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【新刊:小原美紀教授】樋口美雄, 田中慶子, 中山真緒 編『日本女性のライフコース : 平成・令和期の「変化」と「不変」』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した小原先生の新刊をご紹介いたします。 小原美紀先生樋口美雄, 田中慶子, 中山真緒 編『日本女性のライフコース : 平成・令和期の「変化」と「不変」』(慶應義塾大学出版会、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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2023年11月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の11月の研究業績をご紹介します。 ・大久保邦彦 先生・二杉健斗 先生 大久保邦彦(著書)「共同不法行為論の開拓線」島村健・大久保邦彦・原島良成・筑紫圭一・清水晶紀 編『環境法の開拓線』第一法規株式会社(2023年11月)https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104778.html 概要:共同不法行為論は、公害・じん肺・アスベスト等に関する紛争に対処するために実務上、展開を重ねてきたが、理論的には混迷状態にある。本稿は、「ドグマーティッシュな基礎づけ」を重視するオーストリア法を参照して、共同不法行為論・因果関係論の基礎にある法原理を探求することを通して、日本法に対する示唆を得ることを目的とする。「不法行為の一般原則」によると、人は、自己の行為と因果関係が証明された結果についてのみ責任を負うと言われるが、制定法の評価によると、因果関係が不確実・不十分な場合にも責任が肯定されうる。この場合、オーストリアでは、動的体系論という方法論に依拠して、因果関係の薄弱さを重い責任非難(故意)や高度の相当性・具体的危険性によって補完することが説かれている。かかる構想は、法原理的基礎づけに関する議論が低調な日本の学説にとって、参照価値が高いと思われる。 二杉健斗(その他の記事)「学界回顧―国際法」越智萌・岡田陽平との共著『法律時報』95巻13号(2023年)197-206頁https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/9163.html 概要:『法律時報』の「学界回顧」は、法学分野の1年間の研究動向をレビューする記事であり、著者らの担当は2年目である。昨年度に引き続き、国際法(学)の有用性に対する疑問への応答が求められているとの問題意識から「実学としての国際法学」の動向を記述するべく、当該研究によりいかなる規範的・実践的問題が解決されたのかに特に注目して、日本の国際法学の研究を体系的にマッピングすることを試みている。特に露宇戦争に関しては、項目を別立てしてまとめている。
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2023年10月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の10月の研究業績をご紹介します。 ・赤井伸郎 先生・二杉健斗 先生 赤井伸郎(その他の記事)「地域社会の「スポンジ化」防げ」『十字路』日本経済新聞(2023年10月26日付夕刊)http://akainobuo.starfree.jp/jyu-ji-ro.html 概要:全国で日本人の人口が減少している。スポンジ化しているため、実感がわきにくいが、ひとつの県が毎年なくなるほどのペースである。地域の社会課題に対応していくためには、地域コミュニティーの維持が欠かせない。地域を圧縮して人口密度、交流密度を挙げていくことが望ましい。 Kento NISUGI(Discussion Paper)“Piercing the ‘National’ Veil of State-Backed Investors in ICSID Arbitration: Beyond Broches Test and ARSIWA” DP-2023-E-003(24 October, 2023)https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2023/DP2023E003.pdf Abstract:Amidst the rising influence of State-owned enterprises and sovereign wealth funds, the eligibility of State-backed investors to claim standing as a claimant before an ICSID tribunal emerges as a significant point of contention. The established ‘Broches test’ suggests that State-ownership per se does not disqualify an entity from being a ‘national’ under Article 25 of the ICSID Convention. However, the ambiguities inherent in its content and legal authority have yielded varied interpretations. A newer perspective suggests relying on attribution standards reflected in the Articles on Responsibility of States for Internationally Wrongful Act (ARSIWA) for guidance. This article examines critically these prevalent approaches and obstacles to the transplantation of ARSIWA’s attribution rules to this specific context. Instead, it proposes a method for piercing the ‘national’ veil of State-backed investors in accordance with the general principle of law of abuse of legal personality and process. This proposed framework strikes a proper balance between safeguarding the integrity of the ICSID system and ensuring State-backed investors’ access to ICSID. Moreover, this article paves the way for future tribunals by drawing inspiration from the parallel practice of the European Court of Human Rights.
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【書評】松林哲也著『何が投票率を高めるのか』

有斐閣、2023年8月発行https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641149472   淺野良成(関西大学法学部助教) 気がつけば、投票率の低下が問題視されてから久しい。選挙の直前に、「まずは自分なりに考えて一票を投じよう」「一人ひとりが主権者としての自覚を持とう」といった啓発メッセージを目にすることも当たり前になっている。しかし、そうしたメッセージにどれほど意味があるのだろうか?投票率が上がらないのは、主権者としての自覚が人々に足りないといった気持ちの問題なのだろうか? 本書は、投票率を向上させるために何が出来るのかについて、具体的なエビデンスに基づいて論じた本である。以下ではまず、本書の特徴を紹介しつつ、評者が思うおすすめの読み方をいくつか提案したい。その上で、本書から私たちが何を学べるのか、もとい評者が何を学んだのかを述べていく。 本書をどのように読むか? 本書は、投票率が低下した現状や本全体の概要を説明した第1章、投票率を左右する要因を検証した第2章から第7章、投票率に関するデータの取り方を解説した第8章、投票率の向上/低下がもたらす政策的帰結を述べた第9章で構成されている。このうち第2章から第7章は、投票率を左右しそうな条件(筆者の表現では環境要因)を膨大なデータを駆使して一つずつ検証している。 第2章から第7章の分析はそれぞれ独立しているため、関心のある箇所から読み進めても問題ない。本書に興味を持つ人の中には、実際に選挙の現場に携わっている実務家も多くおられるだろう。実務に携わる人は、第1章に目を通した上で、ご自身の経験と照らして読み進められそうな章に飛んでみて欲しい。期日前投票所の増設に関わった経験があれば第2章、選挙啓発運動を担当していれば第4章といった具合だ。また、政治参加に関心のある学生は、目次のタイトルから面白そうだと思った章をまずは読んでみよう。 本書の分析結果はいずれも、データに基づいて「〇〇という条件の下では投票率が何%ほど上がる」といった数字で表されている。このように聞くと、数学が苦手な自分について行けるだろうかと不安に思う人もいるかもしれない。しかし筆者は、最先端の高度な統計手法を用いながらも、その高度さを良い意味で読者に感じさせない工夫を随所に凝らしている。 例えば、統計モデルの詳細はコラムで補足し、本文を読み進める上では、数式が分からなくても支障がないように配慮されている。また、グラフに付けられたタイトルが秀逸である。「図5-8 選挙制度改革後に地方と都市の投票格差が縮小した」といったように、そのグラフから何を読み取れるかがタイトルに要約されている。統計学の知識に不安を持つ人や学術書に読み慣れていない人は、グラフを先に見て筆者の主張をイメージしてから、本文に戻っても良いかもしれない。 