紹介:https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/ja/osipp-faculty/nakajima-hiroo/・OSIPPNews:https://news.osipp.osaka-u.ac.jp/?p=7580 長年のOSIPPでの在籍を踏まえ、OSIPPの魅力や近年のOSIPPの研究・教育の特徴などを教えてください。 OSIPPの特徴は、学際的な研究活動と公共政策に役立つ実務面の教育の両方に力を入れている点です。学際的な研究活動に関しては、教員も学生も多様な研究分野やテーマに携わっているため、学生は自由な発想で関心を追求し、分野を超えた視点を身につけることができます。近年では、法・政治・経済分野の教育がより細分化され、専門性のレベルが上がっています。そのため、専門性の追求が可能になった一方、分野を超えて広く学ぶ学生が減っている印象もありますが、OSIPPでは専門性も高めつつもさまざまな学問分野に触れる機会を生かして多角的視点を身に付けてほしいと考えています。実務性に関しては、公共政策大学院として社会とのつながりを意識したプログラムやカリキュラムが充実しており、Global Leadership Programや新聞社と共同で開講する授業などを用意しています。このような実務に役立つ学びとアカデミックな学びが相乗効果をもたらすことを期待しています。また、近年では海外経験のある教員が増えたことで、英語による授業や研究発表が増加しているのも特徴です。オンライン化が進んだことにより世界が一層狭くなっているので、国境を超えて活躍する学生や教員を支援したいと考えています。 研究科長としての抱負を教えてください。 研究科長に就任したことで、OSIPP内の出来事により一層注目し、OSIPPに関わる様々な人々の意見や思いに耳を傾けたいと考えています。私は「人間目安箱」として、教員や学生、さらには事務スタッフや修了生まで、OSIPPに関わる多様な人々のニーズを把握し、それを反映させていくことを目指しています。例えば、教員やスタッフの中には、コロナ禍により人との距離が離れ、気軽に相談する機会が減少したため、相談相手が分からず自分のやりたいことが形になっていないと感じる人もいることがわかりました。最近では、さまざまな方面の意見を聞いて調整することの難しさを再認識していますが、風通しの良い組織を目指し、研究科内で起こる出来事に注意を払っていきたいです。研究科長室に閉じこもってしまうと見えなくなる部分もあると考えますので、OSIPPに関連する様々なイベントに積極的に参加し、OSIPP棟や豊中総合学館の廊下を歩く際にも周囲の人々の表情に注意を払い、皆さんの思いを少しでもキャッチできるよう心がけたいと思います。さらに、社会とのつながりも重要視していきたいです。昨年、赤井前研究科長の指揮のもとで同窓会活動を始め、各方面で活躍するさまざまな修了生と現役の学生や教職員との交流の機会を作りました。OSIPP30周年の際には、対面での記念式典の開催も目指しています。 OSIPPに関心を持っている方や在校生に対してメッセージをお願いします。 OSIPPでは、研究テーマやアプローチの仕方に大きな制約がなく、やりたいことを自由に追求することができるところが魅力です。教員のみならず学生においても、データを使い定量的な分析をする人から歴史的資料を分析する人、政策提言に関わる人から国際機関や政府機関での実務経験がある人など様々です。また、OSIPPには留学生が多く、学生間の交流の機会がたくさんあります。ここで得たネットワークは、将来、国際的に協働するパートナーとなり得るつながりとして大切にしてください。後に振り返ると、大学院生時代の自由な時間は貴重だったと感じるでしょう。心身の健康にも気を配りつつ、精一杯頑張ってください。 (OSIPP博士前期課程 池内里桜)
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2023年6月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の6月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生 ・Dongqin Wang 先生・和仁健太郎 先生 ・瀧井克也 先生・赤井伸郎 先生 和仁健太郎(著書)「日本周辺の海峡と外国潜水艦の通航」奥脇直也・坂元茂樹編『海上保安法制の現状と展開―多様化する海上保安任務』(有斐閣、2023年)36-50頁 概要:日本周辺の海峡(日本が沿岸国である海峡)を外国潜水艦が日本にとって有害な態様で航行する場合に、それに対して日本が何をできるかを検討した。具体的には、①通過通航権が適用される海峡の基準(「国際航行に使用されている海峡)および②沿岸国の権限の内容について問題となる解釈論上の論点について検討した。 Wakako Maekawa(論文)“Does Withdrawal of Troops After Military Intervention Reduce Rebel Groups?”Armed Forces & Society(査読有)DOI: https://doi.org/10.1177/0095327X231177717 Abstract:How does the withdrawal of troops after a military intervention supporting the government affect the number of rebel groups in the long term? This study argues that the withdrawal of foreign support for the government affects the number of rebels by directly provoking a nationalist backlash in the short term and threatening government legitimacy in the long term. Whether or not nationalism is provoked and whether legitimacy is enhanced or eroded depend on whether or not it was a humanitarian intervention. If rebels win, the intervention withdrawals also indirectly affect the number of rebel groups in the long term through the militias’ presence. Using interrupted time-series