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【院生紹介】WANG Hsin Niさん(OSIPP博士前期課程)

私は、2025年3月に大阪大学法学部国際公共政策学科を卒業し、4月からOSIPP博士前期課程に在籍しています。今回は、大学院(OSIPP)に進学した理由、院試の準備、そして入学後1か月の大学院生活について述べたいと思います。               ①大学院へ進学した理由私が大学院へ進学しようと思ったきっかけは、高校時代に参加した模擬国連でした。当時は、人権問題から軍備拡張競争まで、さまざまな国際問題について調べ、国家代表として議論を重ねました。会議中は、国際社会全体の利益に貢献する解決案の作成を目指しますが、各国の利益調整が難しく、会議が難航することもよくありました。この経験を通じて、国家間の交渉や利益調整の仕組みに関心を持つようになりました。また、将来的には国際機関で働きたいという思いも芽生え、大学院への進学を視野に入れるようになりました。 大学入学当初は国際関係を中心に学ぶつもりでしたが、法学部で開講された「国際公共政策」という授業で初めて国際法に触れ、その面白さに惹かれました。そして、模擬国連でも取り上げられていた人権保護や平和維持といった国際的課題を支える「法」の仕組みに関心を持つようになりました。その後、授業と並行し、卒業までの3年間に国際法のゼミにも所属していました。ゼミでは英語の論文や国際裁判所の判決を読み、それに関連する問題について先生やゼミ生と議論しました。答えが決まっていない問題がほとんどですが、自分なりの答えに辿り着くまでの過程と、議論してさらに新しい問題を見つけることがとても楽しく、もっと考えたいと思い、大学院への進学を決意しました。さらに、私がOSIPPを志望した理由は、まず指導を希望する教員が在籍していたからです。加えて、入試説明会に参加した際に、学生同士の交流が活発で、緊密なコミュニティーが築かれていることにも魅力を感じました。 ②院試の準備 院試の準備にあたり、私は一度つまずいた経験があります。それは、取り組もうとしていた研究テーマに関する参考資料が少なく、一度書き上げた研究計画書を全て書き直すことになったことです。 初めは、ゼミの議論で出てきた自分の興味があるテーマについて調査を始めました。しかし、文献が少なかったため研究の方向性が明確にならず、計画書を書き進めるうちに、研究テーマが深掘りできないことに気づきました。その後、先輩や同期と相談する中で、テーマを再考しました。結果として、研究計画書をほぼ一から書き直すことになりましたが、この再調整によって、より具体的な研究テーマに絞ることができました。 大学院生は「一人で研究を進めないといけない」とよく見聞きしますが、私はそうでもないと思います。確かに、自分が勉強しないと何も書けないですが、最初はわからないことがたくさんあり、「自分一人でやらなければ」と思い込むとかえって行き詰まってしまうかもしれません。私が無事に出願できたのは、先輩や同期のアドバイスやサポートのおかげです。 ③大学院の生活 本稿を執筆している時点で、大学院に入学してまだ1か月も経っていませんが、ここで修士1年の前期に履修している科目のいくつかを紹介したいと思います。 OSIPPでは履修登録にさいして、指導教員の面談を受け、履修計画についての承認を得る必要があります。私は指導教員である二杉健斗先生との面談を通じ、履修に関する多くのアドバイスをいただき、自分の研究に関連する科目を意識して履修することができました。 私の修士論文は、文献ベースなので、外国語と学術論文の読み方を身につけることが重要です。和仁健太郎先生の「国際法文献購読」の授業では、英語で書かれた国際法の論文を精読し、その論文の構造を分析したり、内容を評価したりします。論文の一部を和訳する課題もあり、日本語が第一言語でない私にとっては、日本語表現のニュアンスを学ぶよい機会にもなっています。 そのほか、国際法の理解を深めるため、私は法学研究科で開講された「民事訴訟法」および「法思想史」の授業も受講しています。いずれも国際法と直接の関連はありませんが、国際司法裁判所の手続きと民事訴訟の類似性や、法思想史が基礎的素養となる点から、研究に役立てたいと考えています。 最後に、大学院への進学を考えている方に、私なりのメッセージをお伝えしたいと思います。大学院に進むべきか、院試にどう備えるべきかなど、悩んだり不安を感じたりすることもあると思います。私も学部4年生の時の夏に同じ迷いを抱えました。そのようなときは、一人で考え込まず、周りの人に相談してみましょう。また、入試説明会への参加もおすすめです。私はOSIPP以外の入試説明会にも参加し、比較することで自分に合う進学先を見つける手掛かりを得たので、進路に迷ったら複数の入試説明会に参加してみてください。
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4月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の4月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生 ・髙田陽奈子 先生・赤井伸郎 先生  ・中嶋啓雄 先生・山下拓朗 先生 Wakako Maekawa(論文) “Introducing new data on UN Special Political Mission Mandated Tasks (UNSPMMT)”, Journal of Peace Research, First published online March 28, 2025(査読あり)https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00223433251317816 Abstract: Whereas United Nations Special Political Missions are established following UN Peacekeeping Operations or as substitute measures to enhance peace and security, studies have paid little attention to what United Nations Special Political Missions do and whether they are effective. The UN Special Political Mission Mandated Tasks Dataset provides new data on United Nations Special Political Mission-mandated tasks between 1993 and 2021. The dataset covers traditional and relatively new mandated tasks, such as those concerned with the enhancement of the rule of law and addressing climate change mitigation and counter-terrorism, respectively. To illustrate the usefulness of the data, this study investigates the effectiveness of the election-mandated task of United Nations Special Political Missions as an exit strategy of UN Peacekeeping Operations on democratisation. The results show that election-mandated tasks improve the quality of democracy. It helps unpack the mixed results of the UN’s effectiveness in enhancing democratisation in post-conflict countries, implying that its intervention matters through both peacekeeping and political mission mandates. This dataset helps researchers investigate the interactive effects of mandates and provides insights into the sequence of peacebuilding strategies. Wakako Maekawa (論文) Kana Inata &Wakako Maekawa “Do aid punishments work forever? Recipients’ incentives for partial democratization and timing of aid punishments after coups”, Democratization, Published online: 24 Apr 2025(査読有)DOI: https://doi.org/10.1080/13510347.2025.2493917 Abstract: Does the impact of aid punishments on recipient states’ democratization depend on their timing after a coup? In this study, we argue that to prompt donors to lift aid punishments, recipient governments improve multipartyism in elections to