交流

米国ハワイ大学助教授(計量経済学)ルイジ・エルニミ客員教授

関西基盤に日本の消費動向調査

 日本での研究テーマは、「ボーナスの存在が消費活動にどう影響するか」。 欧米先進国など個人が銀行ローンを頻繁に利用する国との比較を行い、ボーナスの有無が人生のプランニングに与える影響を調査する。
「日本はユニークな給与システムを採用しており、その消費行動は非常に興味深い。特に関西は消費者のサンプリングに最適」。実業家としてのキャリアからか、商業都市・大阪に対する関心が高い。 1945年、ローマ生まれ。ローマ大学で化学工業を専攻。卒業後はミラノでケミカル・エンジニアになるが6年後、 実業家に転身。友人と2人で水泳プールの関連備品(飛び込み台やロッカー設備 など)を製造する会社を設立した。
オリンピック用のプールを手掛けるなど順風満帆な会社経営だったが「次第 にアカデミックな世界へと興味が移り」、82年、米カリフォルニア大学サンディエゴ校へ。5年後、同大学で経済学のph.D.を取得した。カリフォルニア大学リヴァーサイド校や豪シドニー大学で教鞭をとった後、90年から米ハワイ大学で マクロ経済学のドクターコースの学生を指導している。
 「ハワイ大学へ移ったのは海の近くで暮らしたかったから」という根っから のマリン・スポーツ好き。特に実業家時代に始めたセーリングは「最も重要な生活の一部」といい ハワイでは48フィートのヨットを家代わりにして洋上生活を続けている。自慢のこのヨットはカリフォルニアで購入後、16日間単身で太平洋 を航海してハワイまで運んできた、という「集中力を高め、精神を鍛えるにはセーリングが一番」とか。
 来日は5度目。今回は3カ月間(97年1月-3月)の日本滞在だったが「近いうちに再来日し、データ収集を進めるつもり。その時はハワイからセーリングしてくるかも」研究者に転身後も実業家時代のエネルギッシュな生活は変わらない。


シンクタンク探訪 野村総合研究所(NRI)

”情報の世紀”視野に情報インフラ構築

 来るべき21世紀を、“情報の世紀”ととらえ、自らを「情報世紀をクリエイトする知的資産創造企業」と位置付ける。
 1965年4月、日本初のシンクタンクとして誕生。企業の経営戦略策定、官公庁の政策立案など受託研究やコンサルティング事業を中心に着実に規模を拡大。67 年に日本の調査機関としては初の海外進出(ニューヨーク事務所を開設)を果たして以来、ロンドンやシンガポール、シドニーなどにも次々に事務所を設置し、 現在では海外拠点も10カ所を数える。
 現在は「リサーチ」「コンサルティング」に加え、「システム」事業を展開 。これは金融や証券、公共部門、流通などの各分野においてシステムインテグレ ーション(情報システムの企画から設計、開発、運用、保守まで)を一貫して行うもので、「コンピューターや通信の先端技術と、企業経営などのノウハウを結 集したNRIの総合力を基盤にしている」という。
 また経済のグローバル化、金融の自由化に対応するために、海外の研究機関との交流も積極的に展開。米ブルッキングス研究所、フランス国際関係研究所な ど欧米4ヵ国の代表的シンクタンクとネットワークを結成し、共同研究プロジェクトを推進している。また韓国、フィリピンなど8ヵ国のシンクタンクや中国の研究機関とも協力、「情報の世紀の到来」に備えている。

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