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【同窓会主催】修了生インタビュー(中島剛さん)

2023年にOSIPP博士後期課程を修了された中島剛(なかしまつよし)さんにインタビューを行いました。中島さんは現在、大阪大学本部事務機構で、経営デザインチームのチーフを務められ、国による新たな大学支援制度の枠組み(産業競争力・研究力中核大学群)に関する企画立案などに取り組まれています。(写真:インタビューの様子。左が中島さん。)

現在の職種や仕事内容について教えてください。

現在、大阪大学本部事務機構の経営デザインチームでチーフを務めています。主に、国による新たな大学支援制度の枠組み(産業競争力・研究力中核大学群)に関する企画立案を担当しています。加えて、大学全体の重要プロジェクトの推進にも携わっています。
これらの業務を遂行するため、国や自治体の政策(高等教育政策・科学技術政策・産業政策など)や社会・経済動向を収集・分析しています。また、必要に応じて中央省庁や自治体、さまざまな企業・団体へヒアリングを行い、最新動向を直接把握することもあります。

なぜOSIPP博士後期課程へ入学することを決断したのですか。

2010年に大阪大学大学院経済学研究科(博士前期課程)を修了しました。在学中はファイナンス論を研究しており、当初は博士後期課程への進学も視野に入れていましたが、家庭の事情により就職を選びました。それでも大学教育に携わりたいという思いが強く、母校である大阪大学の職員採用試験を受験し、入職しました。
一度は進学を断念したものの、「学問を途中でやめてしまった」という心残りが消えず、「いつか必ず博士後期課程へ進み、研究を続けたい」という思いを抱き続けていました。その後、職場の理解と家族の支えを得て、2015年に社会人学生としてOSIPP博士後期課程に入学しました。

OSIPPでの研究テーマを教えてください。

OSIPP入学当初は、「国立大学法人の財務分析」という漠然としたテーマを掲げていました。しかし、仕事と子育ての両立で多忙となり、研究がなかなか進まない時期もありました。
転機となったのは、2020年から2021年度にかけての新型コロナウイルス禍に、本部事務機構の経営デザイン課(現:経営デザインチーム)で法定評価業務(国立大学法人評価や大学機関別認証評価)を担当したことです。学内外の調整に奔走する中で、実務担当者ならではの強い問題意識を抱くようになりました。
この経験をきっかけに、博士論文のテーマを「国立大学法人の評価制度に関する実証分析」へと明確に定めることができました。

現在の仕事の魅力や大変な点、それに必要となるスキルを教えてください。

・面白いところ
国などの政策動向をいち早く捉え、大阪大学の将来の方向性や改革の実行に直接関われる点に、大きなやりがいを感じます。特に、博士論文の執筆を通じて培った多角的な視点は、現在の大学改革・経営企画の実務でも活かされています。新規性を追求しながら企画を立案していくプロセスは、論文執筆と通じるものがあります。

・大変なところ
タイトなスケジュールの中で、学内外の多種多様な関係者と高度な交渉・調整を行い、大学としての最適解を導き出す必要があります。そのため、スピード感と柔軟性が強く求められる点が大変です。

・現在の仕事で必要となるスキル(主に3点)
① エビデンスに基づく「課題設定能力」と「論理的思考力」
大学経営や公共政策の現場では、単に前例を踏襲するのではなく、「何が本質的な課題か」をデータや理論に基づいて見極める力が求められます。OSIPPでの論文執筆や議論を通じて培われる論理的思考と分析枠組みは、どのような組織でも通用する強みになります。

② 多様な関係者と協働・調整するための「コミュニケーション力」
組織で大きな成果を出すには、相手の立場や意図を汲み取り、共通の目的に向けて協力関係を築く力が不可欠です。その土台となるコミュニケーション力は、学生時代から専門や背景が異なる仲間と積極的に議論し、合意形成を図る経験を重ねることで磨かれます。

③ 目の前のハードルに粘り強く取り組む「実行力」
複雑な課題に直面しても、問題を分解し、一歩一歩コツコツと解決に向けて行動し続ける姿勢が大切です。

最後に、現在のOSIPP生にメッセージをお願いします。

研究の過程では、テーマがなかなか定まらなかったり、論文執筆が思うように進まなかったり、仕事や生活との両立に悩んで挫折しそうになる瞬間があるかもしれません。私自身も修了までに8年を要し、途中で大きな壁にぶつかりました。
それでも、実務現場での疑問や関心を大切にし、周囲への感謝を忘れずにコツコツと向き合い続ければ、必ず視界が拓ける瞬間が訪れます。OSIPPで過ごす時間、情熱を持ってご指導くださる先生方、そして切磋琢磨できる仲間との出会いは、生涯の財産です。
ご自身の可能性と現場での気づきを信じて、一歩一歩前へ進んでください。応援しています。

(OSIPP博士前期課程 神代知紀)