研究プロローグ

高阪章教授

(国際経済学、経済発展論)

1972年京都大学経済学部を卒業、同大学大学院経済学研究科に進学。しかし経済的に自立したいという思いもあり、D1でアジア経済研究所に就職した。
当時は、第1次オイルショック期で中東経済を研究。語学を学ぶ才も長けていたようで、アラビア語も習得したそうだ。
昔から「もぐりは大好き」で、アジ研時代も東大大学院の小宮ゼミに参加。ここで国際経済に触れたことが、フルブライト留学生としてスタンフォードでPh.D.を取得するきっかけにもなった。「個々人の意思とは無関係に、世の中、時代を動かしてゆく大きなもの」に昔から関心があり、国際経済学という大きなテーマに強く惹かれたのだと言う。

 80年にアジ研に戻り、主に東アジア途上国の研究に従事。京大東南アジア研究センター助教授などを経て94年からOSIPP教授。研究の性格上、海外出張が多いが、意外にも飛行機に乗ったのは留学の時が初めて。学生時代はリュックを背負って日本中を旅行する「カニ族」だったそうで、その後、歩き回る舞台が世界へと広がったわけだ。
ふだんはチノパンとチェックやストライプのシャツが多く、自由で開放的な人柄によく似合う。48年生まれだが、30年近く前の写真と今もほとんど変わらない風貌。しかしさわやかなイメージとは裏腹に指導は厳しい。「大学院は学び方を学ぶ場。限られた時間とエネルギーの中で、ゆっくり、じっくり、大きく、深く考えてほしい」と、1時間延長する授業もまれではない。


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