本書から何を学べるか? それでは、本書の知見から私たちはどのような示唆を得られるだろうか。本書の面白い点として、投票率を向上させる効果が見られなかった分析結果も載せていることを挙げられる。第4章で筆者は、大阪府豊中市で行ったフィールド実験に基づき、投票を呼び掛けるメッセージを工夫しても投票率が変化しなかったことを示している。実施された政策の効果を知りたい実務家にせよ、卒業論文や学位論文を書いている学生にせよ、「有意な効果は見られませんでした」といった報告を避けたがる人が多い。しかし、客観的な根拠に基づいて政策を設計するためには、その政策に効果があったかどうかを把握することが不可欠である。本書に示された筆者の誠実な姿勢をぜひ多くの方に見習っていただきたい。 また、私たちが今後さらに取り組むべき課題のヒントも筆者は数多く提示している。例えば、女性議員の増加が投票率の向上に繋がることを示した第7章は、東京都23区という特殊な地域を分析対象にしており、他の地域でも検証が必要なことを筆者自身が認めている。政治参加に興味はあるが研究の進め方に悩んでいるという人は、本書がやり残した課題にチャレンジしてみると道が開けるかもしれない。 ちなみに評者は、選挙制度改革によって衆院選における地方部と都市部の投票格差が縮小したという第5章の分析を見て、選挙制度改革の効果が波及して参院選や地方議会選でも地方部の投票意欲が下がっていないかが気になった。本書の主張を踏まえて、評者も新しい研究に取り組んでみたいと思う。 本書を読み終えると、「環境を変えてもたった数%しか投票率が変わらないのか」と感じる人もいれば、「環境を少し変えるだけでも投票率は変わるのか」と感じる人もいるだろう。しかし、効果量に対する評価に違いがあっても、エビデンスを踏まえて議論を交わせれば、低投票率の現状をただ嘆くよりはずっと前進している。そうした議論の土台となるエビデンスを実直に積み上げてこられた筆者には、改めて心からの敬意を表したい。
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小原美紀教授「研究の楽しさを共感したい」

シリーズ「研究紹介」では、OSIPPに在籍する先生方の最新の研究を紹介しています。今回は、労働経済学および応用計量経済学が専門の小原美紀教授にインタビューしました。(写真右:小原先生・左:筆者、小原先生の研究室にて) 最近はどのようなテーマに関心を持たれていますか? 企業と求職者のジョブマッチングにおいて、企業内の多様性が高まると、どういった良い効果があるのかということに関心があります。企業が多様性を重視しているとアピールすることで、その企業に関心を持つ求職者が増え、結果的に良いマッチングを実現できると考えられるからです。 多様性の例として、例えば社内の女性比率がありますよね。社内の女性比率が高いことをアピールすれば、より多くの女性の求職者に興味を持ってもらうことができます。さらに、そうした先進的な取り組みを行える企業である、というメッセージにもなります。結果的に、男性の求職者からの応募も増えるかも知れません。 あるいは、社内の障がい者比率や外国人比率はどうでしょうか。社内で共に仕事をするという観点から言えば、障がい者・外国人ともに何らかの配慮が必要であるという点で共通しています。健常な社員、日本人の社員が彼ら・彼女らに配慮することが、社員全員にとって望ましい職場環境の実現につながるということは考えられないでしょうか。 実際にジョブマッチングの現場では、多様性が見られる企業ほど、求職者が関心を持っていそうだと感じています。毎年2月に、シンガポールでASEAN諸国の外国籍人材と日本のグローバル企業をつなぐキャリアフェアが開催されています。会場には企業ごとにブースが設けてあって、各企業の担当者が4,5人のグループでリクルーターとして並んで対応します。各企業とも、どんなリクルーターが並んでいるのかは全く違います。年配の男性が多数を占める企業があれば、全員若い女性が並んでいる企業もあります。各企業とも、リクルーターは時間交代制です。実際に確認をとりましたが、交代するとき、次にどのリクルーターが立つかは何らかの意図なく決められていました。 そこで、私たちは求職者が一番多く並ぶのは、どんな性別・年齢のリクルーターがブースに並んでいるときなのかを確認してみました(全部チェックしたんだよ!)。そうすると、ばらばらの組み合わせ、つまり男性もいれば女性もいて、年齢層もばらばらな企業が一番人気でした。だから、やっぱり多様性は求職者側から見ると大事なんじゃないかな、と感じました。 それは面白いですね。先生にとって、研究の魅力は何でしょうか?  時間や労力を費やして分析しても、有意な研究結果がでることは、ほとんどありません。あるいは、結果が出ても予想と真逆の結果だったりする。でも、そういう時こそ考えるチャンスです。それが楽しい。なぜこういう結果が出たのかという説明はいくらでも考えられます。 例えば、なぜこういう研究結果が出たのかを考えたときに、個人の規範(社会的に望ましいとされる、人々の態度や行動のこと。)が時代とともに変化したからと考えられるときがあります。ただ、「規範が変わったから」と説明するだけでは研究になりません。本当に変わったのか?規範や価値観のようなものが変化していなくても起こる結果ではないのか?と吟味する必要があります。そのために、まずは規範のようなものは時間が経っても大きく変わらないと仮定し、瞬時的に起きる環境変化のようなものが個人の行動を変えた可能性を探ってみる。規範のようなものはデータでは観測できないことが多いので、これらは時間がたっても変化しないと仮定した方が統計分析上扱いやすいという利点もあります。 しかし、このような仮定で検討してもどうしても説明できないことがある。その場合、次に考えるのは、この仮定で正しいか、規範や価値観の変化を取り入れないと説明できないのではないか、です。例えば、夫婦の価値観を考えてみましょう。結婚した頃は同じような価値観を共有していた。でもそれぞれが長い期間仕事をしていれば、職場で見聞きしたことや体験したことから、価値観が変わってくるかもしれません。あるいは近所づきあいを通して価値観を揺さぶられるとか。こうして見てみると、規範は時間がたっても変化しないと考えるのは無理があるのではないでしょうか。 このような仮定への違和感は、学部生時代に初めて経済学を習ったときから感じていました。「まずこれを仮定して…」という授業での説明に疑問があった。私がなぜみかんより、りんごを好んで消費するのか。その判断基準には私の“りんご愛”とか、価値観とかが入っているかもしれない。でも、そういうものはテキストで紹介されるモデルから捨象されています。 一方で、実際に論文を読んでみると、研究者たちは教科書通りのモデルを作っているわけではありませんでした。価値観が大事だと思う研究者は、それをモデルに組み込んで分析しています。そこが面白いと思った。ちなみに、私の大学院生時代の指導教官は、私がオフィスアワーで質問する“モデルへの違和感”を面白いと言ってくれました。そして「だったらその仮定を緩めて考えてみたらいい、そうしたら研究になるよ」と教えてくれました。 研究はもっと自由だということが伝わると良いですね。小原先生は学生に強く留学や大学院進学を勧める印象がありますが、その背景にある思いを教えてください。 本当のことを言えば、(私が指導する学生だけでなく)全ての学生に留学して欲しいし、全ての学生に大学院に進学して欲しい。特に大阪大学の学生はそうだけど、みんな計画的に生きすぎていると思います。4年間で学部を終えて次は就職、という風に。きっと、これまで小さなステップを自分で設けてクリアするという事を何度も繰り返してきたからだと思います。でも、大学以降の勉強は、横のつながりが大事です。同じ分野の中で繰り返す(例えば、高校の勉強は数学なら数学、英語なら英語というように一つの分野の中で繰り返し練習する)というより、分野を横断して広い視野で見ていかないといけない。だから、もっと寄り道していいと思います。  小原先生、ありがとうございました。 先生からは、もっと大人になりなさい、もっと柔軟に生きなさい、ということを学部生の時から聞かされていました。今回のインタビューでも、試験が難しいならその年はできるところまでやってみて、その代わり来年もっと理解を深めて習得してやろうというくらいの度胸があっていい、というお話を聞きました。私にも型にはまった「良い子」たろうとする一面があります。学生生活はそれを崩し、柔軟性を身につける良い時間なんだなと感じました。 (OSIPP博士前期課程 久保知生)
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2023年8月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の8月の研究業績をご紹介します。 ・松林哲也 先生 ・髙田陽奈子 先生・片桐梓 先生  ・二羽秀和 先生・室岡健志 先生 松林哲也(著書)『何が投票率を高めるのか』有斐閣(2023年8月)https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641149472 概要:期日前投票期間や投票所の数、選挙啓発活動や議員定数の不均衡などの投票環境条件に注目し、それらがどのように投票率に影響を与えているのかを実証的に論じており、日本の有権者を対象とした投票率についての最新の研究成果をわかりやすく解説した。 Hinako Takata(論文)“Separation of Powers in a Globalized Democratic Society: Theorizing the Human Rights Treaty Organs’ Interactions with Various State Organs,” Global Constitutionalism (2023) 1–30. (査読有)  https://doi.org/10.1017/S2045381723000114※この論文は、大阪大学の助成により、オープンアクセスとして公開されています。 