JP
JP

ニュース

News

  • イベント

薮中三十二特任教授 OPEN教室「日本の針路を考える -分断された世界、アメリカの大統領選挙を控えて-」

2024年7月1日、OSIPP棟講義シアターにおいて、元外務事務次官の薮中三十二特任教授によるOPEN教室「日本の針路を考える-分断された世界、アメリカの大統領選挙を控えて-」が開催された。講義はすべて英語で行われ、様々な国籍、年齢、性別からなる40名の参加者が集まった。 薮中先生は、現在様々な要因で分断されつつある世界における諸問題に触れながら、アメリカや日本の外交について述べ、日本がこれからどのように外交を展開していくべきかについて論じた。 まず、現在の顕著な分断として、G7諸国とBRICSのように民主主義と独裁主義が対立していることを述べた。そのような状況下で今年、世界を導く立場ともなるアメリカの大統領選挙が行われ、候補者それぞれの外交姿勢は異なっていることを説明した。どちらが選出されるのかによって日本が行う外交も異なると述べた。 次に、現在の世界の問題と国際連合(国連)についても説明した。国連の安全保障理事会の常任理事国であるロシアのウクライナ侵攻に関しては、なぜ起こったのか、事前に防げなかったものなのか、また平和的な対話とは何か、そしてNATOによりウクライナの安全を保障することについても述べた。 最後に、尖閣諸島の問題、北朝鮮の核実験などの日本周辺の問題に関して触れた。これからの日本が進む道としてアメリカとの強い同盟や、防衛能力の強化および東アジアの国々との平和を維持するための外交努力が必要であるとのことだった。 世界は複雑に絡まった多くの問題を抱えている。薮中先生はそれらの問題に対処する心得として、対話による和平を重要視している。これは日本だけでなくどの国においても同様に重要だろう。元外交官の薮中先生の講演は、筆者にとって日本の外交について深く考える貴重な機会となり、国際社会における平和の重要性を再認識させるものとなった。 (OSIPP博士前期課程 奥野愛理)
  • イベント

2024年度夏季OSIPP説明会

2024年5月17日、大阪大学豊中キャンパスのOSIPP棟会議室にて夏季OSIPP入試説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約100人が参加し、対面会場では用意された資料をもとに入試及び在学中のカリキュラム等の説明が行われた。(写真:中嶋啓雄研究科長による挨拶の様子) 最初に中嶋啓雄研究科長から挨拶があり、OSIPPは今年で30周年を迎えると述べた。また、OSIPPでは若手や女性の研究者が活躍していること、広報サイトであるOSIPPNews やSNSでの発信活動など、活発な取り組みが行われているとの紹介があった。 続いて、河村倫哉教務委員長がOSIPPの概要および入学試験に関する説明をし、カリキュラムの特徴や求める学生像、試験の形式などについて言及した。その上でOSIPPの特徴としては、留学生が多いだけでなく出身国が多岐にわたることや、初学者であっても各学問を基礎から学ぶことができることを挙げた。 次に、生藤昌子教授(経済学系)・和仁健太郎教授(法学系)・片桐梓准教授(政治学系)から各学問系統のカリキュラム紹介があった。 生藤先生は、研究を行う技術を磨くために入学後は基礎科目に力を入れることを推奨した。また初級から上級まで各レベルに合わせた講義があり、段階的な学習ができることを説明した。同大学経済学研究科との違いについては、データを用いた研究を行いたい場合はOSIPPが向いていると言及した。 和仁先生からは文献資料を正確かつ効率的に読む力を養う講義や判決文を原文で読む講義など、具体的にどのような学習が行われているのかが紹介された。また、法学研究科での国際法の講義にはOSIPP教員が出向いているので、国際法を本格的に学びたい場合はOSIPPが向いていると述べた。 片桐先生は政治学の各教員が、どのようなアプローチで研究を行っているのかを紹介した。そして、講義内容については、マスメディア、国連の運用や実務、多文化共生などをテーマとした学習ができることを説明した。また、学位取得後のキャリア形成に関する実践的なセミナーを提供していることも紹介した。 その後は経済学・法学・政治学をそれぞれ専攻する3人の在学生が、実際に感じたOSIPPの魅力について話し、教員から丁寧な指導を受けることができる点や、学生同士の交流が盛んであることを伝えた。また社会人学生からは仕事との両立が可能であることも伝えられた。説明会の最後には質疑応答が行われ、入試や研究計画書の書き方などに関する疑問が教員や在学生に寄せられた。 説明会ではOSIPPの特徴や他研究科との違いについてわかりやすい解説があった。参加者は各教員の紹介や在学生の生の声を聞くことができ、OSIPPで過ごすイメージを具体化させることができたのではないかと思う。 (OSIPP博士前期課程 藤原慶斗)
  • イベント

