新研究科長に辻教授
 

 OSIPPの新研究科長に辻正次教授が4月1日付けで就任した。1月のOSIPP研究科委員会(教授会)で投票により選出された。任期は2年。川島慶雄・阪大名誉教授、林敏彦教授、黒澤満教授に続く第4代の研究科長。
 辻研究科長は目標としてまず、OSIPPのアイデンティティを共有する一体感の必要性を指摘。「これまでのように、経済系と法政系の間で考え方、やり方が違っていてはいつまでたってもOSIPPのアイデンティティが固まらない。新校舎という器ができたので今度は中身として、国際公共政策学という新しい分野の確立のため求心力が生まれるようにしていきたい」と話す。
 また、独立行政法人化などの大学改革の動きも火急の課題。「ここ2年でOSIPPの将来が決まってしまう。外部評価委員会のアドバイスも生かしながら、むしろこの変革期を好機にして一層の飛躍を」と積極的にあたる姿勢だ。

 辻教授は一九四六年、京都府生まれ。京都府立桃山高校から京都大学経済学部へ。大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了後、米・スタンフォード大学に留学、七六年同大学でPh.D.(経済学)取得。大阪大学社会経済研究所助手、名古屋市立大学経済学部専任講師、同助教授、同教授を経て九四年からOSIPP教授。九八年から大阪大学評議員。専門は理論経済学で、現在は日本経済の構造転換、マルチメディアと地域情報化などが研究テーマ。水泳が趣味で、愛猫家でも知られる。


小和田氏、客員教授に

 

 OSIPPでは今年度より小和田恆・日本国際問題研究所理事長(=写真)を客員教授に招き、同氏の担当する国際公共政策特殊講義「国際公益と日本外交」を開講した。小和田氏は外務省事務次官、国連大使などを歴任、日本外交きっての切れ者として知られ、授業ではその卓抜した知見と外交現場の体験を交えた国際関係論、外交論を説く予定。
 同氏は1932年新潟県生まれ、東京大学教養学部を卒業後、外務省入省。条約局長、事務次官、国際連合日本政府常駐代表部特命全権大使、外務省顧問、世界銀行上級顧問などを歴任。また東京大学非常勤講師として国際法、国際機構論を教え、ハーバード大学、コロンビア大学などでも教鞭をとった。著作は『外交とは何か』(96年、NHK出版)など。


next page