Abstract:As part of their continuous effort to enhance the effectiveness and democratic legitimacy of human rights treaties, human rights treaty organs have increasingly fostered a direct relationship with various state organs, thereby penetrating the ‘states’ that traditionally have been treated as monolithic legal entities. Treaty organs review the decision-making process of each type of state organ – courts, parliaments and administrative organs – and make remedial orders that are substantially addressed to specific state organs. Such phenomena go hand in hand with the relativization of the distinction between the legal spheres in which human rights treaty organs and state organs operate. This is the first study to address such phenomena as a totality. It constructs the ‘separation of powers in a globalized democratic society’ theory, thereby proposing how each type of state organ and the treaty organs should interact under human rights treaties. Its findings contribute, first, to the harmonious achievement of the effectiveness and democratic legitimacy of human rights treaties; second, to the reform of the classical paradigm of international law, in which monolithic states are the only relevant legal entities; and third, to the long-standing debates on the relationship between international and national laws from a new angle. Azusa Katagiri(論文)”Revisiting the puzzle of endogenous nuclear proliferation” Journal of Peace Research(査読有) https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00223433231177727 Abstract:Nuclear proliferation literature typically differentiates supply-side and demand-side factors influencing the spread of nuclear weapons. These distinct approaches to the proliferation puzzle raise the following empirical questions: Does nuclear supply stimulate states’ demand for nuclear weapons? Conversely, does the demand for nuclear weapons really facilitate the acquisition of nuclear supply? If such endogeneity exists between the demand-side and supply-side determinants, how would it cause empirical bias in the estimation of their effects on nuclear proliferation? This article aims to unpack endogenous mechanisms of nuclear demand and nuclear supply over the course of nuclear proliferation. In particular, it examines two potential sources of endogeneity: (1) simultaneous interactions between states’ nuclear development decisions and nuclear technological capability and (2) selection bias in nuclear development. To address each source of endogeneity, simultaneous equation models and the duration models with selection are estimated, respectively. Contrary to what recent supply-side literature suggests, the empirical analyses reveal that states’ nuclear demand is primarily driven by external security threats instead of their existing nuclear technology, and that their successful acquisition of nuclear technology mainly follows as the result of nuclear development efforts but does not necessarily depend on individual supply-side factors. This article addresses the typical inference issues in nuclear proliferation research and contributes to our synthetic understanding of proliferation mechanisms. 二羽秀和(その他の記事)「長期国債買い入れにはどのような効果があるのか」『週刊東洋経済』東洋経済新報社2023年8/26第7131号 概要:日本銀行は、2013年4月から、2%インフレ目標を達成するために量的・質的金融緩和政策を実施している。この間、日本銀行は、日銀当座預金と引き換えに大量の長期国債を購入してきた。本稿では、中央銀行の長期国債買入れの効果について、マクロ経済理論の観点から検討する。とくに、物価水準の財政理論に基づいて議論する。同理論は、貨幣経済理論の1つであり、政府債務の持続可能性の問題がインフレ率の決定に及ぼす影響について考察するものである。 Takeshi Murooka coauthored with Yuichi Yamamoto(Discussion Paper)“Higher-Order Misspecification and Equilibrium Stability” DP-2023-E-002 (August 2, 2023) https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2023/DP2023E002.pdf Abstract:This paper considers a Bayesian learning problem where strategic players jointly learn an unknown economic state, and show that one’s higher-order misspecification (i.e., one’s misspecification about the opponent’s misspecification) can have a significant impact on the equilibrium outcome. We consider a simple environmental problem where players’ production, as well as an unknown state, affects the quality of the environment. Crucially, we assume that one of the players is unrealistically optimistic about the quality of the environment. When this optimism is common knowledge, the equilibrium outcome is continuous in the amount of optimism, and hence small optimism leads to approximately correct learning of the state. In contrast, when the optimism is not common knowledge and each player is unaware of the opponent having a different view about the world, the equilibrium outcome is discontinuous, and even vanishingly small optimism leads to completely incorrect learning. We then analyze a general Bayesian learning model and discuss when such discontinuity arises.