signal democratization without endangering their survival. However, prolonged punishment can weaken their motivation for such democratic reforms as these efforts need to be backed by the prospect of aid rewards. We test these arguments using the Organisation for Economic Co-operation and Development data from 1967 to 2016. We find that the effect of aid punishments on multipartyism diminishes as the time since the last coup increases. The results suggest that donor states can effectively promote partial democratization in coup-affected recipient states by strategically transitioning from aid punishments to rewards at an opportune moment after the coup. 髙田陽奈子(判例評釈) 「刑訴法を自由権規約に適合的に解釈し、通訳費用を被告人に負担させてはならないとした判決 [大阪高等裁判所令和6年9月3日判決] 」新・判例解説Watch36号(2025年)285-288頁(査読なし:招待)https://www.lawlibrary.jp/pdf/z18817009-00-090602557_tkc.pdf 概要:本判決は、原審が有罪となった中国人の被告人に対して通訳費用を負担させたことについて職権判断で検討し、刑訴法181条1号を、自由権規約14条3項(f)に適合的に解釈して、被告人に通訳費用を負担させてはならないと判示したものである。本評釈においては、刑事訴訟における通訳費用負担をめぐるこれまでの国内裁判例の展開について整理し、自由権規約14条3号(f)について国際法上の解釈手法を用いて解釈するとどうなるかについて詳説したうえで、自由権規約14条3項(f)の実施における本判決の意義について分析を加えた。 Nobuo Akai(著書) “Evidence-based policy making in Japan’s public expenditure: compatibility of fiscal health and investing for the future” Chapter 6, Reforming Capitalism, Going Digital and Green-Japan’s Approach, Edited By D. Hugh Whittaker, Yoshifumi Nakata Published March 27, 2025 by Routledge (2025年3月刊行)https://www.routledge.com/Reforming-Capitalism-Going-Digital-and-Green-Japans-Approach/WhittakerNakata/p/book/9781032986159?srsltid=AfmBOoqHShQmdrLu1zCYav3c86BQZbM9mkajMI3rqFG5rqIxFy4oGma7 概要:本稿では、日本におけるエビデンスに基づく政策立案(EBPM)の導入、特に岸田政権の「新しい資本主義のためのグランドデザイン」と「行動計画」の文脈に焦点を当てる。まず、日本におけるEBPMの導入と現状を概説する。EBPMは、主要業績指標(KPI)、政策評価、行政事業レビューの3つの柱から構成される。これらを評価し、米国および英国のEBPMと簡潔に比較する。次に、グランドデザインで提案されているグリーン変革のための投資と支出をEBPMの観点から評価し、潜在的な落とし穴を指摘するとともに、将来の日本における経済成長と持続可能性のための公共資源の賢明な活用を確保するために何をすべきかを考察する。これは、他国にとって参考となるであろう。 中嶋啓雄 (翻訳書) A・G・ホプキンズ(菅英輝、森丈夫、中嶋啓雄、上英明訳)『アメリカ帝国―――グローバル・ヒストリー』上・下、ミネルヴァ書房、2025年(原著:A. G. Hopkins, American Empire : A Global History, Princeton, N.J.: Princeton University Press, 2018)https://www.minervashobo.co.jp/book/b657466.htmlhttps://www.minervashobo.co.jp/book/b657467.html 概要:グローバリゼーションの進展とともに展開してきた合衆国の歴史、すなわち植民地から出発し、従属的独立国、国民国家、帝国を経て、脱帝国するまでの過程を描く。上巻は、イギリスへの従属から出発し、南北戦争を経て独立を達成、「島嶼帝国」を獲得し、やがて他国と同様に「帝国」として振舞うに至る過程。 合衆国が独立後もイギリスの「非公式帝国」の一部にとどまっていた時代、そして南北戦争を経て、近代国民国家として「真の独立」を達成する中、「島嶼帝国」を獲得し、西欧の他の帝国主義と同じように振舞う時期を扱う。下巻は近代帝国が絶頂期を経て、解体に向かう時期、存続の危機に直面しつつもいまだ帝国への野望を抱き続ける、その姿に迫る。近代帝国が絶頂期に達するとともに、解体に向かう時期を扱う。二つの世界大戦を経て、世界経済の構造変化、人権の重視、脱植民地化運動の拡大など、帝国存続の危機に直面しつつも帝国への野望を抱き続けるヘゲモニー国家として振舞うその姿に迫る。 赤井伸郎(その他の記事) 「EBPMに基づく法人税改革の検証と税制設計に向けて」 特集『 「わが国税制の現状と課題―令和時代の構造変化と税制のあり方―」の評価と検討』機関誌「税研」 240号  Vol.40 No.6 (2025年3月刊行)https://www.jtri.or.jp/books/detail.php?id=600 概要:法人税改革と税制の設計に関して、EBPMの視点から、試行分析を紹介するとともに、EBPMをより適切な法人税制の設計に活かすために必要なポイントをまとめている。 赤井伸郎(その他の記事) 「「臨時」の地方債、正常化を生かせ」『十字路』日本経済新聞(2025年4月10日付夕刊)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF257EQ0V20C25A3000000/?msockid=07cc35830fa26d800f6f21fb0e296c6d 概要:2025 年度予算では地方債の一つである臨時財政対策債(臨財債)の発行がゼロになる見込みだ。その名称からもわかるように、最初に発行された01年度には「臨時」の地方債と位置づけられたが、それ以来、およそ四半世紀にわたり発行が続いた。税収の伸びを背景に、ようやく役目を終えるかたちだ。臨財債は地方の財源不足をまかなうために発行されてきた。地方全体の借金と位置づけられているが、各地方自治体は将来の地方交付税を返済の原資と考えており、負担の認識は希薄だ。地方自治体は住民と行政サービスや街づくりの将来像を共有して、前例にとらわれずに、人口減少に合わせた歳出の効率化を進めないといけない。臨財債の発行がゼロになるという「正常化」が実現した今こそ、地方財政の持続可能性を高めることを考えないといけない。 山下拓朗(お知らせ) 2023年にTheoretical Economicsに発表した論文が同誌において、2023年のTop Viewed Articleの一つに選ばれました。 3月の研究業績でお知らせしたTop Cited Articleに引き続き、Top Viewed Articleにも認定されました。Theoretical Economicsは経済理論の分野において最も重要とされる学術雑誌のひとつであり、そこに掲載されることはその論文が非常に重要な研究業績であることを示しています。 “Optimal persuasion via bi-pooling”, Itai Arieli, Yakov Babichenko, Rann Smorodinsky, Takuro Yamashita, Theoretical Economics, Volume18, Issue1, First published: 21 January 2023https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.3982/TE4663?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_campaign=807786_AT_Top_Viewed_Authors_Mar25
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2024年度 OSIPP 海外インターンシップ・海外調査奨学金 報告会