World Economic Outlook Seminar by IMF

2024年5月9日、International Monetary Fund(以下IMF)の経済分析担当者であるRui C. Mano氏とDiaa Noureldin氏を迎えて、IMFによる世界経済の見通しに関する特別セミナーが開催された。学生や教員も含め約60人が参加した。(写真左:Rui C. Mano氏、 右:Diaa Noureldin氏) 講演では、今後の経済成長の特徴について、緩やかではあるものの、安定しており、物価上昇に対応するための中央銀行による金利引き上げに対しても想定外に強靱であることが示された。政府や民間の消費が大きく、パンデミックによる過剰蓄積の傾向も緩和したという需要側の要因と、サプライチェーンが効率化されたことに加え、パンデミックによる国境封鎖が解除され移民労働者が増加したという供給側の要因が寄与したと説明があった。今後の見通しが変更になるリスク要因としては、プラスの影響として人工知能による生産性の向上などが予測される一方、ロシアのウクライナ侵攻に対する政治的な立場の違いが異なるグループ間の貿易量を減少させているなどの、地政経済学的な分断の激化がマイナスの影響として予測された。 また、金利政策が住宅価格に与える影響がパンデミック前後で変化したことや、同じ金利政策であっても住宅市場に与える影響が国によって異なることについても言及した。 Diaa Noureldin氏からは、近年の経済成長の停滞の要因について説明があった。経済成長は、労働、資本、労働と資本以外の質的要素(例えば技術革新など)であるTotal Factor Productivity(以下TFP)によって説明される。このTFPの減少が経済成長の減速の大部分を占めている。また高所得国を中心とした労働人口の高齢化が、労働成長を抑制し経済成長の鈍化に繋がっている。 経済成長を加速させるための政策シナリオとして、失業者への給付や積極的な労働者教育などによる労働参加率を増加させる政策や、人材配置の効率化、人工知能の活用は効果があるのではと予測した。 講演の後半は、質疑応答の時間が設けられた。人工知能の普及によって地域間や個人間の不平等が拡大する危険性や、GDPをはじめとした伝統的な指標やデータに対する信頼性の問題、アメリカと比較した際の日本の金利の低さの原因など、それぞれの関心に基づき様々な質問がなされた。IMFの調査員から直接話を聞くという貴重な機会であり、セミナーの終了後も、質問をしたい学生達が列を作っていた。 なお、今回の講演は2024年4月に公開されたWorld Economic Outlookという報告書の最新版に基づいて行われたものである。この報告書は4月と10月の年に2回更新され、以下のサイトにて公開されている。 World Economic Outlook: https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2024/04/16/world-economic-outlook-april-2024 また、IMFは日本やアジアなど国や地域を限定した経済見通しに関する報告書やポッドキャストを公開している。興味のある方はぜひ以下より参照されたい。 Regional Economic Outlook: https://www.imf.org/en/Publications/REO Podcasts: https://www.imf.org/en/News/Podcasts (OSIPP博士前期課程 山本葉月)
  • イベント

2024年度OSIPP入学オリエンテーション

2024年4月3日(水)、OSIPP棟講義シアターとオンラインでのハイブリット形式で、OSIPPに入学する博士前期課程・博士後期課程の学生に対し、入学オリエンテーションが行われた。 中嶋啓雄研究科長の挨拶に続き、教員の自己紹介、カリキュラム、研究倫理、学生生活、人権問題など、OSIPPでの学生生活に必要となるトピックに関する説明が、担当の教員によって行われた。 今年度はオリエンテーションの後に留学生を対象にした説明会も行われ、初めて日本に住む学生が抱く疑問や不安に対しては、OSIPPの教員や学生が丁寧に寄り添う体制があるので、気軽に相談してほしいということが強調されていた。 オリエンテーションの後半ではOSIPPライブラリー職員による文献検索ガイダンスと資料室(OSIPPライブラリー・経済学研究科資料室・法学研究科ローライブラリー)ツアーが実施され、明日からでも研究や学習のスタートダッシュを切れるように案内が行われた。 <懇親会開催>オリエンテーション後はOSIPP院生会主催の懇親会が開催された。オリエンテーションの開始時には緊張した面持ちだった新入生も、一日を通して互いに打ち解け、自身の専攻分野などに関係なく多くの学生が交流を深めていた。また、OSIPPの在学生に履修について相談している新入生も見られた。 ある新入生は「OSIPPの学生が多様性にあふれていることに驚いた。ここでの学生生活で多くのことを吸収したい」と意気込みを語っていた。 (OSIPP博士前期課程 辻本篤輝)
  • イベント

韓国 慶煕(キョンヒ)大学超短期プログラム(2023年度)