estimates between 1961 and 2005, this study found that humanitarian intervention withdrawals decrease the number of rebel groups in the long term, whereas nonhumanitarian intervention withdrawals promote the growth of militias and increase the number of rebel groups. Wakako Maekawa(書評)“Book Reviews: Micro-Evidence for Peacebuilding Theories and Policies edited by Yuichi Kubota, Singapore, Springer, 2022, viii +120 pp.” The Developing Economieshttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/deve.12371 和仁健太郎(書評)「Christián Correa, Shuichi Furuya, and Clara Sandoval, Reparation for Victims of Armed Conflict, Cambridge University Press, 2021, 293+viii pp.)」『国際法外交雑誌』122巻1号(2023年)133-138頁 概要:Max Planck Trialogues on the Law of Peace and Warシリーズの中の1冊として刊行された書籍の内容を紹介したもの。武力紛争被害者への賠償に関する3本の論文が掲載されている。 赤井伸郎(その他の記事)「行財政のAI活用、人間の知恵で」『十字路』日本経済新聞(2023年6月22日付夕刊)http://akainobuo.starfree.jp/jyu-ji-ro.html 概要:信頼性が必要とされる行財政分野においては、AI活用による情報漏洩は、機能の停滞につながりかねない。また、利益を上げることを目的とする民間のAI活用と異なり、価値判断が伴う政策へのAI活用は、工夫が必要となる。これまで以上に、人間の知恵が求められる。 Dongqin Wang coauthored with Eddy (Weijian) Zou(Working Paper)“Public Wash Programs, Long-run Child Development, and Intergenerational Mobility: New Evidence from Rural People’s Republic of China” Asian Development Bank Institute Working Paperhttps://www.adb.org/publications/public-wash-programs-long-run-child-development-and-intergenerational-mobility-new-evidence-from-rural-people-s-republic-of-china Abstract: By exploiting the differential timing of water plant construction and toilet subsidy programs across villages in rural China and using a generalized difference-in-differences, we find that each program independently increased years of schooling up to 20 years after its implementation. Effects on education are larger for girls than for boys, and for toilet subsidy programs. Furthermore, we find that the toilet program had larger education effects if it was introduced after the water program. Moreover, the toilet program reduced maternal-child education persistence and improved the upward education mobility of exposed children. The underlying mechanism is children’s health improvement. Katsuya Takii coauthored with Kenta Kojima(Discussion Paper)“Job Value: New Measure of Career Success Potential from a Job” DP-2023-E-001(July 7, 2023)https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2023/DP2023E001.pdf Abstract:This paper develops a new method for assigning a value to each job that evaluates the likelihood and speed of promotion from that job to top executive and applies it to personnel data for Japanese bureaucrats. We find that outwardly similar jobs within the same hierarchical rank involve very different opportunities for promotion to top executive. We also reveal frequent real demotions and the early selection of elite bureaucrats unable to be detected through use of hierarchical rank. These findings suggest that assignment to a specific job can be a credible signal for promotion to top management.