OSIPPの国際交流委員会では、学生に海外での国際公共セクターの実務経験の獲得を奨励し、現場感覚を持った国際公共政策の研究者や実務家を育成することを目的として、学生の「海外インターンシップ」を助成してきた。2024度からはインターンシップだけでなく実地調査についても助成の対象としている。2024年度は3名の学生が奨学金で海外現地調査を行った。その成果報告会は、オンラインで2025年3月24日に英語で実施された。はじめに、本プログラムの担当教員の一人であるHawkins教授から挨拶があった。その後、報告者からの発表が行われた。 ・山本葉月さん: シエラレオネ (海外調査プログラム参加) 博士前期課程1年の山本さんは、現在はOSIPPのダブルディグリープログラムに参加し、オランダのグローニンゲン大学に留学中である。今回、海外調査でシエラレオネに赴き、現地の大学での10日間のプログラムに参加したことについて、「このプログラムでは実地調査の実践とその倫理を学んだ。調査を行う際に、自分のポジショナリティ(立場性)について認識することが大事だと学んだ」と述べた。 ・JARAMILLO ABAD Gleymang Yubertさん : ペルー (実地調査) 博士後期課程1年のJARAMILLOさんは、今回の実地調査で、政府機関、私的機関と市民団体などの12機関、37人にインタビューを行った。JARAMILLOさんは自身の研究で計量的手法も用いるが、インタビュー調査のような質的手法も用いている。「両方の手法を組み合わせることで、より深くトピックについて観察できる」と話した。 ・Nguyen Phuong Thaoさん: ベトナム (実地調査) 博士後期課程1年のNguyenさんは、メディア関係者、行政や関連分野に携わる専門家も含めて10人にインタビューを行った。インタビューの回答は多様であり、各専門家の職業的背景がその違いに影響を与えていたとのことだった。今後も継続的に専門家との対話を行い、研究をさらに深めていくとのことだった。 報告者の発表後には活発な質疑応答が行われ、本プログラムが助成した調査の内容とその展望について語られた。報告会には多くのOSIPPの教員も参加しており、鋭い質問が投げかけられる場面もあった。 外国を対象とした研究を行う学生が多いOSIPPでは、海外でのインタビュー調査を研究手法の一つとして考える学生もいる。しかし、海外渡航には多額の費用がかかるため、経済的な負担が大きな課題となる。このプログラムは、そうした学生を支援し、OSIPPに所属する学生の調査手法の幅を広げる貴重な機会を提供するものである。今後、海外でのインターンや調査を検討している学生は、ぜひ今年度の申請を考えてみてほしい。(学生の学年は2024年度のもの) (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
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山下教授の論文がTop Cited Article の一つに選ばれる

山下拓朗教授が、2023年にTheoretical Economicsに発表した論文“Optimal persuasion via bi-pooling”が、2023年中に同誌に発表された論文のなかで引用された回数がTOP10の一つだったと発表がありました。 “Optimal persuasion via bi-pooling“Itai Arieli, Yakov Babichenko, Rann Smorodinsky, Takuro YamashitaTheoretical Economics, Volume18, Issue1 First published: 21 January 2023 さらに、この論文はTop Viewed Articleにも選ばれています。 Theoretical Economicsは経済理論の分野において最も重要とされる学術雑誌のひとつであり、そこに掲載されることはその論文が非常に重要な研究業績であることを示しています。
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2025年3月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の3月の研究業績をご紹介します。 ・赤井伸郎 先生 ・二杉健斗 先生・石瀬寛和 先生 ・山下拓朗 先生 赤井伸郎(著書)赤井伸郎、上村敏之、亀田啓悟 編著『財政学・公共経済学の発展と展望』関西学院大学出版会(2025年2月刊行)http://www.kgup.jp/book/b658798.html 概要:関西で公共経済学・財政学を研究する研究者が集まって開催されている関西公共経済学研究会の20周年を記念して行われた記念講演会の講演録を編集した書籍である。講演では、日本を代表する研究者に、これまでの公共経済学・財政学の発展と、今後の展望について、各トピックごとに講演していただいた。この講演録は、若手研究者にとっても、今後の研究を考える上で役立つものであり、必読の書である。 二杉健斗(判例評釈)「投資協定仲裁判断例研究(174)ICSID条約廃棄後の仲裁申立てに関して仲裁管轄権が肯定された事例 」『JCAジャーナル』72巻3号(2025年3月)30-36頁 概要:Smurfit Holdings B.V. v. Bolivarian Republic of Venezuela(ICSID Case No. ARB/18/49)Final Award(2024年8月28日)の判例評釈である。本件は、ベネズエラが2012年にICSID条約を廃棄(脱退)してから6年が経過した後にオランダ・ベネズエラBITに基づき仲裁が申し立てられた事案である。仲裁廷(多数意見)は、ICSID条約72条により、BITのもとでベネズエラが行った仲裁申込みの効力がICSID条約の廃棄後も存続するとして、仲裁管轄を肯定した。本評釈は、多数意見の72条の解釈にはICSID条約とBITとの混同が見られ、必ずしも適切に根拠づけられていない点を批判的に指摘している。 石瀬寛和(その他の記事)「『ひのえうま』の出産 迷信気にかけぬ空気が大切」中國新聞(2025年3月12日)中國新聞デジタル版:https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/609893 石瀬寛和(その他の記事)「丙午うまれ、男女比の歪み抑制 堕胎と間引き戒めた浄土真宗」中外日報(2025年2月21日) 山下拓朗(お知らせ)山下教授の論文がWiley Top Cited Articleの一つに選ばれました。 山下拓朗教授が、2023年にTheoretical Economicsに発表した論文“Optimal persuasion via bi-pooling” (Theoretical Economics, January 2023, Volume18, Issue1)が、2023年中に同誌に発表された論文のなかで引用された回数がTOP10の一つだったと発表がありました。 Theoretical Economicsは経済理論の分野において最も重要とされる学術雑誌のひとつであり、そこに掲載されることはその論文が非常に重要な研究業績であることを示しています。 “Optimal persuasion via bi-pooling”, Itai Arieli, Yakov Babichenko, Rann Smorodinsky, Takuro Yamashita, Theoretical Economics, Volume18, Issue1, First published: 21 January 2023https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.3982/TE4663?utm_campaign=807449_AT_Top_Cited_Authors_Mar25&utm_medium=email&utm_source=sfmc
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2025年度OSIPP入学オリエンテーション

2025年度OSIPP入学オリエンテーション 2025年4月3日(水)、満開の桜に迎えられ、OSIPPに入学する博士前期課程・博士後期課程の学生を対象に入学オリエンテーションが実施された。会場は豊中総合学館302講義室で、オンラインとのハイブリッド形式により開催された。参加者の多くは緊張した面持ちだったが、新たな学びの場へ踏み出すことにワクワクしている様子だった。(写真:大槻恒裕研究科長による挨拶) 冒頭では、本年度より研究科長に就任した大槻研究科長からのメッセージが述べられた。OSIPPには、多様なバックグラウンドを持ち、特定の分野にとらわれず独創的なテーマに取り組む学生が集っている。そうした環境においては、互いに切磋琢磨し、自分とは異なる多様な考え方に耳を傾けながら議論を深めることが重要であるとした上で、「生涯の友人を得るとともに、世界をリードする存在に育ってほしい」と学生たちを激励した。 続いて、教務委員長の河村倫哉教授からはカリキュラム・研究倫理・学生生活・人権問題について説明があった。さらに大槻研究科長から、昨年度より始まった人文社会科学系オナー大学院プログラムについての説明と、本年度以降に入学した博士後期課程の学生が所定の要件を満たせば、経済学または法学の学位を取得できるようになるという制度変更についての説明があった。[1] また、法学系、政治学系、経済学系科目の履修上の留意点についての説明も行われた。特に松林哲也教授からは経済学系科目に関する詳細な説明があり、学生たちは熱心に耳を傾けていた。 オリエンテーション終了後には、留学生を対象とした別途説明会も開催された。初めて日本で生活する学生の不安に寄り添い、気軽に相談できる体制が整っていることが強調された。また、国際交流委員会主催で、本年度初のInternational Cafeも実施された。自己紹介に加えて、サークル活動や入学後の手続きに関する話題が続き、終始和やかな雰囲気に包まれていた。 その後、OSIPP院生会主催の懇親会が開かれた。一日を通じて打ち解けた新入生たちは、専攻分野を問わず積極的に交流を深めていた。懇親会には在学生も多数参加しており、履修や学生生活について相談する新入生の姿も多く見られた。企画を担当した院生会レクリエーション係は「思ったよりも早く新入生が打ち解け、充実した時間になったと思う」と語り、会の成功に安堵した様子だった。 (OSIPP博士後期課程 辻本篤輝) [1] 詳しくはCOURSE HANDBOOK 2025 p.58~60を参照されたい。
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OSIPPの院生会とは?