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【新刊:松林哲也教授】松林哲也 著『何が投票率を高めるのか = What, if anything, can be done to increase voter turnout?』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した松林先生の新刊をご紹介いたします。 松林哲也先生松林哲也 著『何が投票率を高めるのか = What, if anything, can be done to increase voter turnout?』(有斐閣、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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2023年7月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の7月の研究業績をご紹介します。 ・石瀬寛和 先生  ・大久保邦彦 先生・和仁健太郎 先生 ・二杉健斗 先生 石瀬寛和(著書)「課題と手法の限界の狭間で」大塚啓二郎・黒崎卓・澤田康幸・園部哲史 編著『次世代の実証経済学』日本評論社(2023年6月) 概要:信頼性革命を中心とした実証経済学における近年の進化を概観するとともに、その進化によってもたらされた研究の発展や課題について考察する。その上で、新しい分析手法を取り入れつつ、実証経済学をさらに稔りある学問にするにはどうしたらよいかについて、幅広く議論する。実証経済学全体に関する概観と政策応用についての章に続き、各論の章では開発、労働、貿易など諸分野における実証分析の進化と利点、問題点、その打開策について議論する。全ての章は各執筆者による本論に続いて、討論者によるコメントと、本論執筆者によるリプライという3本立てで構成される。 大久保邦彦(論文)「「法の内的体系」鳥瞰図」『阪大法学』73巻2号(2023年7月)概要:本稿は、立法や裁判などの諸決定間の整合性を追求し、法の一貫性を確保するために、「法の内的体系」、特に「私法の内的体系」を描き出すことを目的とするものです。わが国では民法学の泰斗である我妻栄や星野英一がこのテーマに取り組みましたが、「抽象的命題」と「個別事件における具体的価値判断」との架橋に失敗しました。そこで、本稿では、この問題につき蓄積のあるドイツ法圏の学説を参照して、この課題に取り組んでいます。その結論は以下のとおりです。「法の内的体系」の頂点には、正義・法的安定性・合目的性という3つの法理念があり、法理念のすぐ下の原理層には、すべての法ルール・事態に作用する基底的法原則がある。そして、これらの法理念・基底的法原則は、不法行為法・契約法・不当利得法といった一定の法領域において、より具体化された法原理として現われることがある(価値のヒエラルヒア)。しかし他方で、法原理は衝突し合うことがあり、その調整が要請される(価値のコンフリクト)。そして、法原理をどのように調整したかは、法制度レベルでは基本思想として、法ルールレベルでは立法趣旨として示される(図のようなイメージです)。 和仁健太郎(論文)「ロシア・ウクライナ戦争から考える中立法の現在―交戦国への軍事援助の国際法的評価―」有斐閣Onlineロージャーナル(2023年7月)https://yuhikaku.com/articles/-/12885 概要:X国(例:ロシア)とY国(例:ウクライナ)との間に国際的武力紛争が存在する場合において、Z国(第三国)がY国に軍事援助を与えることは、国際法の観点からどのように評価されるか。この問いは、①武力行使に当たるか、②中立法の観点からどう評価されるか、③Z国がこの国際的武力紛争の当事国になるか、という3つの問いに分割できる。本稿は、これらの問い(3つの相互関係を含む)について検討する。 二杉健斗(判例研究)「国家間申立の許容性―スロヴェニア対クロアチア決定」『人権判例報』6号(2023年)96-101頁(査読有) 概要:欧州人権裁判所(ECtHR)のスロヴェニア対クロアチア決定(2020年11月18日)に関する判例評釈。個人申立手続で非政府組織要件(欧州人権条約34条)を否定されたスロヴェニアの国有リュブリャナ銀行(Ljubljanska Banka)のためにスロヴェニアが行った国家間申立の許容性について、欧州人権条約、裁判所の先例および他の条約等との関連で分析を行った。 ※論文等に関しては、査読に関する記載のないものは査読のない論文です。
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【書評】室岡健志 著『行動経済学』

日本評論社、2023年3月発行https://www.nippyo.co.jp/shop/book/9019.html   森田公之(専修大学経済学部 専任講師) 本書は簡潔にいうと名著である.というと,褒めすぎていてうさんくさい,著者に忖度しているのか,と感じた人もいると思うので,評者と著者の関係をまず明らかにする.評者は著者と共同研究(本書7.4節で紹介されている)をしたことがあり,研究者として著者は先輩である.今でも著者に会うと緊張するが,それは坊主頭のストイックな見た目と尊敬からくる畏怖が原因であり,本書の評価には全く関係ない.むしろ真っ当な批判をすれば喜んでくれるような人だ.以下では,本書の貢献や特徴を述べていく. 本書の貢献 行動経済学の一般的な人気を反映し,関連書籍は既に多数刊行されている.しかし,その多くはウケそうな話を紹介するような一般書であり,体系的に研究を整理する意図はない.そのため,一般書を読んで行動経済学に関心を持った人が,いざ自身の研究に取り入れようとすると,一般書と学術研究の間に大きな隔たりがあることに気づくと思う. 本書の貢献は,多くのトピックに対して,代表的なモデルを解説することと,関連する実験・実証結果そして豊富な応用を紹介することで,この隔たりを埋める点にある.これは,研究に取組む予定がなくても,行動経済学を学術的に正確に知りたい人にも有用だろう.大学や大学院の講義を受講することでこの隔たりを埋められる科目もあるが,行動経済学は教えられる人(研究してる人)が少ないため,多くの大学では講義が未だ開講されていないと思う(OSIPPでは著者が開講している).このような現状を踏まえると,本書の貢献は大きいと言える. 本書の特徴 「はしがき」に書いてある通り,本書の特徴は,現代の行動経済学の全体像を体系的にまとめている点にある.目次を見てもそれを見てとれるだろう.ここでは,読み進めていくと気づく本書の特徴をもう一つ紹介したい. 人々のある行動が,行動経済学のある理論によって説明できた場合,なるほど人々の意思決定の背後にはそんなロジックがあるのかと素直に納得する人もいれば,行動経済学を持ち出さなくても合理的なモデル(伝統的なモデル)を使っても同じように説明できるでしょと思う人もいるだろう.後者の経済学の考え方が染み付いているような人が抱く疑問に答えることは重要であり,行動経済学の研究に取り組む際には,この疑問と向き合わなければならない.本書では,伝統的なモデルの紹介をした後,バイアスがある場合とない場合を比較し,結果が質的に異なることを紹介することで後者の疑問に答える構成になっている.伝統的なミクロ経済理論の拡張・発展としての行動経済学を解説することを目的とした本書の特徴の一つと言える. 例えば,第2章では,指数割引を紹介した後,近視眼性を組み入れたモデルを紹介し,コミットメントの価値が異なることを解説している.第7章の合理的期待に基づく参照点依存のモデルを応用した作業割当の話では,作業割当を受ける人が参照点依存型の効用関数を持つ場合と,リスク中立または回避型の効用関数を持つ場合とで,望ましい作業割当が異なることを説明している. 誰にオススメか? 本書は,行動経済学に関心があり,学部レベルのミクロ経済学を学んだことのある全ての学生,大学教員,そして実務家に対してオススメできる.行動経済学に関心はあるが,学部レベルのミクロ経済学を既習でない場合,本書を読み進めるのが困難かもしれない.その場合,もし行動経済学を自身の研究などに活用したいと思うならば,本書を読むためにどんな知識が欠けているかを確認し,それらの学習をした上で,本書に再度挑戦して欲しい.研究への架け橋という点において,本書はそのくらい類書にない価値がある. 著者と読者の今後の努力に期待 著者は「本書が,行動経済学と伝統的な経済学の各分野との,日本における交流・統合に少しでも寄与できることを心から願う(p.10)」と述べている.評者は,このような交流や統合を促すために,行動経済学に関する研究会を定期的に開催してくれることを著者に期待している.また,本書をきっかけに行動経済学の研究を始めた研究者や実務家(読者)たちには,その研究会で自身の研究を発表することを期待している.著者と読者たちが交流できる場を設けることで,著者が望むような日本における交流・統合は現実的に促進されるだろう.そのような研究会が開催されると,大学院生などの若手が最先端の研究にふれやすくなることで,行動経済学の研究の裾野が広がり,長期的により大きな教育効果も生むだろう.本書はOSIPPで著者が開講している講義にも基づいているが,他大学の研究者も参加できるこの講義をきっかけに行動経済学を研究し始めた研究者も出てきており,実際に交流の場を設ける効果はあると思う.この書評の冒頭で,著者に会うと緊張すると述べたが,むしろ優しくて面倒見のいい人だと感じるはずなので安心して研究会に参加して欲しい.