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2023年度夏季OSIPP説明会

2023年6月9日、大阪大学豊中キャンパスの法経講義棟にて夏季OSIPP入試説明会が行われました。当日は対面とオンラインを合わせて約80人が参加し、入試及び在学中のカリキュラム、修了後の進路等の説明が行われました。(写真:中嶋啓雄研究科長からの挨拶) 初めに中嶋啓雄研究科長から挨拶があり、続いて、小原美紀教務委員長がOSIPPのアドミッションポリシー、教育システムの特徴やOSIPPが提供するプログラムを紹介しました。小原教務委員長はアドミッションポリシーにおける「国際社会で自らの主張を積極的に発信したい」というフレーズに注目し、“まず自分の意志を持つことの大切さ”を主張しました。 次に、小原教務委員長(経済学系教務委員)・和仁健太郎教授(法学系教務委員)・河村倫哉准教授(政治学系教務委員)から経済学・法学・政治学のカリキュラム紹介がありました。各分野の初学者も対象とし、基礎から学べることがOSIPPのカリキュラムの特徴だと、各教員が強調していました。さらに、他のOSIPP教員からの動画メッセージが流れました。 昨年度は在学生からのメッセージも動画での紹介でしたが、今年度は在学生が会場でメッセージを述べました。経済学・法学・政治学をそれぞれ専攻する4人の在学生が、普段の学習、研究活動、および就職活動について自らの体験を話しました。ある在学生は、消極的な理由からOSIPPに進学するのではなく、やりたいことを明確にしてOSIPPに入学することを強く訴えていました。 最後に質疑応答の時間があり、当日の説明会やOSIPPのホームページでは紹介されていないことに関して、参加者が質問を投げかけていました。 この説明会を通して、多くのOSIPP教員や在学生がそれぞれに持っている熱いメッセージを発しており、参加者はOSIPP入学後のイメージをより鮮明に描くことができたのではないかと思います。 (OSIPP博士前期課程 久保知生)
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【新刊:和仁健太郎教授】奥脇直也,坂元茂樹 編『海上保安法制の現状と展開: 多様化する海上保安任務』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した和仁先生の新刊をご紹介いたします。 和仁健太郎先生奥脇直也,坂元茂樹 編『海上保安法制の現状と展開: 多様化する海上保安任務』(有斐閣、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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【新刊:和仁健太郎教授】Peaceful maritime engagement in East Asia and the Pacific Region,edited by James Kraska … [et. al]

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した和仁先生の新刊をご紹介いたします。 和仁健太郎先生Peaceful maritime engagement in East Asia and the Pacific Region, edited by James Kraska, Ronán Long, and Myron H. Nordquist (Brill Nijhoff, 2023) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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2023年4月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の4月の研究業績をご紹介します。 ・髙田陽奈子 先生・室岡健志 先生・大久保邦彦 先生  ・片桐梓 先生 Hinako Takata coauthored with Shotaro Hamamoto(著書)“Human Rights, Treaty Bodies, General Comments/Recommendations” (2023) in Anne Peters (ed.), Max Planck Encyclopedias of International Law(Oxford University Press, Online edition). (査読有) 概要:国際公法のオンライン版百科事典であるMax Planck Encyclopedias of International Lawに掲載された、査読済の記事です。国連の人権条約機関が発行する「一般的意見」について、その歴史的沿革や、法的根拠、1990年代以降の性質の変化、内容の特徴、採択過程、法的価値や権威、そして人権条約の実効性や正統性との関連、といった観点から包括的に分析し論じたものです。 