2023 OSIPP Special Winter Program on Society and International Relations of Contemporary Japan, January 15 – 19, 2024 (写真:慶煕大学学生、中央左:中嶋研究科長、中央右:河村准教授) 2024年1月15日~19日の5日間、韓国の慶煕(キョンヒ)大学から16人の学生を受け入れ、短期学生交流プログラムが開催された。慶煕大学はOSIPPが部局間交流協定を結んでいるパートナー校の1つである。 初日は、中嶋啓雄OSIPP研究科長によるプログラム開講の挨拶の後、前川和歌子准教授による講義: Japan’s Approach to Peacebuildingが行われた。 2日目は、片桐梓准教授による講義: The Rise of China and East Asian Securityに続き、南和志准教授・中嶋教授のゼミ生25人が参加して学生たちのディスカッションが行われた。まずはゼミ生 から議題のプレゼンテーションが行われ、続いて日韓の学生たちによる議論があった。最初に「台湾問題に対する日韓の取りうる対応」について議論が交わされた。次に、日韓の深刻な社会問題である少子化と人口減少について意見が交わされた。このテーマでは、「社会規範が女性の役割を無意識レベルから規定している」「日本は総合職というポストがメジャーだが、韓国はもっと専門性をもったポストが多いことによって、女性が専門性を身につけて社会進出しやすい」といった、両国の社会規範や労働参加意識の相違、その結果としての労働市場の差などについての言及があった。学生たちが、アジアの政治情勢から、身近なキャリア選択の話題に至るまで、様々なトピックについて興味を持って交流を深めている様子が印象的だった。 3日目には、二杉健斗准教授による講義: Contemporary International Law Issues in East Asia、続いて高田陽奈子准教授によるHuman Rights Protection in Asia: Do European and Inter-American Models Work?をテーマにした講義とディスカッションが開催された。 4日目は、石瀬寛和准教授による講義: Exchange Rate and Sovereign Crisis、続いて生藤昌子教授による講義: Environmental Policies in Japan が開催された。 最終日の5日目は、河村倫哉准教授による講義: Are Multicultural Policies Possible in Japan? で締めくくられた。最後に、中嶋研究科長からプログラムの修了証が一人一人に手渡され、学生たちは達成感のある表情だった。 (OSIPP 博士前期課程 花山愛歩)
  • 在学生
  • イベント

2023年度口頭報告審査会および博士論文進捗状況報告会

2023年12月7~9日、博士前期課程(修士)・博士後期課程(博士)論文の「2023年度口頭報告審査会および博士論文進捗状況報告会」がオンライン形式で開催された。(写真:河畑波恵さんの発表の様子) 口頭報告審査会では、修士号申請者35人と博士号申請者4人が自身の学位論文の内容を発表し、博士論文進捗状況報告会では、13人の学生がそれぞれの博士論文について、これまでに仕上がっている部分の内容と今後の研究計画を報告した。 博士前期課程2年次である久保知生さんは「女性候補者の勝利がその次の選挙での候補者の性別に影響があるのか」という、日本の政治において多様性を確保するうえで非常に重要な問いに挑んでいる。分析の上では「最後の1議席にぎりぎりで女性が当選した場合と男性が当選した場合において、次回の選挙での候補者を比べる」という着眼点で、特定の関数形を仮定しないノンパラメトリック回帰不連続デザインと呼ばれる統計手法を用いて「女性候補が勝利した選挙区では、次回の選挙で非現職の女性候補者が擁立されやすい」という統計的因果効果に迫った。久保さんは、発表終了後に13人という大勢のギャラリーが見守る中、主査や副査からの内容や統計手法に対する質問に一つ一つ丁寧に回答していた。 博士前期課程2年次の河畑波恵さんは、米国でアジア系女性として育ち、性別や民族的所属による偏見を持たれたという自身の経験から、“マイノリティ”にあたる、非白人で女性であるカマラ・ハリス氏が副大統領に選出された際の選挙を、社会の鏡となるメディアはどう報道しているのかに関心を持った。そこでCBSとCNNの膨大な選挙報道のデータを収集し、丁寧に比較分析をした。その結果、2020年アメリカ大統領選挙において、性別および民族的所属に関する報道はハリス候補の報道の5分の1を占めたのに対し、“マジョリティ”に当たるジョー・バイデン候補(2008年)やアル・ゴア候補(1992年)に関する報道ではゼロだったことを示した。また、いずれの候補者についても、候補者の政治思想や政策に関する報道は15%以下にとどまっていたことから、河畑さんは修士論文を通して選挙報道のあり方を問い直している。報告会を終え、河畑さんは「先生方に良いアドバイスを頂けたので、それを元に修正していきたいと思います!」と清々しい笑顔で語った。 博士後期課程2年次のElizaveta Kugaevskaiaさんは “Time Zones and Voting Behavior: Evidence from Russia” というタイトルで現在進めている研究の進捗を報告した。タイムゾーンの境界線を挟んだ地域では、日の出と日の入りは同じタイミングであるにも拘らず、線の東西もしくは南北の地域でその時刻は異なる。Elizavetaさんはこのことが起床時間、睡眠の質、気分などに影響して投票率や右派・左派など党派ごとの得票率にまでも影響があるのではないかと考えた。そこで、世界で最も多くのタイムゾーンを持つ国であるロシアを舞台に、地理的データを使った空間回帰不連続デザインという近年経済学で利用され始めたばかりの方法を用いて取り組んでいる。Elizavetaさんの発表後、主査と副査からは結果の解釈やそのメカニズム・先行文献に至るまであらゆる角度からのコメントが寄せられ、予定時間を20分超過するほど白熱した議論が行われた。そして最後に、今後の博士論文執筆や研究会での発表に向けて行うべき分析の方針を確認した。 今年3月に修了予定の学生は、今回の審査委員からのアドバイスを踏まえて加筆修正した学位論文を1月上旬に提出する。その後、学位論文の審査と教授会の決定を経て学位が授与されることになる。 (OSIPP博士前期課程 辻本篤輝)
  • イベント