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【新刊:石瀬寛和准教授】大塚啓二郎 [ほか] 編著『次世代の実証経済学』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した石瀬先生の新刊をご紹介いたします。 石瀬寛和先生大塚啓二郎 [ほか] 編著『次世代の実証経済学』(日本評論社、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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第14代研究科長就任 中嶋啓雄教授インタビュー 

2023年4月に、OSIPP第14代研究科長に就任した中嶋啓雄先生にお話を伺いました。 先生のこれまでの経歴と研究の概要を簡単に教えてください。 私は2007年の大阪大学と大阪外国語大学の統合に伴い、大阪外国語大学から国際公共政策研究科(OSIPP)に移籍しました。OSIPPでの在籍は既に15年以上となり、いつの間にか最古参の一人となりました。専門としている研究分野はアメリカ外交史です。元々は19世紀前半に表明されたモンロー・ドクトリンの研究をしていましたが、現在は日米文化外交を主に研究しています。チャールズ・A・ビアードというアメリカの政治学者についての研究をしているなかで、ビアードは新渡戸稲造の弟子である高木八尺や松本重治と交流があったことがわかりました。写真は2018年春に訪れたカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の新渡戸記念庭園で撮ったものです。この庭園は、新渡戸稲造が「太平洋の橋」となることを目指し、カナダで開催された太平洋問題調査会(IPR)の国際会議に出席した後にブリティッシュ・コロンビア州で客死したことから、彼を記念して作られたものです。私はこのような学者間の交流と日米関係に関心を持っています。・中嶋先生の研究紹介:https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/ja/osipp-faculty/nakajima-hiroo/・OSIPPNews:https://news.osipp.osaka-u.ac.jp/?p=7580 長年のOSIPPでの在籍を踏まえ、OSIPPの魅力や近年のOSIPPの研究・教育の特徴などを教えてください。 OSIPPの特徴は、学際的な研究活動と公共政策に役立つ実務面の教育の両方に力を入れている点です。学際的な研究活動に関しては、教員も学生も多様な研究分野やテーマに携わっているため、学生は自由な発想で関心を追求し、分野を超えた視点を身につけることができます。近年では、法・政治・経済分野の教育がより細分化され、専門性のレベルが上がっています。そのため、専門性の追求が可能になった一方、分野を超えて広く学ぶ学生が減っている印象もありますが、OSIPPでは専門性も高めつつもさまざまな学問分野に触れる機会を生かして多角的視点を身に付けてほしいと考えています。実務性に関しては、公共政策大学院として社会とのつながりを意識したプログラムやカリキュラムが充実しており、Global Leadership Programや新聞社と共同で開講する授業などを用意しています。このような実務に役立つ学びとアカデミックな学びが相乗効果をもたらすことを期待しています。また、近年では海外経験のある教員が増えたことで、英語による授業や研究発表が増加しているのも特徴です。オンライン化が進んだことにより世界が一層狭くなっているので、国境を超えて活躍する学生や教員を支援したいと考えています。 研究科長としての抱負を教えてください。 研究科長に就任したことで、OSIPP内の出来事により一層注目し、OSIPPに関わる様々な人々の意見や思いに耳を傾けたいと考えています。私は「人間目安箱」として、教員や学生、さらには事務スタッフや修了生まで、OSIPPに関わる多様な人々のニーズを把握し、それを反映させていくことを目指しています。例えば、教員やスタッフの中には、コロナ禍により人との距離が離れ、気軽に相談する機会が減少したため、相談相手が分からず自分のやりたいことが形になっていないと感じる人もいることがわかりました。最近では、さまざまな方面の意見を聞いて調整することの難しさを再認識していますが、風通しの良い組織を目指し、研究科内で起こる出来事に注意を払っていきたいです。研究科長室に閉じこもってしまうと見えなくなる部分もあると考えますので、OSIPPに関連する様々なイベントに積極的に参加し、OSIPP棟や豊中総合学館の廊下を歩く際にも周囲の人々の表情に注意を払い、皆さんの思いを少しでもキャッチできるよう心がけたいと思います。さらに、社会とのつながりも重要視していきたいです。昨年、赤井前研究科長の指揮のもとで同窓会活動を始め、各方面で活躍するさまざまな修了生と現役の学生や教職員との交流の機会を作りました。OSIPP30周年の際には、対面での記念式典の開催も目指しています。 OSIPPに関心を持っている方や在校生に対してメッセージをお願いします。 OSIPPでは、研究テーマやアプローチの仕方に大きな制約がなく、やりたいことを自由に追求することができるところが魅力です。教員のみならず学生においても、データを使い定量的な分析をする人から歴史的資料を分析する人、政策提言に関わる人から国際機関や政府機関での実務経験がある人など様々です。また、OSIPPには留学生が多く、学生間の交流の機会がたくさんあります。ここで得たネットワークは、将来、国際的に協働するパートナーとなり得るつながりとして大切にしてください。後に振り返ると、大学院生時代の自由な時間は貴重だったと感じるでしょう。心身の健康にも気を配りつつ、精一杯頑張ってください。 (OSIPP博士前期課程 池内里桜)
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2023年6月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の6月の研究業績をご紹介します。 ・前川和歌子 先生 ・Dongqin Wang 先生・和仁健太郎 先生 ・瀧井克也 先生・赤井伸郎 先生 和仁健太郎(著書)「日本周辺の海峡と外国潜水艦の通航」奥脇直也・坂元茂樹編『海上保安法制の現状と展開―多様化する海上保安任務』(有斐閣、2023年)36-50頁 概要:日本周辺の海峡(日本が沿岸国である海峡)を外国潜水艦が日本にとって有害な態様で航行する場合に、それに対して日本が何をできるかを検討した。具体的には、①通過通航権が適用される海峡の基準(「国際航行に使用されている海峡)および②沿岸国の権限の内容について問題となる解釈論上の論点について検討した。 