室岡健志(著書)『行動経済学』日本評論社(2023年3月) 概要:1) 行動経済学の理論と伝統的な経済学の理論のつながり、その背後にあるエビデンスを明確に示しながら解説。2) 行動経済学の理論が、経済学のさまざまな分野でどのように応用されているかを具体的に解説。たとえば、貯蓄行動、購買行動、求職活動、労働契約、教育、財政、医療、健康などへの応用例を紹介。3) 行動経済学に関連する政策、データ収集、実験などの実施を考えるための理論な基盤を提供。たとえば、消費者保護政策、競争政策、課税政策、年金政策などを考える。 大久保邦彦(判例評釈)①「賃借権の時効取得」別冊Jurist『民法判例百選I総則・物権[第9版]』88頁➁「運用利益の返還義務」別冊Jurist『民法判例百選Ⅱ債権[第9版]』138頁③「不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用または類推適用により元本に組み入れることの可否―約定利息・法定利息・遅延利息の法的性質論を兼ねて(最三判令4・1・18)」『判例時報 2545号』108頁 ① 判決要旨:甲所有の土地を買い受けてその所有権を取得したと称する乙から右土地を賃借した丙が、右賃貸借契約に基づいて平穏公然に目的土地の占有を継続し、乙に対し賃料を支払っているなど判示の事情のもとにおいては、丙は、民法一六三条の時効期間の経過により、甲に対して右土地の賃借権を時効取得することができる。➁ 判決要旨:1.銀行業者が不当利得した金銭を利用して得た運用利益については、民法第189条第1項の類推適用により同人に右利益の収取権が認められる余地はない。2.不当利得された財産に受益者の行為が加わることによって得られた収益については、社会観念上、受益者の行為の介入がなくても、損失者が右財産から当然取得したであろうと考えられる範囲において損失があるものと解すべきであり、その範囲の収益が現存するかぎり、民法第703条により返還されるべきである。3.第1項の運用利益が商事法定利率による利息相当額(臨時金利調整法所定の1箇年契約の定期預金の利率の制限内)であり損失者が商人であるときは、社会観念上、受益者の行為の介入がなくても、損失者が不当利得された財産から当然取得したであろうと考えられる収益の範囲内にあるものと認められるから、受益者は、善意のときであっても、これが返還義務を免れない。③ 判決要旨:不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は、民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることはできない。 片桐 梓(その他の記事)「政府は国内世論を重視して外交政策を判断しているのか?長年の研究を経て未だに「難問」」『WEBアステイオン』(2023年4月19日掲載)
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2023年度OSIPP入学オリエンテーション

2023年4月5日(水)、豊中総合学館302講義室とオンラインのハイブリット形式で、OSIPPに新たに入学する学生(博士前期課程32人、博士後期課程8人)に対して入学オリエンテーションが行われた。 (写真:小原美紀先生による説明の様子) 今年度から新たに就任した中嶋啓雄研究科長は、OSIPPの特徴として「国際性・学際性・実用性」を挙げ、「幅広い分野の研究者がいるOISPPでは可能性は常に開かれている」と語り、学生たちに「Folks, be ambitious.」とメッセージを送った。 研究科長の挨拶に続き、OSIPP教授の小原美紀先生・瀧井克也先生・大久保邦彦先生によるカリキュラム等説明、研究倫理、学生生活案内、人権問題についての説明が行われた。また、これに続き、院生幹事会による院生会案内とOSIPPライブラリースタッフによる文献検索ガイダンス、OSIPPライブラリー・法学研究科資料室・経済学研究科資料室の見学、中嶋先生らによるダブル・ディグリー・プログラム説明会の後、赤井伸郎先生(OISPP教授)の司会による「研究の魅力:性別を問わず挑戦できる環境について」というテーマでのセミナーが行われた。 オリエンテーションを通して、説明を担当した教職員それぞれが「困ったことや分からないことがあれば気軽に教員と連絡をとりましょう」と話し、これから始まる学生たちの生活がより良いものになるようサポートしようとしてくれている姿勢が伝わった。また、学生生活・研究生活に必要となるたくさんのトピックスが紹介され、新入生たちは教職員の話を注意深く聞き、今後の学生生活に思いを馳せているようであった。 新入生の皆さん、これから一緒に実りのある学生生活を送りましょう! (OSIPP博士前期課程 花山愛歩)