大学院には院生会という学生組織があり、学部との大きな違いの一つです。OSIPPにも院生会があり、入学と同時に加入することになります。(写真は、2025年1月開催のピザパーティにて。前列右から二人目が大谷さん)院生会は、学生が共同で使用する設備や備品の管理を行うほか、親睦を深めるためのイベントの企画・運営など、大学院生活をより充実させる役割を担っています。組織運営は主に博士前期(修士)課程2年次の学生が中心となって行います。今回は2025年度の院生会で会長を務めている阿部翔弥さん、副会長の大谷理化さんと倉本圭一郎さんにお話を聞きました。 どういう組織運営をされていますか。 2025年度は12名の幹事で運営しています。役職には、会長、副会長、および各種担当係があります。各ゼミから原則として1名ずつ(複数名でも可)代表者を選出して組織を構成しています。 院生会の目的や役割を教えてください。院生会は、研究棟内の設備を学生の自主性のもとで管理することを目的とし、学生からの会費で運営されています。具体的な活動内容としては、交流イベントの開催、院生室の机・棚・ロッカーの管理、共有スペースの清掃、さらには持ち主不明の物品の処分に至るまで、多岐にわたる管理業務を行っています。写真は、今年3月に院生会が実施した大清掃の様子です。 OSIPPの院生にとって院生会があるメリットは何ですか。院生会は、学生自身が主体となって充実した学生生活を築き上げるための組織だと考えています。同世代の多くはすでに社会に出て働き、責任を持って活動しています。私たちはまだ学生という立場ではありますが、自分たちの学びの場である院生室を、職場のように意識し、適切に管理していくことが重要だと考えます。そして、その役割の中心となるのが院生会です。 また、本研究科には約80名の修士課程の学生と、約20名の博士後期(博士)課程の学生が在籍しており、院生会は交流の場を提供する役割も果たしています。イベントなどを開催することで学生同士が交流し、お互いの興味関心について話すことで新たな刺激を受け、研究のアイデアが生まれることもあるかもしれません。 院生会の幹事をされていて大変だったことはありますか。 (阿部)大変なのは、かなり忙しくなることです。例えば、今年の1月にピザパーティーを開催しましたが、学期末ということもあり非常に忙しく、準備が大変でした。しかし、一緒に幹事をしているメンバーも非常に協力的なので、一人の負担はそこまで大きくはありませんでした。また、イベントの準備や大掃除も幹事同士で楽しみながらやっているので、良い息抜きにもなります。大変なこともありますが、それ以上に楽しいのが院生会の活動です。(大谷)院生会でイベントやオリエンテーションの準備を進める際には、12人の幹事と情報を共有しつつ、分担した役割を遂行するところに大変さを感じることもあります。しかし、丁寧に進行することで、最終的には効率よく運営できていると感じています。副会長としては、会長のサポートや、担当が明確でないタスクに対応することが主な役割です。そのため、院生会やOSIPP全体の動きに常にアンテナを張っておくことを意識しています。(倉本)ときには調整が必要な場面もありますが、みんなで声をかけ合いながら、チームワークよく活動しています。院生会の幹事同士の仲も良く、楽しく取り組めています。OSIPP院生のみなさんが、より快適に、安心して学び・交流できる環境づくりを目指しています。これからも、気軽に頼ってもらえる存在でありたいと思っています! 今年度はどんな活動をしていく予定ですか。大清掃は年度末に実施しましたが、今後は、新入生を歓迎する親睦会の開催や毎年行われているOSIPP所属学生全体でのBBQイベントの開催を予定しています。OSIPPは約半数の学生が留学生で、イベントは国際交流の場所にもなっています。 OSIPP院生の皆さんや・入学に興味のある方に伝えたいことはありますか。 (阿部)OSIPP院生の皆さんには、日頃から院生会の活動に理解を示してくれているので非常に感謝しています。また、院生会の幹事でなくても、積極的に手伝ってくれる方がいるのも、OSIPPの素敵なところだなと感じています。これからも皆さんの学生生活が少しでも快適で楽しいものになるよう、院生会としてできる限りサポートしていきたいと思います。大学院進学に興味のある方に伝えたいOSIPPの魅力はたくさんありますが、学生生活という観点に絞ると、専門分野や学年に関係なく院生同士の仲が良いことが一番の魅力だと思います。大学院での生活は往々にして大変なことがありますが、それでも学生生活が楽しいと思えるのは、この「仲の良さ」が故だと思います。「みんなと楽しみながら頑張りたい!」 そう思っている人に最適な環境です。(大谷)OSIPP院生の皆さん、いつもありがとうございます。院生会の活動はもちろん、それ以外の場面でも気軽に応じてくれる環境に感謝しています。OSIPPに興味のある方、この研究科では多彩な個性とバックグラウンドをもつメンバーに囲まれながら、自分自身の興味や関心を深めていくことができます。視野を広く保ち、学際的な視点から研究や学生生活に励みたい人にはぴったりだと思います。(倉本)OSIPP生の皆さんへ:いつも院生会の活動にご協力いただき、ありがとうございます。今年も、皆さんと一緒に楽しいイベントを企画・実施できればと思っています。アイデアやご意見があれば、ぜひ気軽に教えてくださいね。入学を検討されている方へ:OSIPP(大阪大学大学院国際公共政策研究科)には、日本全国はもちろん、世界中から多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっています。国際的で刺激的な環境の中で、日々、学びと研究に励むことができます。勉強だけでなく、人とのつながりや新しい経験を通じて、充実した大学院生活を送ることができますので、ぜひ一度、ご検討いただければ嬉しいです。キャンパスでお会いできるのを楽しみにしています! (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
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退任挨拶- 中嶋啓雄 第14代OSIPP研究科長