2023年度秋季OSIPP説明会

2023年11月10日、OSIPP棟2階講義シアターにて秋季OSIPP説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約60人が参加し、入学試験及び在学中のカリキュラム、修了後の進路等についての説明、および質疑応答が行われた。(写真:OSIPP修了生の進路を説明する小原美紀教務委員長) 説明会は、中嶋啓雄研究科長の挨拶から始まった。中嶋研究科長は、OSIPPでは社会の諸問題について学際的にアプローチし、最終的に政策という形につながるよう研究・教育が行われていること、インターンシップ教育などで社会とのコミュニケーションを重要視していること、さらに専任の教員が多いために充実した研究・教育が実施できることを挙げ、OSIPPには国際的な視野を持って公共政策課題の解決に取り組むリーダーを養成するための知見や能力を身につける環境が整っているという紹介があった。 その後、小原美紀教務委員長より、例えば学部レベルの数学のような基礎から入学後に学べるカリキュラムの特徴、入試に関する情報、早期修了制度を含めた修了要件、学生支援等についての詳細な説明があった。 入試情報に関しては、OSIPPの出願において英語民間試験のスコアは過去5年以内のものが有効なので、早めに高いスコア取得に向けて動いてほしいという激励があった。また、学生支援については様々な奨学金情報を在学生向けのインターネット掲示板等で得られることに加え、海外の奨学金採用の支援にも推薦状執筆などを通してOSIPPの教員が支援を惜しまないこと、2024年から大阪大学で始まる特待留学生授業料免除についても言及があった。 続いて、経済系と法政(法学・政治学)系の教員からそれぞれの分野に関する説明があった。経済系からはOSIPP教授である小原美紀先生が、初めて経済学を学ぶ学生でも専門性を身につけられるように設計されているOSIPP経済系のカリキュラムの魅力を伝えた。法政系は河村倫哉准教授が、法学・政治学分野でそれぞれどのような授業が開講されているかを説明したうえでOSIPPでは特に国際法・国際政治学・国際関係論の教員が多く在籍していること、UNESCOなどの国際機関で実務経験を積んだ教員による授業が豊富であることを説明した。 次に、OSIPP教員からの日本語と英語でのメッセージ動画が放映され、教員が具体的にどのような研究を行っているか、どのような学生とともに研究を行いたいかについて熱い思いが伝えられた。 その後は在学生が3人登壇し、自らが感じるOSIPPの魅力を語った。国際性・学際性を兼ね備えたOSIPPであるからこそ得られる視点や学びがあることを紹介したうえ、教員と学生の距離が近いこともOSIPPの魅力である、と語っていた。 教員からの一連の説明が終了したあとは、法学系の教員である大久保邦彦教授も加わって質疑応答の時間が設けられた。得られる学位や卒業後の国際機関への就職についてなど、様々な質問が会場やオンラインのチャット機能を通じて寄せられた。また、対面会場では説明会終了後も在学生や教員に個別の質問をしている様子も見られた。 教員からの丁寧な説明や在学生も対応した質疑応答によって、参加者一人ひとりがOSIPPでの充実した学びと未来への一歩を体感できたのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 辻本篤輝)
  • 教員
  • イベント