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【新刊:二羽秀和助教】法政大学比較経済研究所 森田裕史 編『マクロ経済構造の分析 : 時系列分析手法とその応用』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した二羽先生の新刊をご紹介いたします。 二羽秀和先生法政大学比較経済研究所 森田裕史 編『マクロ経済構造の分析 : 時系列分析手法とその応用』(日本評論社、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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第8回国際公共政策コンファレンス(待兼山会議)

2023年3月18日(土)・19日(日)に「第8回待兼山会議(国際公共政策コンファレンス)」が豊中キャンパスにてオンラインも併用しつつ開催された。(写真:最優秀賞・個人発表優秀賞を受賞した水谷優来さんの発表)2015年から開催されてきた本会議は、コロナ禍による一度の中止を経て、今年で8度目の開催となった。このイベントは、主に高校生を対象とした、国際的な課題に関する研究発表の場である。 今年は「持続可能な開発目標(SDGs)の実現のための国際的な問題の分析とその解決策」というテーマの下、個人・グループで計17組34人の高校生が発表を行った。1日目はOSIPP棟にて分科会に分かれて発表が行われ、2日目は理学研究科南部陽一郎ホールにて各分科会の代表者による発表が行われた。高校生による発表は大変興味深く、質の高いものばかりであった。その中から特に優れた発表が表彰され、「ナイル川流域におけるエジプトとスーダンの水紛争 現状把握と政策提言」というテーマで、ナイル川流域で将来予測される水分配に係る紛争に着目した発表を行った 水谷優来さん(United World College Red Cross Nordic)が、最優秀賞及び個人発表優秀賞を受賞した。二国間の適切な水分配の比率に関して様々な学問分野の手法を用いた研究成果の発表と政策提言がなされ、非常に公共性の高い優れた発表であった。また、優秀賞を受賞した植田清花さん(神戸市立葺合高等学校)は「障害理解のための効果的なインクルーシブ教育」というテーマで、同じく優秀賞を受賞した山田あやめさん・増山俊治さん・奥村優里奈さん・東美奈さん(長崎県立長崎東高等学校)のグループは「持続可能な藻場造成」というテーマでそれぞれ発表を行った。 また、2日間の日程の中で2回の基調講演が行われた。1日目にはOSIPPにて博士前期課程を修めた越智萌先生(立命館大学大学院国際関係研究科准教授)より、「悲しみを乗り越える法の力―ロシア・ウクライナ紛争の後処理を考える―」というテーマで、ロシア・ウクライナ紛争に関して国際刑事司法の観点から戦争犯罪やICC(国際刑事裁判所)などについての講演が行われた。なお、講演前日にICCによってロシアのプーチン大統領に逮捕状が出されたことで、偶然ながらも非常に時宜を得た講演となった。2日目には三重県職員の安藤智広氏を迎えて、自身が勤務していた台湾と日本の交流の歴史などについて講演が行われた。 高校生による発表は、充実した研究成果は勿論のこと、待兼山会議の発表への綿密な準備の跡がうかがえるもので、今後の研究の進展が非常に期待できるものであった。参加者はお互いの発表を聞くことで、将来を担う意欲的な高校生同士で刺激を得たのではないだろうか。本会議では、国際的な諸課題への関心や問題解決のための能力・発信力を身に着けることと同時に、意欲的な高校生同士のネットワークの構築も開催の目的としている。本会議で得た経験とネットワークを生かして、共に社会の諸課題に取り組むきっかけを得られたとすれば、運営に携わった一人として無上の喜びである。 <待兼山会議ウェブサイト>https://osippconference.wixsite.com/conference ※昨年度まで松繁寿和教授(昨春ご退職)のゼミにより運営されてきた本行事は、今年度より法学部国際公共政策学科の学生を中心に設立された学生運営団体Flagshipのもとで運営されることとなった。 (学生運営団体Flagship / 法学部国際公共政策学科3年 久保光)
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【新刊:室岡健志准教授】室岡健志著『行動経済学』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した室岡先生の新刊をご紹介いたします。 室岡健志先生室岡健志著『行動経済学』(日本評論社、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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【院生紹介】OSIPPでの2年間を振り返って(千馬あさひさん)