2023年4月より2年間にわたり、国際公共政策研究科長を務めた 中嶋啓雄先生(OSIPP教授) からの研究科長退任のご挨拶です。 謹啓 春陽の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて 私儀 この度、3月31日をもちまして国際公共政策研究科長を退任いたします。2年間の在任中(2023年4月~2025年3月)、公私にわたり、一方ならぬご懇情を賜り篤く御礼申し上げます。 私が研究科長に着任した2023年4月は、新型コロナ感染症の分類が5類に移行する直前で、コロナ禍が収束に向かい、ようやく通常の生活が戻りつつありました。その後、国内のみならず海外での調査やインターンシップ、さらには交換留学等、学術交流が尻上がりにコロナ禍前のような活況を呈するようになった2年間であったように思います。その一方、戦争や紛争の継続、国内外の政治状況の流動化、過度な円安や物価高、法の支配の動揺等、解決が必ずしも容易ではない様々な問題も浮上して参りました。こうしたなかで、OSIPPの研究・教育がそれらの難題の解決に少しでも繋がることを祈念いたしまして、退任の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。                          謹白 中嶋啓雄(2025年3月27日)
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2024年度 OSIPP学位記授与式

おめでとうございます!! 2025年3月25日、法経講義棟棟にて令和6年度学位記授与式が開催され、博士前期課程32人、博士後期課程4人の計36人が本研究科を修了した。(写真:優秀学位論文賞受賞者の一人である井筒穂奈美さん) まずは、中嶋啓雄研究科長からOSIPP修了生に学位記が授与され、その後、今年度の優秀学位論文賞の受賞者に賞状が授与された。中嶋研究科長は祝辞の中で「思いがけないつながりによって新しい世界が開けることもあるので、OSIPPでの友人など、これまで出会った人との絆を大事にしてほしい」と述べた。 修了生のみなさん、おめでとうございます!皆様の更なる飛躍と今後のご活躍をお祈り致します。 (OSIPPライブラリー)
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【My Favorite】山下拓朗 教授「アガサ・クリスティーの小説」

【My Favorite】このシリーズでは、OSIPP教員の“推し”をご紹介します。 山下拓朗 教授「アガサ・クリスティーの小説」 私の推しは「アガサ・クリスティーの小説」です。記憶の端にクリスティーが登場するのは私自身のアメリカ留学時代、それは空港の入国審査の列に並んでいた時のことです。まったく進まない列、飛行機の中で思うように眠れず疲れ切った頭と体。この苦行を淡々とこなすための秘策が、クリスティーの小説でした。夏冬の長期休暇のたびに新しく買った文庫本は、私のパスポート・スタンプとともに増えていきました。 なぜ、クリスティーなのか。推理小説とはいえ、本格派のミステリーが好きな人には眉を顰められそうな要素もあります。現代の推理小説作品に比べれば、ディテールやコンテクストがすっきりとし過ぎているかもしれません。私も、かつては本格派や現代の作品たちにも手を出したことがありました。しかし、これらの作品は私には重すぎるのです!もちろん物理的な重さではなく、心理的な重さ、読者に要求されるコミットメントの大きさです。例えば、本格派と呼ばれる作品は、推理小説のパズル的な側面を重視しますので、それを楽しむには神経を研ぎ澄ましながら読み、かつ思考するという作業を求められます。また、現代の作品のディテールは、私をその世界にどっぷりと引き込み、読み終えるまで、ときに読み終えても、そこから離してくれません。ともに「読み応えのある本」のよい条件ですが、その分、重い。10時間超のフライトを終え、ほとんど眠れず、いままた入国審査を待つ長蛇の列の最後尾に立ったのです。こんなときに、読み応えのある重い本を…いやいや読みたくない!読みたくないでしょう! そうなのです。クリスティーはそこが、とてもほどよい加減なのです。心和やかに読める、そこに私は惹かれるのでしょう。私はクリスティーの小説たちを「牧歌的推理小説」と呼ぶことを提唱したいところです。魅力的なキャラクター、軽妙なセリフの応酬、トリックの絶妙な混み入り具合、こういう要素があってこそ、牧歌的推理小説は成立します。半分ぼけーっとしながら、でも面白く話の筋を追える。なるほど、そういうことだったのかと読み終えているのですが、少し時間が経つと、その内容についての記憶がなくなってるのです。そしてまたそのうちに読み返す。作品の数も多いので、次に同じ作品に戻ってくるのは早くても数年後。そのときにはすっかりその話の犯人とトリックを忘れて、また楽しく読めるのです。そうです、クリスティー作品の無限ループの完成です。 私自身、クリスティーの作品は何度も読み返しています。クリスティーのメインキャラクターを紹介すると、代表的なのはエルキュール・ポアロ、そしてジェーン・マープル。あとはトミーとタペンスという夫婦の作品と、一話限りのメインキャラクターたちです。ポアロ作品群の中での私のおすすめは「ポアロのクリスマス」、マープルでは「バートラム・ホテルにて」、いずれも牧歌度に応じた選出です。でも、読み返したくなる度合いで言うと「五匹の子豚」でしょうか。犯人もトリックもわかっていながら、ラストの犯人の表情を想像したいがために、何度も初めから読んでしまう作品です。妻のおすすめは「ナイルに死す」、長女のおすすめは「招かれざる客」だそうです。逆に初めての読者にはあまりおすすめしないものとしては、(どれも面白くて好きなのですが)「カーテン」「ねじれた家」「アクロイド殺し」あたりでしょうか。いずれも、ある程度牧歌的世界に慣れた後でのスパイスとして読んでいただくのがよいかと思います。 ある夕暮れ、雨音を微かに聞きながら、暖かい部屋で一人掛けソファに身を沈め、すでに何度となく読んだ作品のページをめくる。私は「ああそういえば、こういう展開だった…ところで今日は雨の中外出しなくてほんとに良かった」と心の中でつぶやきながら、カフェオレを啜る…なんていう贅沢な時間を過ごしてみたいですネ。でも、次にポアロを読むのは、結局また入国審査の列だったりして…。
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2024年度 「優秀学位論文賞」受賞者発表!

当該年度に提出されたすべての課程博士論文及び修士論文を対象に、それぞれ優秀学位論文が発表されました。 優秀学位論文の選考はOSIPP優秀論文選考委員会が行い、教授会が選考委員会からの推薦をうけて下記のとおり決定されました。 優秀学位論文賞受賞者には、OSIPP学位記授与式にて賞状が授与されます。受賞者の皆さん、おめでとうございます!
