紀要『国際公共政策研究』が刊行

 OSIPPの編集、発行する紀要『国際公共政策研究(International Public Policy Studies)』第1巻第1号がこのほど創刊された(=写真)。
 B5版、横組みで、210ページ。基本的に年一回発行。学際的、先端的、グローバルな研究というOSIPPの理念を反映し、経済、法律、政治に関する多彩な論文、追悼文15本を収めている。森口親司、蝋山昌一、黒澤満、高阪章、橋本介三各教授、飯田善郎助手らが寄稿しているほか、博士後期課程在籍中の院生9人も意欲的な論文を寄せている(各論文のタイトルはニューズレターNo.2を参照)。


120人、川島先生の退官祝う

OSIPPの初代研究科長、川島慶雄先生の阪大退官を記念する祝賀会が5月31日、大阪・北区のホテル阪急インターナショナルで行われた(=写真)。
 川島先生は1957年阪大法学部を卒業、同法学研究科修士、博士課程を経て、同学部助教授、教授として主に難民法、人権法を研究。94年から2年間、新設されたOSIPPの研究科長に就き、今年3月に阪大を定年退官した。現在は、帝塚山大学の法政策学部長を務める傍ら、国際交流基金関西国際センター所長として、国際交流の要職も担っている。
 祝賀会は、川島先生の知友、門下生が主催し、約120人が参加、黒沢満教授の司会で午後6時から始まった。会ではまず、金森順次郎総長が登壇し、「卒業式にローブを着たくないという先生方が多かったが、川島先生の人柄で説得してもらい皆が着るようになった」というエピソードを紹介、温厚な川島先生の人徳が学内改革にも貢献した、とあいさつ。続いて松岡博副学長の音頭で乾杯、来賓や教え子らの祝辞では「いまだに飲み会で4次会まで行かれる先生を失うのは惜しい」といった言葉も飛び出し、和やかな雰囲気の中、感謝と賛辞が送られた。
 終わりに川島先生が、「公務員という身分を離れたので、精神的にも自由な気持ちになっている。学生時代も入れて44年間、阪大にお世話になった。63年の人生の3分の2にあたるが、今後はこれを2分の1にするため皆さんの励ましを糧に、がんばっていきたい」とあいさつ、大きな拍手を浴びた。


IPP研究会が発足

 国際公共政策研究の新たな場となる「IPP(International Public Policy)研究会」がこのほど発足、その研究報告会が6月3、5日、7月3日に、阪大で開かれた。
 「IPP研究会」は、1)経済系研究者と法律・政治系研究者の知的交流促進、2)博士論文作成者への中間報告の機会提供などを主な目的に、基本的にはOSIPPの教官と博士後期課程の学生が報告を行う。今年度は9月以降、さらに3回予定されている。
 第1回目は阪大・待兼山会館で催され、ゲストスピーカーとして世界銀行のA.Bhattacharya氏とR.Johannes氏が「開発金融と民間資本の途上国への流入」について報告した。2回目は奥井めぐみ氏(D2)が「職種間賃金格差に関する実証分析」について報告(=写真)、3回目は加納正二氏(D3)が「地域金融機関の実証分析」、石川誠氏(京都教育大学講師)が「標準化と知的所有権」について、それぞれ発表を行った。
 「IPP研究会」の問い合わせは、C. McKenzie助教授(文・法・経済学部本館4階、TEL:06-850-5622)まで。報告希望者は随時受け付けている。



新事務長に平ノ上さん

 OSIPPの事務関係を統括する国際公共政策研究科等事務長に、新しく平ノ上昭夫さん(54)が就いた。4月1日付の異動により、前事務長の城戸廣司さんが基礎工学部事務長に、平ノ上さんは経済学部事務長からの着任となった。
 国際公共政策研究科等事務長は、OSIPPの事務の他、学部1、2年生への基礎講義課目を提供する全学共通教育機構の事務関係も統括するポスト。学生の年齢や講義内容の全く違う部局を同時に扱うため、「瞬時に頭を切り替えねばならない」困難な側面もある。「発足4年目に入り、今後のOSIPPの長期展望を事務方としてサポートしていく責任は重大」と語る。当面はOSIPP校舎の着工に全力をあげる。