私は2021年4月に大阪大学法学部国際公共政策学科からOSIPPに進学しました。入学当初に下記【院生投稿】を執筆したので、博士前期課程の修了を控えた今回はOSIPP生活の振り返りを書こうと思います。(左写真:伊丹市の荒牧バラ公園(’21年5月))【院生投稿】千馬あさひさん(OSIPP博士前期課程) 博士前期課程1年次1年次はコースワークと就職活動がメインの生活を送っていました。私はOSIPP経済系の学生だったので、1年次は修士論文執筆の基礎となる授業を受けていました。例えば、ミクロ経済学や計量経済学といったものです。それ以外にも、学部生時代には履修しなかった授業やOSIPPのみで開講されている授業も取りました。特に後期に履修した「Political EconomicsⅡ」は、自分の研究テーマに近い内容を学ぶことができ、修士論文のテーマを考える上でとても勉強になりました。授業に加えて、1年次は就職活動にも注力しました。私は、政策につながるような知見を得るための研究をしていたので、実際に官公庁からの受託を受けて政策のための調査研究を行うことができるシンクタンクへの就職を志望していました。6月頃には夏のインターンシップの募集が始まったので、授業や課題、テストの合間にエントリーシート(ES)を書いたり面接を受けたりしていました。しかし、この応募が思ったよりも上手くいかず、シンクタンクやその次に志望していたIT業界など10社以上に応募したのですが、結局3社しか参加できませんでした。今振り返ると、もっと応募先の企業の事業内容等を理解していれば、それらの企業が求める内容をESに書けたのではと思います。10月頃からはインターンシップ参加者用の早期選考に参加することができ、第1志望だった企業から3月末に内々定を頂くことができました。ただ、秋以降は1週間に講義を8コマ受けていたり、就職活動では本選考の面接やES執筆をしたりと、かなり多忙な日々でした。特に1月は毎週課題の締め切りあるいは発表があり、同時に本選考の面接やESの締め切りもあったので体力的にも精神的にも大変だったのを覚えています。今後大学院に進学される方は、時間や体力などのバランスを考えて研究や就職活動に取り組まれると良いと思います。 博士前期課程2年次2年次は、研究がメインの1年間でした。1年次の後期に、修士論文のテーマは「地方選挙での無投票選挙が国政選挙の投票率に与える影響」と決めていたため、2年次前期は執筆に向けて先行研究探しやデータ集め、分析を行っていました。“無投票選挙”に着目したのは、首長や議員は選挙を通じて有権者が決めるものであるにも関わらず、その機会がなくなると有権者の投票参加に係る意思決定が変化するのではないかと疑問を持ったからです。後期の初めには結論以外の部分は文章化できている状態で追加の分析をしていたのですが、その分析では論文の最終的な着地点を見つけることができず、結局は“無投票選挙”ではなく“地方選挙の頻度”に焦点を置くことにし、メインの分析ごとごっそり入れ替えることになりました。同期の友人たちが分析を終えて文章を書いている11月頃に、私だけメインの分析をしていたときのことは強く記憶に残っています。あの時の自分は「なんでこんな時期に分析してるんやろ」と密かに焦っていました。このような時期を経て、今年1月に無事最終提出を終えました。 学内アルバイト研究や就職活動以外にも様々な活動にも参加しましたが、その中でも数種類の職種を経験した学内アルバイトについて紹介します。私は、2年間を通してリサーチアシスタント(RA)、今記事を書いているOSIPP Newsの編集員、チューター、ティーチングアシスタント(TA)、OSIPPライブラリーの夜間開室担当に携わりました。今回は2年間担当していたOSIPP教授 松林哲也先生のRAとOSIPP News編集員について振り返ります。RAではデータ集め・整理・分析や図表作成、資料集め等をしていました。RAの仕事で学んだことは、例えばコードの書き方やデータのソースなど、自分の研究で活かせることも多かったです。またOSIPP News編集員では、OSIPPで行われているイベントや新しく着任された先生の取材、OSIPP修了生の方の現在に関する取材等を担当しました。これらの取材により、本来なら参加しなかったイベントや、関わることがなかった方たちと出会う貴重な機会をたくさん得ることができました。 現在の心境など上記以外にも、2年次の夏にはイギリスに1か月間の語学留学に行ったり、時にはOSIPPで出会った友人たちと休日に出かけたりと、本当に充実した日々を過ごすことができました。前回の院生投稿では「(とりあえずは、という気持ちで)OSIPPに進学してよかった」と書いたのですが、今は心からOSIPPに進学してよかったと思っています。また「悔いが残らないような2年を送りたい」とも書きましたが、現在悔いは残っていません。しいて言うならば、投票行動研究が面白く感じてきたところで卒業なのが残念!ということです。ただ研究は就職してもできることなので、シンクタンクの研究員としての仕事が始まってからも続けていけたらいいなと思っています。 この2年間、OSIPPでお世話になった皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。OSIPP進学を考えている人たちにとってこの記事が参考になれば幸いです。 (千馬あさひ 2023年3月執筆)
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