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 上村敏之, 亀田啓悟 編著『財政学・公共経済学の発展と展望』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 上村敏之, 亀田啓悟 編著『財政学・公共経済学の発展と展望』(関西学院大学出版会、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー
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2025年2月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の2月の研究業績をご紹介します。 ・小原美紀 先生  ・山下拓朗 先生・大久保邦彦 先生 ・赤井伸郎 先生・二杉健斗 先生  ・中嶋啓雄 先生 Miki Kohara(論文)Miki Kohara and Mao Nakayama, “The impact of childcare on maternal employment,” Pacific Economic Review, December 2024, Vol.29, Issue 5, pp.542-566.(査読あり)https://doi.org/10.1111/1468-0106.12459 Abstract: This paper re‐examines the impact of childcare availability on maternal employment in Japan, focusing on the period when childcare centre availability increased dramatically due to government policies in the 2010s aimed at boosting women’s labour participation. We use data tracking mothers’ employment status after childbirth, merging administrative data on the availability of both standard and nonstandard childcare centres. This is linked to each respondent via location identifiers based on their residential city and the nearest train station. The findings first show that an increase in unlicensed/nonstandard daycare availability significantly raised the proportion of mothers who return to work by the time the child reaches the age of three, particularly in areas with limited access to licensed/standard centres. Secondly, the effects may vary depending on the services offered by the centres. The results suggest that nonstandard centres, often more conveniently located and offering varied services, better meet the needs of working mothers, leading to higher employment rates. This research emphasizes that government efforts to expand childcare options in the 2010s may play a crucial role in promoting maternal labour‐force participation in Japan. Takuro Yamashita (論文)Daniil Larionov, Hien Pham, Takuro Yamashita, Shuguang Zhu, “First Best Implementation With Costly Information Acquisition”, Journal of Economics & Management Strategy,First published: 29 January 2025(査読あり)https://doi.org/10.1111/jems.12628 Abstract: We study mechanism design with flexible but costly information acquisition. There is one principal and four or more agents, who share a common prior belief over a set of payoff-relevant states. The principal proposes a mechanism to the agents, each of whom can then acquire information about the state by privately designing a signal device. As long as it is costless for each agent to acquire a signal that is independent of the state, there exists a mechanism that allows the principal to implement any social choice rule at zero information acquisition cost for the agents. 大久保邦彦(論文)「相続の根拠」『阪大法学』第74巻第5号(2025年1月)https://doi.org/10.18910/100307 概要:本稿では、「相続の根拠」「相続制度の必要性」という項目の下で論じられる諸問題に検討を加え、相続制度の背後に控えている法原理を明らかにしようと試みた。最初に、相続制度否定論として、ソビエトにおける相続廃止の社会実験(相続廃止布告)、法哲学者・森村進の見解、哲学者・ハズレットの見解に検討を加え、次に、「相続の根拠」に関する従前の学説(意思説・清算説・扶養説・取引安全説・公益説)を概観した。以上の考察を踏まえ、相続制度を否定した場合にどうなるかについて、積極財産と消極財産に分けて思考実験を行った。その結果、相続制度の廃止は弊害が大きく、現実的な選択肢としては採りえないという結論に達した。結論的には、本稿は、相続法の主目的を、取引安全のために遺産管理機構を設置することに求めているが、従前の学説の中では、取引安全説に最も近い。 赤井伸郎(著書)赤井伸郎、沓澤隆司、竹本亨『都市における空間経営の財政学 — コンパクトシティがもたらす持続可能な自治体運営』(2025年02月刊行)https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641166400 概要:都市のコンパクト化が財政や住民の行動・健康に対してもつ効果,そして地域の政策がコンパクト化に及ぼす影響について,実証的に解明する書物。新型コロナウイルス感染症や人口減少の影響など多様な論点も解説する,コンパクトシティを考えるための基本書。 Kento Nisugi (書評)“Book Review: Corporate Environmental Responsibility in Investor-State Dispute Settlement: The Unexhausted Potential of Current Mechanisms, by Tomoko Ishikawa. Cambridge and New York: Cambridge University Press, 2023. Pp. xxxix, 302.,” Japanese Yearbook of International Law, Vol. 67 (2025) 489-492. Abstract: This book review critically examines Tomoko Ishikawa’s Corporate Environmental Responsibility in Investor-State Dispute Settlement, highlighting its analysis of the untapped potential of counterclaims in holding investors accountable for environmental misconduct. The review commends Ishikawa’s thorough legal and empirical research, including her quantitative study of 1,000 investment agreements, which challenges the assumption that counterclaims are largely unfeasible. While recognizing the book’s valuable insights into jurisdictional hurdles and investor obligations, the review also discusses its limitations, particularly the structural constraints of the investment law regime. It concludes that Ishikawa’s work is a significant contribution to legal scholarship, offering both theoretical depth and practical reform proposals. 中嶋啓雄(書評)書評:「森口(土屋)由香・川島真・小林聡明編『文化冷戦と知の展開――アメリカの戦略・東アジアの論理――』(京都大学学術出版会、2022年)」『西洋史学』第278号(2024年12月)、89~91頁 概要:国際共同研究の成果である上掲書の学術的意義を論じ、若干の課題を指摘している。