第14代研究科長就任 中嶋啓雄教授インタビュー 

2023年4月に、OSIPP第14代研究科長に就任した中嶋啓雄先生にお話を伺いました。 先生のこれまでの経歴と研究の概要を簡単に教えてください。 私は2007年の大阪大学と大阪外国語大学の統合に伴い、大阪外国語大学から国際公共政策研究科(OSIPP)に移籍しました。OSIPPでの在籍は既に15年以上となり、いつの間にか最古参の一人となりました。専門としている研究分野はアメリカ外交史です。元々は19世紀前半に表明されたモンロー・ドクトリンの研究をしていましたが、現在は日米文化外交を主に研究しています。チャールズ・A・ビアードというアメリカの政治学者についての研究をしているなかで、ビアードは新渡戸稲造の弟子である高木八尺や松本重治と交流があったことがわかりました。写真は2018年春に訪れたカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の新渡戸記念庭園で撮ったものです。この庭園は、新渡戸稲造が「太平洋の橋」となることを目指し、カナダで開催された太平洋問題調査会(IPR)の国際会議に出席した後にブリティッシュ・コロンビア州で客死したことから、彼を記念して作られたものです。私はこのような学者間の交流と日米関係に関心を持っています。・中嶋先生の研究紹介:https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/ja/osipp-faculty/nakajima-hiroo/・OSIPPNews:https://news.osipp.osaka-u.ac.jp/?p=7580 長年のOSIPPでの在籍を踏まえ、OSIPPの魅力や近年のOSIPPの研究・教育の特徴などを教えてください。 OSIPPの特徴は、学際的な研究活動と公共政策に役立つ実務面の教育の両方に力を入れている点です。学際的な研究活動に関しては、教員も学生も多様な研究分野やテーマに携わっているため、学生は自由な発想で関心を追求し、分野を超えた視点を身につけることができます。近年では、法・政治・経済分野の教育がより細分化され、専門性のレベルが上がっています。そのため、専門性の追求が可能になった一方、分野を超えて広く学ぶ学生が減っている印象もありますが、OSIPPでは専門性も高めつつもさまざまな学問分野に触れる機会を生かして多角的視点を身に付けてほしいと考えています。実務性に関しては、公共政策大学院として社会とのつながりを意識したプログラムやカリキュラムが充実しており、Global Leadership Programや新聞社と共同で開講する授業などを用意しています。このような実務に役立つ学びとアカデミックな学びが相乗効果をもたらすことを期待しています。また、近年では海外経験のある教員が増えたことで、英語による授業や研究発表が増加しているのも特徴です。オンライン化が進んだことにより世界が一層狭くなっているので、国境を超えて活躍する学生や教員を支援したいと考えています。 研究科長としての抱負を教えてください。 研究科長に就任したことで、OSIPP内の出来事により一層注目し、OSIPPに関わる様々な人々の意見や思いに耳を傾けたいと考えています。私は「人間目安箱」として、教員や学生、さらには事務スタッフや修了生まで、OSIPPに関わる多様な人々のニーズを把握し、それを反映させていくことを目指しています。例えば、教員やスタッフの中には、コロナ禍により人との距離が離れ、気軽に相談する機会が減少したため、相談相手が分からず自分のやりたいことが形になっていないと感じる人もいることがわかりました。最近では、さまざまな方面の意見を聞いて調整することの難しさを再認識していますが、風通しの良い組織を目指し、研究科内で起こる出来事に注意を払っていきたいです。研究科長室に閉じこもってしまうと見えなくなる部分もあると考えますので、OSIPPに関連する様々なイベントに積極的に参加し、OSIPP棟や豊中総合学館の廊下を歩く際にも周囲の人々の表情に注意を払い、皆さんの思いを少しでもキャッチできるよう心がけたいと思います。さらに、社会とのつながりも重要視していきたいです。昨年、赤井前研究科長の指揮のもとで同窓会活動を始め、各方面で活躍するさまざまな修了生と現役の学生や教職員との交流の機会を作りました。OSIPP30周年の際には、対面での記念式典の開催も目指しています。 OSIPPに関心を持っている方や在校生に対してメッセージをお願いします。 OSIPPでは、研究テーマやアプローチの仕方に大きな制約がなく、やりたいことを自由に追求することができるところが魅力です。教員のみならず学生においても、データを使い定量的な分析をする人から歴史的資料を分析する人、政策提言に関わる人から国際機関や政府機関での実務経験がある人など様々です。また、OSIPPには留学生が多く、学生間の交流の機会がたくさんあります。ここで得たネットワークは、将来、国際的に協働するパートナーとなり得るつながりとして大切にしてください。後に振り返ると、大学院生時代の自由な時間は貴重だったと感じるでしょう。心身の健康にも気を配りつつ、精一杯頑張ってください。 (OSIPP博士前期課程 池内里桜)
  • イベント

2023年度夏季OSIPP説明会

2023年6月9日、大阪大学豊中キャンパスの法経講義棟にて夏季OSIPP入試説明会が行われました。当日は対面とオンラインを合わせて約80人が参加し、入試及び在学中のカリキュラム、修了後の進路等の説明が行われました。(写真:中嶋啓雄研究科長からの挨拶) 初めに中嶋啓雄研究科長から挨拶があり、続いて、小原美紀教務委員長がOSIPPのアドミッションポリシー、教育システムの特徴やOSIPPが提供するプログラムを紹介しました。小原教務委員長はアドミッションポリシーにおける「国際社会で自らの主張を積極的に発信したい」というフレーズに注目し、“まず自分の意志を持つことの大切さ”を主張しました。 次に、小原教務委員長(経済学系教務委員)・和仁健太郎教授(法学系教務委員)・河村倫哉准教授(政治学系教務委員)から経済学・法学・政治学のカリキュラム紹介がありました。各分野の初学者も対象とし、基礎から学べることがOSIPPのカリキュラムの特徴だと、各教員が強調していました。さらに、他のOSIPP教員からの動画メッセージが流れました。 昨年度は在学生からのメッセージも動画での紹介でしたが、今年度は在学生が会場でメッセージを述べました。経済学・法学・政治学をそれぞれ専攻する4人の在学生が、普段の学習、研究活動、および就職活動について自らの体験を話しました。ある在学生は、消極的な理由からOSIPPに進学するのではなく、やりたいことを明確にしてOSIPPに入学することを強く訴えていました。 最後に質疑応答の時間があり、当日の説明会やOSIPPのホームページでは紹介されていないことに関して、参加者が質問を投げかけていました。 この説明会を通して、多くのOSIPP教員や在学生がそれぞれに持っている熱いメッセージを発しており、参加者はOSIPP入学後のイメージをより鮮明に描くことができたのではないかと思います。 (OSIPP博士前期課程 久保知生)
  • イベント