Wakako Maekawa(論文)“Does Withdrawal of Troops After Military Intervention Reduce Rebel Groups?”Armed Forces & Society(査読有)DOI: https://doi.org/10.1177/0095327X231177717 Abstract:How does the withdrawal of troops after a military intervention supporting the government affect the number of rebel groups in the long term? This study argues that the withdrawal of foreign support for the government affects the number of rebels by directly provoking a nationalist backlash in the short term and threatening government legitimacy in the long term. Whether or not nationalism is provoked and whether legitimacy is enhanced or eroded depend on whether or not it was a humanitarian intervention. If rebels win, the intervention withdrawals also indirectly affect the number of rebel groups in the long term through the militias’ presence. Using interrupted time-series estimates between 1961 and 2005, this study found that humanitarian intervention withdrawals decrease the number of rebel groups in the long term, whereas nonhumanitarian intervention withdrawals promote the growth of militias and increase the number of rebel groups. Wakako Maekawa(書評)“Book Reviews: Micro-Evidence for Peacebuilding Theories and Policies edited by Yuichi Kubota, Singapore, Springer, 2022, viii +120 pp.” The Developing Economieshttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/deve.12371 和仁健太郎(書評)「Christián Correa, Shuichi Furuya, and Clara Sandoval, Reparation for Victims of Armed Conflict, Cambridge University Press, 2021, 293+viii pp.)」『国際法外交雑誌』122巻1号(2023年)133-138頁 概要:Max Planck Trialogues on the Law of Peace and Warシリーズの中の1冊として刊行された書籍の内容を紹介したもの。武力紛争被害者への賠償に関する3本の論文が掲載されている。 赤井伸郎(その他の記事)「行財政のAI活用、人間の知恵で」『十字路』日本経済新聞(2023年6月22日付夕刊)http://akainobuo.starfree.jp/jyu-ji-ro.html 概要:信頼性が必要とされる行財政分野においては、AI活用による情報漏洩は、機能の停滞につながりかねない。また、利益を上げることを目的とする民間のAI活用と異なり、価値判断が伴う政策へのAI活用は、工夫が必要となる。これまで以上に、人間の知恵が求められる。 Dongqin Wang coauthored with Eddy (Weijian) Zou(Working Paper)“Public Wash Programs, Long-run Child Development, and Intergenerational Mobility: New Evidence from Rural People’s Republic of China” Asian Development Bank Institute Working Paperhttps://www.adb.org/publications/public-wash-programs-long-run-child-development-and-intergenerational-mobility-new-evidence-from-rural-people-s-republic-of-china Abstract: By exploiting the differential timing of water plant construction and toilet subsidy programs across villages in rural China and using a generalized difference-in-differences, we find that each program independently increased years of schooling up to 20 years after its implementation. Effects on education are larger for girls than for boys, and for toilet subsidy programs. Furthermore, we find that the toilet program had larger education effects if it was introduced after the water program. Moreover, the toilet program reduced maternal-child education persistence and improved the upward education mobility of exposed children. The underlying mechanism is children’s health improvement. Katsuya Takii coauthored with Kenta Kojima(Discussion Paper)“Job Value: New Measure of Career Success Potential from a Job” DP-2023-E-001(July 7, 2023)https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/archives/DP/2023/DP2023E001.pdf Abstract:This paper develops a new method for assigning a value to each job that evaluates the likelihood and speed of promotion from that job to top executive and applies it to personnel data for Japanese bureaucrats. We find that outwardly similar jobs within the same hierarchical rank involve very different opportunities for promotion to top executive. We also reveal frequent real demotions and the early selection of elite bureaucrats unable to be detected through use of hierarchical rank. These findings suggest that assignment to a specific job can be a credible signal for promotion to top management.