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 沓澤隆司, 竹本亨 著『都市における空間経営の財政学 : コンパクトシティがもたらす持続可能な自治体運営』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 沓澤隆司, 竹本亨 著『都市における空間経営の財政学 : コンパクトシティがもたらす持続可能な自治体運営』(有斐閣、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら
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教員紹介:川窪悦章 講師

2024年8月1日付で講師として着任した川窪悦章先生にインタビューを行いました。川窪先生は国際経済学、環境経済学、公共経済学、開発経済学を専門としています。東京大学で経済学の修士号を取得したのち、イギリスのLondon School of Economicsで経済学の博士号を取得しました。 川窪先生が研究者を目指したきっかけを教えてください。 学部3年次から開発経済学とゲーム理論のゼミに所属しました。開発経済学のゼミでは、フィリピンやタイへフィールドワークに行き、教科書的な理解にとどまらず、経済学を現地の経済活動に当てはめて考えることを学びました。 先輩や同期を含めて、学部生の頃から大学院のコアコースと呼ばれる科目の講義を受講する学生が周りにいたこともあり、大学院に進学してもう少し専門的に経済学を学びたいと考えるようになりました。また、修士課程まで国内で過ごして、博士課程からは欧米に留学する先輩が多かったことに感化され、修士2年次に海外のPh.D.プログラムに出願して、博士1年次の夏からイギリスに留学しました。 これまでに研究されてきた内容を教えてください。 サプライチェーンに関する研究で、2011年の東日本大震災に注目して、被災地に取引先がいた企業とそうでない企業を比較して、企業がどのようにサプライチェーンを再構築したのか、またそれにより負の影響をどこまで免れることができたのかを分析しました。その結果、特殊な部品の仕入れなどを被災地の取引先に頼っており、被災地に結びつきの強いサプライヤーを有していたような企業は、ほかの企業からの仕入れに移行することが難しく、生産活動が阻害されてしまったということがわかりました。この分析結果からは、サプライチェーンのレジリエンス(強靭性)には、状況に応じた迅速な取引ネットワークの組み替えが肝要であることが示唆されています。 その研究の魅力を教えてください。 1990年代以降、日本企業は生産拠点をコストの低い地域に配置し、部品や原材料の安価な調達による生産性向上に努めてきましたが、2020年ごろからは気候変動や地政学的な理由によるサプライチェーンのリスクと不確実性が顕在化しています。このリスクは今後一層高まることが予想されており、いざという時に取るべき対策や政策を検討するには各種のデータの詳細な分析が急務です。そのために、私の研究のようなサプライチェーンのレジリエンス(強靭性)に関するエビデンスの提供が重要であり、魅力を持っていると考えています。 どういう経緯でこの研究分野を選ばれたのでしょうか。 元々は開発経済学に興味があり、Ph.D.留学時にもそのテーマで研究をしようとしていました。色々な研究テーマを考える中で、特に発展途上国の税務データを利用して研究を行いたいと考えて対象国の政府高官と交渉を行い、2020年1月からプロジェクトを始める予定でした。 しかし、その頃全世界的にコロナのパンデミックとなり、人の移動も停滞して、当初のプランは立ち行かなくなりました。そこで大きくテーマを変える必要が生じ、運良くアクセスできた日本のデータを用いて研究を行うことにしました。当然、予定していた研究環境のセッティングや使用するデータは大きく異なりましたが、そもそもサプライチェーンにも興味があったので、この研究を進めることにしました。 その後、奇しくもパンデミックやその後の世界情勢により、サプライチェーンへの関心が高まってきたので、この研究テーマを選んだことは間違っていなかったと思っています。 研究テーマを変えるという非常に困難なPh.D.留学生活だったと思うのですが、他に思い出はありますか。 2016年からイギリスに留学したのですが、その年にはイギリスのEU離脱が国民投票で可決され、またアメリカではトランプ大統領が誕生しました。今から考えると、社会的に不安定な要素が多い時期だったと思います。さらに、2020年にコロナのパンデミックがあり、規制が厳しかったイギリスでは家の中ばかりで過ごしていた時期もありました。パンデミックが落ち着くと、次はロシアとウクライナの間での戦争が起こり、ヨーロッパでは政情不安に陥りました。こうした激動の時代を過ごした点で、なかなか珍しい経験をした留学生活だったと思います。 学生へのメッセージをお願いします! 特に最近は、研究職だけでなく、社会的にも大学院を修了した人材が求められていると思います。学問の世界に進むとしても政府・民間企業に就職するとしても、様々な機会が広がっているので、限界を決めずに色々なことに挑戦しながら、充実した大学院生活を送ってもらいたいと思います。勉強や修士論文の執筆など、大変なこともあると思うのですが、同期の学生らと協力し切磋琢磨しながら、楽しく過ごせるといいと思います。研究について悩んだときは、アドバイザーの先生に相談することで突破口を開けることもあります。研究分野の選択で説明したように、完全に自分ではコントロールできない要因で計画の変更を求められることもありますが、そういった時にもくじけずに、代替案を考えて、トライを続けていってもらえればと思います。挑戦を続けていると、意外なところで上手くいくこともあります。 先生のお話を聞いて 川窪先生へのインタビューを通じて、壁にぶつかっても諦めずに挑戦し続けることや、失敗を補うための第二の選択肢を事前に用意しておくことの重要性を学びました。また、筆者は先生に対して常に落ち着いた印象を持っていますが、それは激動の博士課程生活を経験されたからこそ培われたものなのかもしれないと感じました。不測の事態が起こり得る現代において、冷静さを保ちながら自分のやりたいことを見据えて生きることの大切さを改めて実感しました。 (OSIPP博士前期課程 奥野愛理) ****講師 川窪 悦章研究テーマ:サプライチェーンの脆弱性とレジリエンス・企業の生産性専門分野:国際経済学・組織の経済学・公共経済学学位:博士(経済学)(LSE, UK) <代表的な業績>1. “Do Supply Chain Disruptions Harm Firm Performance? Evidence from Japan,” with Takafumi Suzuki. 2024. Working paper.2. “Do Well Managed Firms Make Better Forecasts?” with Nick Bloom, Charlotte Meng, Paul Mizen, Rebecca Riley, Tatsuro Senga, and John Van Reenen. 2021. NBER Working Paper 29591. <研究内容に関する記事:東洋経済オンライン>「海外事例にみる消費税、租税回避行動を抑制か 政策立案にデータ分析の活用を」(2019/9/6配信)「データから見る、サプライチェーンの「強靭化」 震災後の「取引ネットワーク組み替え」を分析」(2024/5/29配信)
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教員紹介:宮野紗由美 准教授

2024年9月に准教授として着任した宮野紗由美先生にインタビューを行いました。宮野先生は、東京大学法学政治学研究科修士課程を卒業後、アメリカのプリンストン大学で博士号を取得しました。国際政治経済学を専門としています。 国際政治経済学とはどんな出会いだったのでしょうか? 学部時代に、授業やトロント大学への交換留学を通して「政治と経済が交錯する」領域に強い関心を持ったことが、私が専門としている国際政治経済学との出会いです。国際政治経済学とは、政治と経済の相互作用を意識しながら、国際関係の事象を分析する政治学分野の学問です。扱う対象は貿易や投資から開発援助、移民、環境問題など多岐にわたります。オンラインインタビューの様子(上:宮野先生・下:筆者) 研究者を目指したきっかけのようなものはありますか? もともと政治学と国際関係論に興味があったことと、それに加えて学部時代のゼミで経験した、自分で問いを立て、仮説を導き、それを検証するにふさわしいデータを探して分析することで、この世の誰も知らなかったことを明らかにする、というプロセスが大変面白く、もっと続けたいと思うようになりました。周りには優秀な人が多かったので「こんな自分が研究の道を志していいのか」と大学院への進学はとても迷いましたが「研究したいことがあるのならば(大学院に)来ればいい」と言ってくださった教員の言葉に感化され、あれこれと思い悩まずに先のことは後から考えればいいや、との思いで進みました。 これまでの研究について教えてください。 私の研究テーマは国際政治経済学で、大きく二つの柱に分かれます。第一のテーマは、国際機関がどのように情報や基準、政策提言を公表しているのか、そしてその過程に対して各アクターがどのように政治的影響を与えているのか、という点です。例えば、エネルギー政策分野においては、将来のエネルギー予測や政策提言などが国際エネルギー機関(IEA)をはじめとして様々な機関から発行されています。このような場合に国際機関の間でどのような相互作用があるのか、その結果これらの機関が提供した情報は各国でどのように政治的に利用されているのか、という分析をしています。また、ISO(国際標準化機構)の標準策定における多国籍企業の影響についても研究しています。例えば、多国籍企業が国をまたぐ子会社ネットワークを通じてどのように標準化過程への影響力を行使しているのかを明らかにすることで、標準化の政治的側面に迫っています。 第二のテーマは、多国籍企業と国家の関係についてです。具体的には、広範なグローバル・バリュー・チェーン(GVC: 製品やサービスが複数の国にまたがって生産される過程で生まれる、国境を越えた付加価値の連鎖のこと)の下で企業がどのように政治的影響力を行使して国家や国際政治・経済活動に影響を与えているのかについて考察しています。特に、貿易協定への関与や地政学的リスクに対する企業の行動、さらには新興国の政策形成における企業の役割に注目しています。例えば、最近出版した論文では、ウクライナ危機が発生した際に、日本企業が企業としてとるべき行動(ロシアから撤退するか否か等)についてどう考えていたのか、またその過程で他国企業の行動はどう影響するのか、オンラインサーベイ実験を用いて明らかにしました。 研究の魅力や面白いところは何ですか? 国際政治経済学の魅力は、政治学的な視点から、国際協力・グローバル経済活動の裏にある政治構造や力学を解き明かそうとする点です。