「OSIPPでデータ分析を学び卒業した先輩とのオンライン交流会」開催

2023年6月4日、「OSIPPでデータ分析を学び卒業した先輩とのオンライン交流会」(CEPO* 主催)が、大阪大学法学部国際公共政策学科の学生を対象に、オンラインで開催された。8名の学生が参加し、OSIPPでデータ分析の手法を学び社会で活躍している修了生と交流した。 プログラムの前半では、OSIPP博士前期課程(修士課程)修了の岡春陽さん(現・経営コンサルタント)と、OSIPP博士前期課程(修士課程)とUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)の経済学博士課程に在籍中の藤崎航太郎さんによるプレゼンテーションがあった。同じ大阪大学法学部国際公共政策学科出身でありながら、それぞれ全く異なる学生生活、その後のキャリアを選択した2人が、OSIPPへ進学した動機やOSIPPで得た学び、その学びと現在のキャリアとのつながりなどを話した。岡さんからは「楽しそう、という気軽さで進学していい」というメッセージ、藤崎さんからは「海外大学院進学は十分実現可能で楽しい選択」というメッセージがあった。プログラムの後半では少人数での質疑応答の時間が設けられ、参加者それぞれが修了生に将来のキャリアや学部生としての過ごし方についての質問や相談をした。 進学や留学を検討している学部1年次の学生から、社会人になってから大学院進学を考えている学生まで、さまざまな思いを持った学生が年次を問わず参加し、修了生2人の話に耳を傾けた。現在OSIPPに在籍している筆者も、学部生時代に進学や就職についてたくさん悩んだり先輩の話を聞いたりした経験があり、今回の交流会がそのような学部生にとって視野を広げるとても貴重な機会になったのではないかと思う。また、OSIPP教授である小原美紀先生からは「いろいろな道と可能性があることを忘れずに」という言葉があり、修了生2人の話と共に学生にとってとても心強いメッセージになったのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 花山愛歩) * CEPO(Center for Evidence-Based Policy Making @ OSIPP,OSAKA UNIVERSITY):EBPM(証拠に基づく政策立案)の普及を図ることを目的とし、OSIPP経済系教員により組織された研究センター。質の高いエビデンスに基づく政策立案に役立つ、厳密な実証/理論研究の推進に努めている。
  • イベント

Royal Princess号で行く!神戸港見学会(大阪大学赤井研究室主催・大学生貸切企画)

2023年5月1日(月)に、OSIPP教授である赤井伸郎先生の研究室主催で、神戸港見学会が開催された。(写真:Royal Princess号を背景にした集合写真) 本イベントは、昨年に引き続き6回目の開催。当日は晴天に恵まれ、200人以上もの関西地域の大学に在籍する学生たちが集まっており、そのうちの約30人はOSIPPの学生であった。まずは参加者全員で集合写真を撮影した後、Royal Princess号に乗船した。船内では、最初に神戸市職員による新卒採用の説明が行われ、次に船から見える施設や船舶等についてガイドによる説明があった。その後しばらく神戸港周辺を遊覧した後、神戸海洋博物館に場所を変えて、各大学間の相互理解・交流を深めるべく、各大学の代表者らによる、それぞれの大学の魅力についてのプレゼンテーションが行われた。 参加した学生らは、ガイドによる船内アナウンスを聞きながら、神戸市職員の方々との会話を通じて、神戸市役所での仕事への理解を深めた。また、船上での歓談とプレゼンテーションにより、学生同士の相互交流も深めることもできたのではないだろうか。 ======================================== 筆者は、神戸港を遊覧するせっかくの機会だと思い、このイベントに参加した。神戸港周辺の現況や神戸市役所での仕事など、ただ遊覧するだけでは得られない貴重な学びがあった。それと同時に、他の学生と親睦を深める機会ともなり、イベント後は、一緒に昼食を食べに行き、神戸市散策に出かけるなど、楽しい時間を過ごすことができた。 (OSIPP博士前期課程 杉浦卓弥)
  • イベント

Welcome Event by Global Community Office

2023年4月17日、OSIPP棟6階のプロジェクト研究室にてグローバル・コミュニティ・オフィスの主催で、新入生の歓迎会を兼ねた交流会が行われました。ランチタイムの開催ということで、各自が好きな食べ物や飲み物を持ち寄りました。会には新入生だけでなく、在校生や教職員も含め約30人が参加しました。(写真:ヴァージル・ホーキンス先生による説明の様子)  当日は新学期が始まって1週間足らずだったこともあり、参加者は出身地などの自己紹介や、授業や指導教員など学生生活の話で盛り上がっていました。ある新入生は「履修登録のシステムや院生室の暗証番号など、覚えないといけないことがあって大変だ」と話していました。 会の途中にはOSIPP教授であるヴァージル・ホーキンス先生からOSIPP International Caféに関する告知がありました。このCaféは、OSIPP棟2階のグローバル・コミュニティー・オフィス(205号室)にて毎週月曜日・水曜日・木曜日の12時~13時30分に開催され、学生同士が自由に交流する空間となります。ホーキンス先生曰く「(ここに来れば)何か良い情報がもらえる(こともあるかも)よ!」とのことです。皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。 OSIPPは日本人の学生だけでなく、アジア圏・アフリカ圏・ヨーロッパ圏出身の学生も多く在籍しています。筆者は今回の交流会でモザンビーク出身の学生と話す機会があり「西洋と東洋では(文化的に)何もかもが違う」という話を聞きました。そして、OSIPPの授業では文化や制度の違いから多様な意見が出て、しばしばハッとさせられたことを思い出しました。今後も、交流や授業を通して新たな気づきを得られるのが楽しみです。 (OSIPP博士前期課程 久保知生)
  • イベント

