活動報告(1996年度・その2)

論文発表

著作

学会・シンポジウムでの報告等


研究プロローグ 辻正次教授(理論経済学、日本経済論)

「やはり野に置け、れんげ草、ということでしょうか…」上級国家公務員試験に合格、一時は大蔵省入りも考えたが、結局研究者の道を選んだ心境をこう表現する。
「指導教官から『官僚の世界は本人の努力だけでは不十分。世渡りの術や政治力がないと出世できない』と言われた。それなら在野で研究を続けた方が性格に 合っているかなと思って」京都大学経済学部から大阪大学の大学院へ。
 学部生時代から数理経済学に興味を持ち、自分なりに勉強してきたつもりだったが大学院で一級の研究者に触れ自信を喪失。この道を選んだことを後悔した こともあった。
 転機は米国留学だった。阪大社会経済研究所助手になった直後=下写真、日本学術振興会の第1期留学生試験に合格、米スタンフォード大学へ。ここでテーマを絞って一つの研究に没頭、ph.D.を取れたことが自信につながった。  
米滞在中の 1973年は外国為替市場が変動相場制に移行した年だったが、その“大事件”の印象が全くないという。それほど専門の研究に没頭した毎日だった 。
 現在のOSIPPの学生にも過去の自分を重ね合わせ、研究者としてのプロ意識を求める。「同業者として新しい学際的な学問体系を一緒に作っていきたいと思っているが、研究が質、量とも足りないのでは」。研究生活のあり方を語る時、普段の柔和な表情が一瞬、厳しくなった。

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