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【新刊:和仁健太郎教授】奥脇直也,坂元茂樹 編『海上保安法制の現状と展開: 多様化する海上保安任務』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した和仁先生の新刊をご紹介いたします。 和仁健太郎先生奥脇直也,坂元茂樹 編『海上保安法制の現状と展開: 多様化する海上保安任務』(有斐閣、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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教員紹介:沈燕妮 助教

2023年4月1日付で大阪大学国際公共政策研究科(OSIPP)の助教に着任した沈燕妮先生にインタビューを行いました。沈先生は健康経済学・開発経済学を専門とし、2023年3月にOSIPP博士後期課程を修了しています。 これまでの経歴を教えて下さい 私は中国で学部生時代を過ごしました。当時は理系で専攻はロジスティック(物流工学)でした。日本の文化に興味を持ったことから、日本語を学び、大学卒業後に日本へ留学することを決めました。日本の大学院への進学にあたり、日本でも研究が盛んな経済学に専門を変更し、北海道大学とスウェーデンのイェーテボリ大学においてダブルディグリーで経済学の修士号を取得しました。その後、OSIPP博士後期課程に進学し、小原美紀教授の指導のもとで国際公共政策の博士号を取得しました。 研究者を目指したきっかけのようなものはありますか? イェーテボリ大学で出会ったAlpaslan Akay先生の研究が私にとって非常に興味深く、研究のおもしろさに気づいたことが研究者を目指すきっかけとなりました。その研究は、中国の農村部から都市に移住して働く移民を対象とし、他人と自分の所得の比較が主観的幸福感に与える影響を分析していました。自分と比較したときに他人の収入が高いと、妬みなどの感情が自分の幸福感に負の影響を与える場合があると考えられます。一方で、他人が高所得を得ているのを見て、自分も将来同じように高収入を得られると期待し、幸福感に正の影響を与える可能性も考えられます。この研究では、他人と比較したときの相対所得(自分の所得水準)が幸福感に及ぼす効果や、比較対象となるグループの年齢や住居地といった特性によって、その効果が異なることを実証的に分析していました。Akay先生に出会うまでは、研究とは“現実とかけ離れたテーマを扱う”というような印象を持っていましたが、こうした身近で興味深いテーマを実証分析できることを知り、研究というものに魅力を感じました。また、OSIPPでの指導教員であった小原先生から学生へのメッセージにも「データから新しい発見をする楽しさだけでなく、当たり前と言われていることをデータで確認する地味な喜びを皆さんと共有したいと思います。研究はとても楽しいです」とあり、身近な事象を研究する研究者になりたいと思うようになりました。 これまでの研究について紹介していただけますか? 私は、経済発展の途中で生じる政策や発展が人々のウェルビーイング(幸福感・満足度・健康)に与える影響に興味を持っています。私の研究の一つは、中国のUrban Housing Demolition(都市住宅の取り壊し政策)の消費へのピア効果(ある人の影響によってその周囲の人の行動が変化すること)を検証するものです。中国では都市化と開発のために、政府が主導する大規模な建物の取り壊しが行われていています。これによって自宅が取り壊された家計には巨額の補助金が支払われるので、人々は自分の家が取り壊しの対象になることを願っています。例えば、2015年には、国民一人当たりの平均可処分所得は年間21,966元(約44万円)であるのに対し、取り壊しの対象になった家の持ち主には平均的に908,918元(約1800万円)の補助金が支給されました。取り壊しの結果、予期せず巨額の富を得た家計は消費を大幅に増加させますが、この事象が、周囲の人々の消費活動も増加させるというピア効果があるのではないかと私は考えました。そこで、操作変数法(取り壊し政策のような予期できないランダムな介入を利用して因果効果を明らかにする方法)を使用してこの仮説を検証した結果、私の仮説通りピア効果があることを示しました。 現在取り組んでいる研究について教えてください 現在は、他のウェルビーイングに影響を与えうる政策として中国の長期介護保険制度に注目し、その効果を分析しています。中国政府が「長期介護保険制度試行に関する指針」を発表し、2016年に中国国内の15都市が先立って試験的に長期介護保険制度を導入しました。その後、この制度は2020年には49都市に拡大し、2022年3月末までに1億4500万人が制度の対象となり、保険金の受給者総数は172万人に達しています。この研究では、長期介護保険を受けることにより、お年寄りの健康、家族介護者(主には女性)の労働供給にはどの影響を与えているかを明らかにしたいと思っています。私がこの研究で面白いと思う点が二つあります。一つ目は、被保険者に対する直接の効果だけでなく、家族介護者への影響という間接的な効果も分析するというところです。長期介護保険により、被保険者は医療施設へのアクセスが容易になり、家族介護者によるケアの負担が減少する結果、家族介護者の時間配分や労働供給にも間接的に影響を及ぼす可能性があります。二つ目は、発展途上国を対象とした知見を得ることで、既存の先進国を対象とした研究の結果と比較し、長期介護保険制度の効果がどのように異なるかを確認することができるところです。 沈先生は、この春までOSIPPの博士後期課程に在籍していました。学生の視点から、また教員の視点からOSIPPの魅力を教えてください。 OSIPPでの学生時代は、日常的に研究の相談や議論ができる環境でした。小原先生のゼミでは、ゼミ生たちがそれぞれの研究テーマに関する知識や経験などを共有して、多角的な議論を行っていました。ゼミの時間以外での交流も盛んで、ゼミ生たちがお互いに尊重し信頼しあう関係を築いていたため、ゼミの雰囲気はとても素晴らしかったです。博士後期課程の2年目では、当時博士後期課程の3年次だった王冬琴助教と一緒に共著論文を書いたことも良い思い出です。毎日のようにデータを分析して結果を報告し、2人で論文を書いていました。学生同士が共著で論文を執筆するにあたり、困ったことがあった場合は、OSIPPの教員のみなさんが親身になって相談に乗ってくれました。また、毎週水曜日に開催されるOSIPP lunch seminar (OLS)でも、実証や理論など幅広い分野の研究発表に参加することができ、他の教員のコメントやその返答からも学ぶことがたくさんあります。また、学生時代は英文校正助成などのOSIPPの学生支援の手厚さも魅力的でした。教員になってからも雰囲気がよいという印象は変わらず、他の教員の方々もフレンドリーで、常に研究に関して気軽に議論できる環境です。研究者としてのキャリアをOSIPPで始められていることをとても嬉しく思います。 (OSIPP博士前期課程 池内里桜)