特別講義「ESGが変える企業戦略」開講

2023年4月14日(金)、特別講義「ESGが変える企業戦略」が開催されました。この講義は、大阪大学のESGインテグレーション研究教育センター(ESG-IREC)が同大学国際公共政策研究科と日本経済新聞社との共同授業として新たに開講する科目「ESGが変える企業戦略」の初回授業でした。 当日、200人に迫る学生が出席した授業の冒頭では、担当教員の一人であり、現在、国際連合システム合同監査団(JIU)の監査官としてジュネーブの国連欧州本部に赴任している星野俊也大阪大学名誉教授がオンラインで登壇し、ESGの重要性と合わせて本授業を日本経済新聞社と共同で開発し、実施するに至った経緯や意義を語るとともに、これから社会のリーダーとなる受講生たちに対する熱い期待を伝えました。また、本学の招へい教員として本授業を担当する日本経済新聞の清水美宏大学コンテンツプランナーが、「ESGが変える企業戦略」と題する授業の全体のプロローグとして世界と日本のESGの比較やESGと資本主義の関係などを議論するとともに、全15回の各回を概観し、日本経済新聞社自体の取り組みなども例に挙げつつ、企業戦略の変化に着目してESGについて学ぶ本授業のキックオフを行いました。受講する学生は、この授業を通じて日本企業のESG戦略を理解することで、ESG領域で使われる用語や知識を学ぶことができます。そのため、一昨年度から秋冬学期に開講されている科目「ESGインテグレーションの理論と実践」とともに、この授業が、学生のESGに関する理解をより深めることが期待されます。 <ESG>Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字をとって作られた言葉であり、従来は非財務情報とされてきた環境、社会、そして企業統治にかかわる行動を重視する企業の投資活動および事業活動のことを指します。気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が深刻化しているなかで、企業がESGを積極的に取り入れた経営を行ったり、ESGに熱心な企業を投資家が後押ししたりすることにより、企業の業績アップや長期的な成長を支える経営基盤の強化と国連で合意された持続可能な開発目標(SDGs)の実現にみられる社会課題の解決との両立を目指す取り組みです。 (ESGインテグレーション研究教育センター(ESG-IREC)久保田雅則)
  • イベント

「研究の魅力:性別を問わず挑戦できる環境について」開催

2023年4月5日(水)、豊中総合学館302講義室とオンラインのハイブリット形式で「研究の魅力:性別を問わず挑戦できる環境について」が開催された。本イベントは、研究者を目指す女性の学生を支援する取り組みの一環として、女性研究者や子育て中の研究者と対話する機会を提供する目的で企画された。OSIPP修了生である大阪商業大学公共学部の中嶋貴子准教授、甲南大学経済学部の足立泰美教授、OSIPPの室岡健志准教授、前川和歌子准教授、髙田陽奈子准教授、王冬琴助教の6人の研究者が登壇し、このうち、5人が女性で、4人が子育て中の研究者であった。 イベント冒頭では、学内外の生活を支援する奨学金制度についてOSIPP教授である赤井伸郎先生から紹介があり、続いて室岡先生からは、大阪大学で提供されている保育支援制度について説明があった(冒頭の写真)。大阪大学では、教職員だけでなく学生も利用できる学内保育園や一時預かり保育などが充実しており、学生や教職員が自分の研究に専念できる環境を整えるために大きな支援がなされていることが紹介された。その後、登壇者たちは、自身の経験談を共有し、研究者になった背景や魅力について語った。子育て中の研究者たちは、大学での研究職の魅力の1つとしては、自分のスケジュールや仕事内容を自分で決めることができる柔軟性を挙げており、その点が仕事と子育てとの両立に役立っていると話した。 後半では、研究や家庭との両立のハードルを乗り越えるノウハウを説明した。研究面では、それぞれの登壇者が博士号を取得した後から現在の職に就くまでの過程を説明し、キャリア形成のイメージを共有した。また、子育て中の女性教員3人からは、出産を経て研究を続けるための経験や知恵が語られた。中嶋先生は、行政による経済的な支援や保育支援などを積極的に利用することで、子育てをしながらも研究を続けられる環境を整えることができるとし、研究職のキャリア形成について悩みがあれば、一人で悩まずに教員や卒業生などに相談することを勧めた。また、足立先生からは、子育ては大変ではあるがキャリアにマイナスの影響を与えるものではなく、子育て経験から思いついた問いから、新たな研究テーマを得たという経験が語られた。髙田先生は自身の出産を経たことで同僚や学生の家庭の事情、健康の事情に気を配るようになったことを振り返り、子育て中の女性研究者に限らず多様なニーズを持つ人々全てが研究を続けることができる環境の整備が必要であると話した。イベントの最後には、普段なかなか尋ねる機会のないキャリア面や家庭と仕事の両立に関する具体的な質問が多数寄せられ、学生たちの関心の高さが伺えた。 本イベントでは、OSIPPでの学生時代に子育てを経験した方や、研究者になってから出産を経験した方など、様々なバックグラウンドを持つ人の話を聞くことで、キャリアの多様性を知ることができた。近年はRPD(注1)や男性育休など、年々ワーク・ライフバランスを保ちやすい支援体制が整ってきているとの説明もあった。このようなイベントにおいて支援に関する情報や多様な研究者の実際の経験を知ることは、筆者を含めた研究者を目指す学生にとって心強い励みになり、そうでない学生にとっても研究者としてのキャリアを検討するきっかけになったのではないだろうか。 (OSIPP博士前期課程 池内里桜) (注1)出産・育児により研究を中断した研究者を支援する制度JSPS CHEERS!(日本学術振興会)
  • イベント