例えば、一見技術的に見える国際標準化が、実は非常に政治的なプロセスであることがあります。どの国やどの企業が影響力を持っていて、誰が利益を得ているのか。その背後にある構造や力学を解明することで、現代の国際社会における「政治と経済の交錯」を浮かび上がらせることができます。また、この学問の面白さは、扱うテーマの幅広さにもあります。国際貿易、エネルギー政策、グローバル企業など、現代社会の様々な側面に関連しており、日々変化する国際情勢と密接に関わっています。そのため、新しい問題について考え続けられるところも大きな魅力です。 これから学びを始める皆さんへオススメの入門書はありますか? 国際政治経済学に興味を持った方に、まずは以下の書籍をおすすめします。 “International Political Economy” by Thomas Oatley国際政治経済学の基礎が分かりやすく解説された標準書です。初心者でも読みやすく、専門的な理解への第一歩となる内容が詰まっています。 『国際政治経済』 飯田敬輔 著日本語で読める入門書として最適です。国際政治経済学の基本的な概念や歴史、現代の課題について学ぶことができます。 これらの教科書を手に取り、関心のあるトピックがあったら引用されている論文を手始めに、少しずつ専門的な論文に触れてみてください。先ほどお話ししたとおり、扱う事象が多岐にわたるので、きっと関心のあるテーマが見つかると思います。 研究者を目指す方へメッセージをお願いします 特に研究者を目指す女性へのメッセージになりますが、たとえ周りの人に反対されようとも、最初はあまり身構えずに研究活動や研究者のコミュニティを覗いてみてほしいと思います。文系の研究というと孤独なイメージがあるかもしれませんが、共同研究をしたり、執筆した論文を交換して議論したりするのが醍醐味でもあります。とはいえ日本の研究者の世界はまだまだ男性の方が多く、私自身、時には疎外感を感じることもありました。しかし、信頼できるメンターからのサポートを得たり、同僚とのコミュニティができたりすると、研究活動も楽しくなると思います。私自身はこの点で運が良かったです。OSIPPは日本の研究科にしては女性研究者が多く在籍しているので、学生さんも研究者を目指しやすい環境かと思います。「自分に研究ができるだろうか」と迷うことがあっても、興味や情熱があれば、ぜひ飛び込んでみてほしいです。 (OSIPP博士前期課程 金アンジェラ) ****准教授 宮野 紗由美研究テーマ:国際機構、貿易と海外直接投資の政治学専門分野:国際関係論(国際政治経済論)学位:Ph.D. in Politics(プリンストン大学) <代表的な業績>Davis, Christina L., Jialu Li, and Sayumi Miyano. 2024. “Peer Conformity and Competition Shape How Business Managers Evaluate Withdrawals from Russia amid the Ukraine War.” Proceedings of the National Academy of Sciences 121(37): e2406471121. doi:10.1073/pnas.2406471121. <個人サイト> https://smiyano.com/
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【OSIPP赤井研究室主催】公共政策実践セミナーシリーズ第3回「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」

「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」                        神戸市長 久元喜造氏 2025年1月20日、OSIPP棟6階会議室において、神戸市長の久元喜造氏による「神戸のまちづくりと人口減少時代の都市経営」が開催された。講義には、様々な学部や研究科の学生を始めとする約50名の参加者が集まった。(写真左:久元喜造市長) 久元市長は、多くの困難を乗り越え新たな都市開発を行いながら発展してきた神戸市について、都市開発の話題やこれまでの歴史を振り返りながら述べた。また、今後の神戸のまちづくりの在り方・方向性について論じた。久元氏は、まず、講義の冒頭から都市機能や茅葺民家など自然豊かな顔を併せ持つ神戸市の特色について述べた。神戸市は居留地や雑居地があり、異文化との融合、そして共生が行われてきた土地であると説明した。続いて、1919年に都市計画法が公布され、それ以降その法律を鑑みつつ、また、当時流行していたスペイン風邪によるパンデミックと戦いながら街づくりを行った経緯について話した。 次に、戦前から100万人都市となり、港湾の貨物取扱高は世界でも二番目の規模であった神戸市の昔から現在までの流れについて振り返った。特に阪神大水害、神戸大空襲、阪神・淡路大震災という苦難を、当時の状況やその苦境をどう乗り越えたのかについて述べた。また、住宅地が限られているため、山を削り土砂を海に埋め立てるなどして開発を進めた歴史についても触れた。 最後に、現在では人口減少の波に呑まれ、大都市経営としての問題解決に挑む神戸市について語った。特に、タワーマンションの規制についての内容に関しては重点的に述べ、その内容には学生の関心も高かった。タワーマンションが、経済学でいう外部不経済を多く発生させているという実態、そして都市としての持続可能性への懸念に繋がっていることや、学生の関心が高いコンパクトシティを連想させるような内容について触れた。残りの時間は質疑応答・意見交換に使われ、学生らが積極的に質問を行った。主に、自治体間連携や昨今の話題である神戸空港の国際化について議論が行われた。 筆者も神戸に縁があり、大変好きな土地である。今回のセミナーは神戸市長から直接対面で講演を聞くことができ、神戸市の施策における考え方など、学生がそれぞれの研究に活かせそうな議題が上がっていたので、参加者にとって有意義な時間であったのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 阿部克哉)
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【新刊:赤井伸郎教授】赤井伸郎, 宮錦三樹 著『教育の財政構造 : 経済学からみた費用と財源』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した赤井先生の新刊をご紹介いたします。 赤井伸郎先生 赤井伸郎, 宮錦三樹 著『教育の財政構造 : 経済学からみた費用と財源』(慶應義塾大学出版会、2025年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら
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2025年1月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の1月の研究業績をご紹介します。 ・赤井伸郎 先生 赤井伸郎(著書)赤井伸郎、宮錦三樹著『教育の財政構造──経済学からみた費用と財源』慶應義塾大学出版会(2025年1月刊行)https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766430066/ 概要:将来の人口減少下で日本の成長には人材育成としての教育の政策効果を最大化することが欠かせない。限られた資金をどのような制度の下で配分すれば、教育・研究の費用対効果を高められるのか。財政的・経済学的視点から国・地方自治体の責任主体別費用と財源の構造を明らかにし、効率的で公平な教育財政・資金配分制度を提案する。国および地方自治体の主体別支出と財源構造を明らかにした上で、どこに無駄があるのかを洗い出し、よりよい投資支出を考える上での土台を提供する。現在本書のような財政的(経済学的)視点を伴った教育投資分析を試みた書物は少ない。本書は、財政学の視点から、エビデンスおよび綿密なデータ分析を駆使しながらわが国の教育財政構造の実態を把握することを試みる。 赤井伸郎(その他の記事)「学生「年収103万円の壁」、議論は尽くしたか」『十字路』日本経済新聞(2024年12月26日付夕刊)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2031M0Q4A221C2000000/?msockid=07cc35830fa26d800f6f21fb0e296c6d 概要:19から22歳の子の親の税負担を軽くする特定扶養控除について、子の年収が103万円を超えると控除がいきなりゼロになる「学生の年収103万円の壁」が引き上げられることになった。学生がアルバイト収入を増やすことによるメリットは、金銭的余裕、就職やキャリア形成、労働力などある。しかし、デメリットとして、勉強時間減少、教育による人材育成の妨げを通じた、将来の日本の経済成長への負の影響もある。生活が苦しい学生むけには、給付型奨学金制度や授業料減免などの制度も存在する。個人的には学生を人手不足解消のための労働力と見なすことには違和感もある。
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【My Favorite】赤井伸郎 教授「クルーズ船による人材育成と地域活性化」

【My Favorite】このシリーズでは、OSIPP教員の“推し”をご紹介します。 赤井伸郎教授「クルーズ船による人材育成と地域活性化」 写真の船は、アジア最大級の客船MSCベリッシマ号で、「クルーズ客船を舞台とした取り組み」が私の”推し”です。クルーズ船は、海上に浮かぶ船でありながら動く巨大ホテルとなっており、世界最大の船は約1万人が船上で生活し、船上ですべて完結できる社会空間となっています。その規模の経済性と集積の経済性を追求し費用対効果の高いレジャーを提供するという、アメリカで生まれたクルーズ事業のビジネスモデルにも関心を持っています。私としては、目が覚めるたびに、窓の風景が変わっていることにも心が躍ります。 なお、この閉ざされた洋上空間は、集中して社会問題を議論する場所にも適しており、スマートクルーズアカデミーという、学生が参加し船上で社会問題をディベートするプログラムを企画し、10年が経ちました。2025年1月に第23期が旅立ちます。この企画は、人材育成を目指すという熱意に、多数の大学、船社、自治体、官庁の皆様が賛同してくださり、継続できております。さらに、クルーズ客船が日本の津々浦々の港に寄港することで、その地域が元気になります。各港の自治体の職員の船上研修プログラムも、スマートクルーズアカデミーがサポートしています。これらのプログラムへの総参加者は800名を超え、このアカデミーで育った人材は社会で活躍しています。
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