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【新刊:和仁健太郎教授】Peaceful maritime engagement in East Asia and the Pacific Region,edited by James Kraska … [et. al]

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した和仁先生の新刊をご紹介いたします。 和仁健太郎先生Peaceful maritime engagement in East Asia and the Pacific Region, edited by James Kraska, Ronán Long, and Myron H. Nordquist (Brill Nijhoff, 2023) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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2023年4月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の4月の研究業績をご紹介します。 ・髙田陽奈子 先生・室岡健志 先生・大久保邦彦 先生  ・片桐梓 先生 Hinako Takata coauthored with Shotaro Hamamoto(著書)“Human Rights, Treaty Bodies, General Comments/Recommendations” (2023) in Anne Peters (ed.), Max Planck Encyclopedias of International Law(Oxford University Press, Online edition). (査読有) 概要:国際公法のオンライン版百科事典であるMax Planck Encyclopedias of International Lawに掲載された、査読済の記事です。国連の人権条約機関が発行する「一般的意見」について、その歴史的沿革や、法的根拠、1990年代以降の性質の変化、内容の特徴、採択過程、法的価値や権威、そして人権条約の実効性や正統性との関連、といった観点から包括的に分析し論じたものです。 室岡健志(著書)『行動経済学』日本評論社(2023年3月) 概要:1) 行動経済学の理論と伝統的な経済学の理論のつながり、その背後にあるエビデンスを明確に示しながら解説。2) 行動経済学の理論が、経済学のさまざまな分野でどのように応用されているかを具体的に解説。たとえば、貯蓄行動、購買行動、求職活動、労働契約、教育、財政、医療、健康などへの応用例を紹介。3) 行動経済学に関連する政策、データ収集、実験などの実施を考えるための理論な基盤を提供。たとえば、消費者保護政策、競争政策、課税政策、年金政策などを考える。 大久保邦彦(判例評釈)①「賃借権の時効取得」別冊Jurist『民法判例百選I総則・物権[第9版]』88頁➁「運用利益の返還義務」別冊Jurist『民法判例百選Ⅱ債権[第9版]』138頁③「不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用または類推適用により元本に組み入れることの可否―約定利息・法定利息・遅延利息の法的性質論を兼ねて(最三判令4・1・18)」『判例時報 2545号』108頁 ① 判決要旨:甲所有の土地を買い受けてその所有権を取得したと称する乙から右土地を賃借した丙が、右賃貸借契約に基づいて平穏公然に目的土地の占有を継続し、乙に対し賃料を支払っているなど判示の事情のもとにおいては、丙は、民法一六三条の時効期間の経過により、甲に対して右土地の賃借権を時効取得することができる。➁ 判決要旨:1.銀行業者が不当利得した金銭を利用して得た運用利益については、民法第189条第1項の類推適用により同人に右利益の収取権が認められる余地はない。2.不当利得された財産に受益者の行為が加わることによって得られた収益については、社会観念上、受益者の行為の介入がなくても、損失者が右財産から当然取得したであろうと考えられる範囲において損失があるものと解すべきであり、その範囲の収益が現存するかぎり、民法第703条により返還されるべきである。3.第1項の運用利益が商事法定利率による利息相当額(臨時金利調整法所定の1箇年契約の定期預金の利率の制限内)であり損失者が商人であるときは、社会観念上、受益者の行為の介入がなくても、損失者が不当利得された財産から当然取得したであろうと考えられる収益の範囲内にあるものと認められるから、受益者は、善意のときであっても、これが返還義務を免れない。③ 判決要旨:不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は、民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることはできない。 片桐 梓(その他の記事)「政府は国内世論を重視して外交政策を判断しているのか?長年の研究を経て未だに「難問」」『WEBアステイオン』(2023年4月19日掲載)
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【新刊:二羽秀和助教】法政大学比較経済研究所 森田裕史 編『マクロ経済構造の分析 : 時系列分析手法とその応用』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した二羽先生の新刊をご紹介いたします。 二羽秀和先生法政大学比較経済研究所 森田裕史 編『マクロ経済構造の分析 : 時系列分析手法とその応用』(日本評論社、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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【新刊:室岡健志准教授】室岡健志著『行動経済学』

OSIPPライブラリーでは、教員の研究業績を収集した「スタッフコーナー」を設置しています。このたび、スタッフコーナーへ受入した室岡先生の新刊をご紹介いたします。 室岡健志先生室岡健志著『行動経済学』(日本評論社、2023年) ⇒ 大阪大学所蔵検索 書誌詳細画面はこちら (OSIPPライブラリー)
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