2023年度OSIPP入学オリエンテーション

2023年4月5日(水)、豊中総合学館302講義室とオンラインのハイブリット形式で、OSIPPに新たに入学する学生(博士前期課程32人、博士後期課程8人)に対して入学オリエンテーションが行われた。 (写真:小原美紀先生による説明の様子) 今年度から新たに就任した中嶋啓雄研究科長は、OSIPPの特徴として「国際性・学際性・実用性」を挙げ、「幅広い分野の研究者がいるOISPPでは可能性は常に開かれている」と語り、学生たちに「Folks, be ambitious.」とメッセージを送った。 研究科長の挨拶に続き、OSIPP教授の小原美紀先生・瀧井克也先生・大久保邦彦先生によるカリキュラム等説明、研究倫理、学生生活案内、人権問題についての説明が行われた。また、これに続き、院生幹事会による院生会案内とOSIPPライブラリースタッフによる文献検索ガイダンス、OSIPPライブラリー・法学研究科資料室・経済学研究科資料室の見学、中嶋先生らによるダブル・ディグリー・プログラム説明会の後、赤井伸郎先生(OISPP教授)の司会による「研究の魅力:性別を問わず挑戦できる環境について」というテーマでのセミナーが行われた。 オリエンテーションを通して、説明を担当した教職員それぞれが「困ったことや分からないことがあれば気軽に教員と連絡をとりましょう」と話し、これから始まる学生たちの生活がより良いものになるようサポートしようとしてくれている姿勢が伝わった。また、学生生活・研究生活に必要となるたくさんのトピックスが紹介され、新入生たちは教職員の話を注意深く聞き、今後の学生生活に思いを馳せているようであった。 新入生の皆さん、これから一緒に実りのある学生生活を送りましょう! (OSIPP博士前期課程 花山愛歩)
  • イベント

第8回国際公共政策コンファレンス(待兼山会議)

2023年3月18日(土)・19日(日)に「第8回待兼山会議(国際公共政策コンファレンス)」が豊中キャンパスにてオンラインも併用しつつ開催された。(写真:最優秀賞・個人発表優秀賞を受賞した水谷優来さんの発表)2015年から開催されてきた本会議は、コロナ禍による一度の中止を経て、今年で8度目の開催となった。このイベントは、主に高校生を対象とした、国際的な課題に関する研究発表の場である。 今年は「持続可能な開発目標(SDGs)の実現のための国際的な問題の分析とその解決策」というテーマの下、個人・グループで計17組34人の高校生が発表を行った。1日目はOSIPP棟にて分科会に分かれて発表が行われ、2日目は理学研究科南部陽一郎ホールにて各分科会の代表者による発表が行われた。高校生による発表は大変興味深く、質の高いものばかりであった。その中から特に優れた発表が表彰され、「ナイル川流域におけるエジプトとスーダンの水紛争 現状把握と政策提言」というテーマで、ナイル川流域で将来予測される水分配に係る紛争に着目した発表を行った 水谷優来さん(United World College Red Cross Nordic)が、最優秀賞及び個人発表優秀賞を受賞した。二国間の適切な水分配の比率に関して様々な学問分野の手法を用いた研究成果の発表と政策提言がなされ、非常に公共性の高い優れた発表であった。また、優秀賞を受賞した植田清花さん(神戸市立葺合高等学校)は「障害理解のための効果的なインクルーシブ教育」というテーマで、同じく優秀賞を受賞した山田あやめさん・増山俊治さん・奥村優里奈さん・東美奈さん(長崎県立長崎東高等学校)のグループは「持続可能な藻場造成」というテーマでそれぞれ発表を行った。 また、2日間の日程の中で2回の基調講演が行われた。1日目にはOSIPPにて博士前期課程を修めた越智萌先生(立命館大学大学院国際関係研究科准教授)より、「悲しみを乗り越える法の力―ロシア・ウクライナ紛争の後処理を考える―」というテーマで、ロシア・ウクライナ紛争に関して国際刑事司法の観点から戦争犯罪やICC(国際刑事裁判所)などについての講演が行われた。なお、講演前日にICCによってロシアのプーチン大統領に逮捕状が出されたことで、偶然ながらも非常に時宜を得た講演となった。2日目には三重県職員の安藤智広氏を迎えて、自身が勤務していた台湾と日本の交流の歴史などについて講演が行われた。 高校生による発表は、充実した研究成果は勿論のこと、待兼山会議の発表への綿密な準備の跡がうかがえるもので、今後の研究の進展が非常に期待できるものであった。参加者はお互いの発表を聞くことで、将来を担う意欲的な高校生同士で刺激を得たのではないだろうか。本会議では、国際的な諸課題への関心や問題解決のための能力・発信力を身に着けることと同時に、意欲的な高校生同士のネットワークの構築も開催の目的としている。本会議で得た経験とネットワークを生かして、共に社会の諸課題に取り組むきっかけを得られたとすれば、運営に携わった一人として無上の喜びである。 <待兼山会議ウェブサイト>https://osippconference.wixsite.com/conference ※昨年度まで松繁寿和教授(昨春ご退職)のゼミにより運営されてきた本行事は、今年度より法学部国際公共政策学科の学生を中心に設立された学生運営団体Flagshipのもとで運営されることとなった。 (学生運営団体Flagship / 法学部国際公共政策学科3年 久保光)
1 2 3